「よつばと!」 第15巻感想

この記事は

「よつばと!」第15巻の感想です。
ネタバレあります。

3年振りらしい

14巻を読んだのが3年前と言われても、いまいちピンとこないんですよね。
そんなに前だっけ?
ともあれ久々の新刊。
大いに楽しみました。感想です。

不穏な惹句

ところで先ずはこちらをご覧くださいませ。

変わる時代。変わらない毎日。
深く、静かに、そして広く、長く読み継がれて18周年-。
夏から始まったよつばたちの世界にも、いつしか冬が訪れる。
そして、ある出来事をきっかけに小岩井家の日常が、優しく滲む。
14巻に渡る穏やかな波のうねりが、光のように砕け散る15巻!
全256ページの増ボリュームで、約3年ぶりの新刊をお楽しみください。

不穏。

なんだこの平和の終わりのような惹句は。
一体何が起きるのだと。
大いに身構えていました。
具体的には、唐突によつばの本当の両親が現れて、有無を言わさずよつばを連れて帰ると宣言。
泣き嫌がるよつばを無理やり連れて行ってしまうも、とーちゃんは正式な養子にしてなかった為に動くに動けずにいた!!
みたいな安っぽいドラマが脳内でいっきに展開されました。

そうして迎えた発売日。
本屋さんで手にした本書の帯には一言。

不穏…!!!

今まさに普通と言う奇跡の日々に終わりが訪れるかのような。
奇跡はそう長続きしないんだからねと言われているような衝撃が僕を貫きました。

一体、一体、何が起こったのだ。

湧きおこる不安をギリギリで押しとどめ、意を決して本を読み進めました。

大きくなったなぁ…

涙で目が滲んだ。
読み終わった今も、ぶっちゃけ惹句の70%も理解できてないのですが、もうすぐ小学生だと思うと涙を禁じ得ない。
父子2人だけの穏やかな毎日もいよいよ終わりが見えてきたのだなと。

世界観が大きく広がるのか。
はたまた、一旦幕を引くのか。
小学生になったよつばを見たい気持ちが強いものの、ここらで物語を締めても良いのかなと感じました。

恐ろしい日々が始まらなくて良かったと安堵しつつの15巻でした。
ここからは各話の感想です。

よつばとくつした

タイトル、こたつの方がしっくり来るけれど、何故靴下なのでしょうね。
脱ぎっぱなしの靴下が散乱しているというのは、どこか子供っぽさを覚えるエピソードですが、タイトルにするほどの意図が見えなかった。
ただ、靴下に着目したことで、よつばととーちゃんが同じ靴下を履いていることに気づきました。

よつばとバナナジュース

バナナジュースの作り方に異様に詳しいやんだには、「なんだお前」とツッコミたくなる気持ちが分かるw
この回は、よつばの可愛さが目立ってたなぁ。
お馴染みのやんだへの抵抗感を示しつつも、(バナナ)ジュースに心動かされる様が可愛いったらない。
バナナジュースの美味しさに表情が変わっていく4コマが、この回のハイライト。

よつばといし

記念すべき100話目。
石の場所を教えてくれたおじさんは、子供心を理解できる良いおじさんですね。
絵からよつばがどういう石を欲しているのかを理解したわけでは無くて、「よつばくらいの歳の女の子が好きな石」を予め知っていたからなんじゃないかな。
確証は無いのですが、恵那もみうらも同じような石を欲していたので、このくらいの年頃の少女にとって「綺麗な石集め」はポピュラーな趣味なのかなと。
そう考えると、理解できてなかったとーちゃんが、また1つ「父親」に近づいた記念すべきイベントと見做せるかもですね。

よつばとしけんべんきょう

風香の部屋にクレヨンと折り紙があったことについて少々。
高校生の部屋に常備してあるには、些か疑問なこれらの文房具。
勿論彼女の私物として持っていたとしてもなんら不思議ではないのですけれど、ここは少し違った見方をしてみました。
恵那の為とも考えたのですが、しっかりした恵那なら自分のものを切らさずに持っていそうですので、よつばの為と考えてみました。
いつよつばに求められても良い様に準備しておいたのだとしたら、風香の優しさに涙。
そうでなくても、風香もしまうーも優しいよね。
「折り紙に間違いはない」。名言ですね。優しい世界。

よつばとえのぐ

ここら辺から小学校に上がることを意識させられる話になりました。
よつばが絵具を欲したのは、果たして友達が持っていたからなのか、とーちゃんへの感謝の絵を描きたかったからなのか。
その両方ってこともあるかな。
いずれにせよ、ほっこりとするオチ。
とーちゃんの宝物がまた1つ増えましたね。

よつばとほん

よつばの出生ってまだ伏せられてるじゃないですか。
実のところ、とーちゃんも知らないんじゃないかい?
地毛が緑の人っていませんよね。
日本人など地毛が黒の人の中には、緑がかった黒という人もいらっしゃいますが、真緑は多分いない。
そう。
よつばは、普通の人じゃない。
彼女こそ、地球が生み出した地球の子。地球の分身。
青々とした緑は、地球の雄大な自然を表しているのです。
即ち、彼女の髪が綺麗になることは、地球の緑が増すことになり、ひいては、地球が美しくなることとなる。
よつばを清く美しく育てることは、地球を守ることに等しい尊い行い。(イミフ)

終わりに

「よつばとランドセル」は、感想を書いたようなものなので省略。
いつも通り和んだお話ばかりですが、少しだけ「変化」を意識づけられた巻でした。

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