「恋は雨上がりのように」 応援したくなる純情少女の片思い物語

はじめに

「恋は雨上がりのように」の記事です。
ネタバレあります。

雨上がりの心境

雨にどんな感情を寄せますか?
人によっては雨天を好むのかもしれませんが、僕はどちらかと言えば良い印象は持っていません。

鬱々とした陰気な気持ちが強く表れ、それを象徴したかのような天気という印象があります。
こういった印象は、決して僕だけでは無いはずです。
広く一般的に雨に対する印象としては上げられるかと思います。

そんな鬱屈した気分が、サーっと晴れ渡る。
雨上がり。
立ち込める雲の隙間から、一条の光が差し込んでくる。
一転して晴れやかな気分になりませんか。

まさに、主人公・橘あきらは、そういう恋をした女子高生。

練習中のアキレス腱の怪我によって、部活を引退せざるを得なくなったあきら。
仲間たちが変わらず部活に汗を流す中、自分はもうその輪には入れない。
沈む気分に呼応するかのごとく、雨がぱらつき。
あきらは1人、雨宿りに目に入ったファミレスに足を運ぶ。

そこで、出される一杯の頼んだ覚えのないコーヒー。
頼んない事を告げると、男は言う。
「サービスです」

「ただ雨がやむのを待っているだけじゃつまらないでしょう」
「きっと、すぐやみますよ」

あきらの心境を知る由も無い男の、その店の店長の、ちょっとした心遣い。
気まぐれかもしれない。
他意は無さそうだ。
ただの親切心。

あきらが店を出ると、雨は止み、心も晴れていた。
恋をした。
―その店長に…。

応援したくなる

あきらが恋をしたのは、うだつのあがらない45歳の中年雇われ店長。
しかもバツイチ、子持ち。
後頭部には、ストレス性の十円ハゲがあり、同僚の女子高生からは臭いと言われている。

感情表現の苦手なあきらは、そんな店長に勘違いされながらも、一途に想いを伝えていく。
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ただ見つめてるだけなのに、勘違いされながらも…。

人が人に恋をするのに、大きな動機なんか必要ない。
人が人に恋をするのに、年齢差なんか関係ない。
好きになったのだから、仕方がない。

あきらとしては、そうでも、店長としたらそうもいかない。
世間体がある。
援助交際と間違われるかもしれない。
こんなオッサンなんかとは不釣り合いだ。

様々な事情から、あきらの片思いは続いていくという物語。

4巻まで読んだのですが、切な面白い。
そして、恋路がどこまでもリアル。

好きだからじゃまかり通らない事情に翻弄されつつも、それでも、店長を想うあきらがイジラシイ。
応援したくなる。

そして、恋する乙女の可愛さに悶絶出来る。
普段が無表情・無口だからこそ、顔を真っ赤に染めあげた表情がとびっきり映えるんです。

決して派手な作風では無く、どちらかといえば、淡々と進行する物語。
だけど、あきらに感情移入出来るから、彼女の恋がどうなるのか、見届けたくなる。
成就して欲しいと願いたくなる。
続きが読みたくなる。
そういう漫画。

終わりに

やはり僕のアンテナってダメダメで、もうすでに十分なくらい”売れてる”タイトルだと思います。
なので、今更感いっぱいな感想かもしれませんが、この漫画面白いです。

恋は雨上がりのように 1 (ビッグコミックス)

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