バブみって何?(笑
半年位前だったか?
割と最近耳にするようになった「バブみ」。
なんとな~く意味が透けて見える言葉ですが、正しく理解してなかったので、これを機に調べてみました。
本来、「母性」は年上の女性が、年下の子供に対して向けるものであったが、そんな母性を、年下の女性に対して求める、または年下の女性から感じる時に用いるのがこの言葉。
理解した。
それより具体例の所の「草加雅人」の項に衝撃。
「小説版に至ってはそれ以上いけない線を超えてしまった程。」と書かれていて、何事かと思ったら、マジかよ…。
これ完全にあかんやつやん。
よく石ノ森プロは許可出したな…。
脱線しました。
バブみですね、バブみ。
今年に入って、とあるラノベの紹介文で「今話題のバブみもの」という触れ込みを信じて読みましたが、その時はこれじゃない感が強かったんですよね。
厳密には年下じゃ無かったし、寧ろ人間じゃ無かったし。
そういうフィクション要素求めて無かったよって感じのラノベで、ちょいとガッカリしたのですが、「小学生がママでもいいですか?」は違いました。
これぞバブみって感じでした。
非常に面白い漫画だったので、ネタバレありで感想を書きます。
ぢたま先生に期待すべき点
ぢたま先生といえば、個人的には「kiss×sis」のイメージが強い。
人によっては「まほろまてぃっく」(作画担当)や「ファイト一発! 充電ちゃん!!」になるのかな。
まぁ、このブログを訪れてくれている殆どの読者さんは「聖なる行水」なんでしょうけれど。
この変態さんめ。
僕は今回初めて知ったタイトルでしたが、とあるフェチさんには大人気らしいですね。
そう。
フェチなんですよ。
「kiss×sis」も同じ。
直接的な描写って殆ど無いんですよ。
少なくとも本番行為は描かれてません。
そんな中でも一際扇情的でねっとりとえっちい描写が特徴。
フェチを知り尽くした変態紳士先生が、世の変態をブヒブヒ言わせている漫画だと思っています。ぶひぶひ。
正直に言おう。
僕は「小学生がママでもいいですか?」にエロを期待してました!!
表紙見て「うわぁぁぁこのロリかわいぃぃぃぃぃ」ってなって、第1話を試読して「この同僚ヒロインちゃんが…ぐふふ」と涎を垂らしてました。
多分同様の紳士はいっぱいいるかもしれません。
だから最初に誤解を解こうと思うの。
慌てず落ち着いて連載雑誌を確かめましょう。
そう。
「月刊少年シリウス」連載なんですよ。
少年誌です。
エロは期待できません。
そりゃ「シリウス」の兄弟誌(兄貴分)の「月刊マガジンZ」ならば、エロを期待できたかもですけれど。
知ってます?
「月刊マガジンZ」。
「仮面ライダーSPIRITS」、「サクラ大戦 漫画版」、「ウルトラマンSTORY0」、「KING OF BANDIT JING」、「サイキックアカデミー煌羅万象」、「クロノアイズ」、「ジャバウォッキー」。
毎月必ず代原が載っているという究極の綱渡り雑誌(笑
大好きだったなぁ。
「ライスピ」連載と同時に買い始めて…。
「ぱペットレボリューション」とか「カルドセプト」とか「カスミ伝△」とか面白かったな~。
と、思い出に浸っちゃいましたが、この雑誌、まさに「漢」です。
漢字の漢と書いて「おとこ」です。
あれは確か2001年頃だったと思います。
当時の読者コーナーにこんなお便りが紹介されてました。
「毎月楽しく拝見させて頂いております。が、女性の裸が描かれている漫画が多いのが偶に瑕です。減らせないでしょうか?(女性読者)」
女性読者からの意見ですね。
えっちい表現を苦手とする読者がいるのは当然でしょう。
当時は本当に「この雑誌の読者層は何?」って疑問に思う程エロに溢れてました。
筆頭は「VAMPIRE MASTER ダーククリムゾン」。
うるし原智志先生の漫画って言えばご納得頂けるでしょうか。
全コマおっぱい!!(間違ってない)
