「ソード・オラトリア」第16巻感想

この記事は

「ダンまち外伝 ソード・オラトリア」第16巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

「妖精覚醒編」最終第三幕。
前回は、本編で「全滅すること」を知った上で読んでいたから、読むのが億劫だった。
けれど今回は真逆で、本編での結末を知っていたから、お気楽に読み進めていたんですよ。
本編以上の惨状は無いだろう。ラスボスもいないだろうし。
甘かった。あまりにも甘すぎた。
忘れていたぜ。
主人公パーティが地獄以上の地獄に叩き落されるのは、本編よりもむしろこっちの方だったんだと。
感想です。

僕の感情はジェットコースター

本編で「ラスボス」と対峙したのだから、こっちは救出されて脱出するだけではないか。
そう思っていた。
というか、本編読んでいる時に「フィン達の参戦」を待ち望んでいたのです。
圧倒的な絶望の淵にあって、何故フィン達は加勢に出てこないのか?
不思議でならなかった。
当然だった。

本編の決戦地の「真下」にいたことは分かっていた。
分かっちゃいたけれど、そこで本編以上のモンスターとエンカウントしてるなんて考えてすらいなかった。

15巻の感想で「外伝のラスボスである『穢れた精霊』を本編で倒す展開は無い」、「もし本編で『穢れた精霊』と戦うことになると、こっちでやることが無くなる」とか書きました。
まさに本編で『穢れた精霊』との対決が描かれ、本編21巻⇒本書の順で読んでいたからこそ、冒頭のような呑気な頭で読んでいたのです。

「千蒼(タリア)の氷園」での仲間探し。
片腕を喪ったレフィーヤの「その後」。
過酷だし、凄絶ではあったけれど、これまでの冒険に比べたら、まだまだ大したことないなぁという感じで読み進めていた。

ティオネは何故だか「助かるだろう」と楽観視してたこともあるし、「よし今だ、キスして目を覚まさせるんだ!!」とか頭の中で叫んで、実際フィンがその通りの口撃をして「きたーーーーーーー」とか1人喝さいしたりw
ベルが四肢欠損してあっさりと治ったから、「レフィーヤもなんとかなるだろう。なってくれるよね?」と不安3楽観7くらいの気持ちだった。

そしたら、規格外の、『穢れた精霊』以上の化け物が出てくるんだもの。
とはいえ、それでも何とかなるだろうと、この期に及んでも思っていて。
だって、ラウル達がまだ合流してなかったから。

彼らが来れば。
形勢はひっくり返る。
…と思っていたらさ。

そのラウルが、仲間を守って、死んでしまって…。

まさかここまでラウルに、アナキティに感情移入するとは。
非常に受け入れがたい状況でした。

前回でも触れたけれどメインキャラの死が、そろそろ訪れてもおかしくないと「覚悟」はしていた。
ティオナじゃなければ良いと願い、その想いはベルが果たしてくれた。
ティオネは先にも書いたように「大丈夫だろう」とどこか楽観してて、実際フィンがぶっちゅーして助けた。
ラウルは確かに死亡フラグ立ててたけど、ガリバー四兄弟からツッコまれてたから「フラグは折れた」と勝手に信じてたんだよね。

無い
そう思った状況での死だったからこそ、辛かった。
アキの慟哭なんて読みたくなかった。

読んでいてメンタルボロボロ。
本編21巻以上の地獄は無いだろうと思い込んだ上でだったから余計に。

 

そうして迎えたラスト。
泣いた。
ベタなオチ上等。
ほんっっっっっっとーーーーに良かった。

ロキ・ファミリアは「千蒼(タリア)の氷園」に何を求める?

17巻から最終章に入るという。
いよいよアイズの出生の謎が明かされるようで。
きっと「千蒼(タリア)の氷園」が絡んでくるんだろう。

「千蒼(タリア)の氷園」とは一体なんなのでしょう。
フィン達は、そこに何を求めているのでしょう。
ラストページのイラストからは、どうも「古代の化け物(英雄)」がいるっぽいが…。

まだまだ本編とリンクしつつ展開されるようですが、その「違い」はどうやって語られるのか。
色々と興味が尽きませんので、早く次巻読みたいものです。

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