実写「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル」感想

この記事は

実写「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

散々こき下ろした前作。
何故続編を見に行ってきたのか?
なんだかんだ言いつつ、気になるし、好きな原作だから。
批判の為に行ってるわけでは無いのですと姑息にも予防線だけ張っておきます。
感想です。

やはり肌に合わない河合演出

僕は基本的に演出家の顔が見える作品は苦手なようだ。
顔と言っても、素顔ではありません。
映像を見ただけで、誰が監督をしているのか分かってしまうことです。

恥ずかしながら前作を誰が監督したのかすっかりと失念していたのですけれど、一瞬で思い出しました。
そうでした。
苦手な河合監督でした。
今回も監督は続投。

という訳で、恒例のテロップ演出とコントのようなSE。
ただただ寒い。

漫画原作の実写作品は、ともすればコスプレのお遊戯会になりがちです。
漫画に寄せよう、寄せようとして、空回りしちゃうんでしょうか。
コメディの場合は、コントになっちゃう。
変に原作漫画を意識せずに、実写の世界観に落とし込めるのか。
そこが肝なんじゃないかと思う次第。

今作は、ビジュアル的には、そこまでコスプレではありません。
カツラは最小限、奇抜な髪色も千花くらい。
「大人が学制服を着ている」程度。
あとは、普通に俳優陣にコメディを演じてもらえばいいだけ。
大仰なリアクションは勿論無しにして。

それなのに、この監督ときたら…。
毎回お馴染みのテロップの多用。
これだけで「ドラマ」から「コント」になってるし、もっと言えば「バラエティ番組」。
それを助長するようなSEやBGMを付けて、よりコントっぽくしている。
勿論俳優陣の演技はオーバーリアクション気味。

コントを下に見ているわけではないのです。
ただ単に「笑わせること」を主眼としたコントと「ドラマを見せること」を主眼とした映画は畑違いだということ。
ドラマの中に笑いがあるのがコメディということを無視して、コントを撮っちゃっている。

クスリとも出来ない、本当に寒いだけの時間は、今回も同じでした。

文化祭編が最高だった

それでも、冒頭の3分の1程度にコントを収めており、尺の大部分でしっかりとドラマを展開していたことがとっても良かったのです。
今回のシナリオは、原作の「体育祭編」と「文化祭編」をメインに据えていました。
1話完結の短編よりもグッとシリアス面が出ているシリーズ。

寒いコント演出が殆ど無く、キャストの演技も抑えた「普段着」の演技。
非常に端的とはいえ、石上のドラマをしっかりと描き、前作ではモブだった彼のキャラを立たせることに成功。
ミコを出して、千花とコンビを組ませることで、千花も立たせていた。
(ミコが千花に憧れていたというのはカットされてたけれど、無くても十分コンビが成立していたので良し)

石上のドラマを通して、かぐやの過去の孤独さ、御行の後輩思いな一面(優しさ)を印象付けられていたのも「文化祭編」に向けて効いていた。

そして、「文化祭編」。
原作の最エモシーンであるハートの風船の中での初キスを見事に再現。
CGぽさが無かったから、実際に風船を浮かせていたのかな?
だとすれば、より凄い。

CGだとしても、このシーンを大スクリーンで見れたことがなによりも良かった。

シナリオに関しては正直文句なし。
シリアスパートはちゃんと面白いのだから、この調子でコメディパートも撮って欲しかったよ。

終わりに

河合監督は苦手です。

最新情報をチェックしよう!