「マガジンZ」お得意の自然フェードアウトした漫画の代表作でもありますが、エロの代表作でもありました。
あと、巨匠・永井豪先生の「機神」。
全裸にマントだけ羽織ったヒロイン(女性陣)が、見えるのもお構いなしにハイキックかましたりするアクション漫画。
地味に年齢層上げてる要因になってたよね。
この他にも連載作品から代原に至るまでエッチい漫画のオンパレード。
そりゃ嫌な人からすれば堪らないでしょう。
そんな真っ当なご意見に対する編集部の見解がこちら。
「(エロは)減らしません。」
言い切ってました。
断言してました。
今じゃ絶対に有り得ない対応です。
僕は編集部に漢を見たんです。
「やべぇ編集部だな」と(笑
その「やべぇ編集部」が作ってるのが「シリウス」ですね。(やっと話が戻った)
無いとは言い切れないけれど、雑誌名に「少年」を付けてる以上はぢたま先生が得意とするようなフェチに溢れたえっちい要素は無いんじゃないかな。
ただ、その分ハートフルで温かいホームコメディに溢れています。
バブみを欲する時はどんな状態ですか
主人公の徳山岳大(たけひろ)は、ゲームメーカーに務めるプログラマー。
この度プログラムチーフとディレクターの兼務を命じられ、ちょっとお疲れモード。
慣れない日々に悪戦苦闘しつつ、近所のお好み焼き屋「尼崎」に通っています。
そこで出会ったのが小学5年生の尼崎木々那(ここな)。
この子には、ある秘密があって…。
と暈す必要はないかな…。
彼女は、岳大が10歳の時に事故で命を落とした岳大のママの生まれ変わり。
ちょっぴり不思議で年齢が逆転した母子の物語になります。
基本的にはコメディタッチなんですけれど、軸となる物語がしっかりと重いんですよ。
ここでは主人公の岳大について見ていきます。
彼がママを亡くしたのは10歳の時。
10歳というと「まだまだ(母)親に甘えたい」のと「そろそろ第一次反抗期」っていう微妙なお年頃。
そもそも親に構ってもらわないと反抗すら出来ないので、そう言う意味では親がまだまだ必要な時期ですよね。
そんな時期に母を亡くしていて、だからかな、きっと「甘え方」を知らないで育っちゃったんだと思うの。
父親は基本仕事で家を空けてるし、男親に男児が甘えるってこともしないし、岳大も同じ。
(岳大が父親を煙たがっていたことは第1話冒頭から窺えます)
「独り立ちしすぎてしまった」のでしょうね。
そういう出自が仕事でも「抱え込みがち」な面に繋がってる気がするのです。
部下に「甘える」ことが出来なくて、結果仕事を振れない。
全部自分で抱え込んで、パンクする。
ママに教わった「逃げても良い」という教訓のお陰で、ギリギリの線で踏み止まっていたけれど、限界に達してしまっていた。
この辺りのことが容易に想像出来ちゃうほどリアルにしっかりと描かれていて、それ故に「こんな時こそ母親が必要なんだろうな」って感じたのですね。
彼女や妻、子供がいればまた話は違ってくるんでしょうけれど、彼はまだ独身。
気になってる女の子はいるけれど、付き合ってはいません。
独りなんですよ。
その上で、甘え方も知らない。
全てを悟って、何も言わないのに理解してくれる。
そういう包み込む存在が彼には必要で、そこへ「年下」の「ママ」が駆けつける。
本物の母性を与えてくれる。
実に優しくて、心に響く物語です。
バブみを欲する時、それは心が疲れている時です。
今にも折れそうで、限界ぎりぎりの状態。
年上の母親に甘えるような年齢はとうに過ぎた独身アラサー男子が甘えても良い存在は、年下の母性を感じる女性のみ!!
岳大は見事にそんな状況・状態に合致します。
嗚呼、バブみってこういうことなんだな~と身に染みて理解出来た漫画でした。
終わりに
エロ期待してたら、切なくて共感出来るドラマに見事に嵌っちゃいました。
これは良い漫画。
心が疲れたろりk現代人にオススメの一本です。