打ち切り漫画を失くすたった1つの冴えたやり方(笑)

この記事は

打ち切りシステムについて考えてみた記事です。
タイトルはパロディなんです。ごめんなさい。

はじめに

戯言更新。
「ジャンプ」読んでて、「アイアンナイト」の最終回を読んで…。
打ち切りだろうというのは展開から十分に予想出来ていましたけれど、次の改変期(GWあたり)までは続くと思ってたので少し驚きました。
連載漫画って基本長く続ける事を想定してると思うんです。
少なくとも半年くらいは想定してるんじゃないかな。作品・作家によってまちまちなんでしょうけれど。
だから、いくら打ち切りがあると分かってはいても、実際打ち切りを宣告されてから物語を畳むのは難しいですよね。
商業漫画な以上仕方ないとはいえ、ちょっとどうにかならんかなと思う事もしばしば。
少し打ち切りについて考えたことを纏めてみます。
尚、ここでは早期(連載開始半年以内)打ち切りのみを対象としています。
長期連載後打ち切られてしまった作品については考慮してません。

打ち切りの種類

打ち切りの種類を分かる範囲で書きだしてみます。

(1)通常打ち切り
本誌での連載分だけで打ち切られてしまった作品。
コミックスでの加筆・修正はアリですが、大幅な物でなくあくまで「描き足し」程度。

(2)本誌打ち切り後移籍
通常の掲載誌移籍ではなく、最初の連載誌で明らかな打ち切り後、残り数回だけ別雑誌に連載というパターン。
最近「ジャンプ」で多くみかけるケース。
完結篇とか最終章を「少年ジャンプNEXT!」に掲載(連載)というのは珍しくなくなっているかな。
「SQ」も多いですね。読んでた漫画が何本「SQ19」へ移籍していったか…。

(3)打ち切り後コミックスで大幅加筆
1つ目に含めてもいいかもしれないですが、敢えて分けてみます。

どれも辛いですけれど、物凄く我儘を言うと基本(1)でお願いしたいんです。
本誌しか読んでなく、コミックスも買ってない。
けれど連載を読んでいる作品が早期打ち切りにあった場合、ただでさえ中途半端になりがちな打ち切り漫画が更に中途なまま終わってしまうから。
「増刊で追えよ」、「コミックスで読めよ」。
尤もな意見で、本当にただの我儘なんです。
「そもそも打ち切られないよう努力しろよ」と云われても、ごめんなさいしか出来なかったり。
うん。これ以上の言及は詮無いですね。

打ち切り漫画は中途半端か?

打ち切り漫画は中途半端か?
これは何とも言えない事ですね。
ただ、早期打ち切りの作品の多くは、中途半端になりがちな傾向が強いかなと。
理由としては、冒頭にも書いたような感じ。
長期連載を想定して連載を開始も10週立たない間に打ち切りを宣告され、残り数回で纏めないといけなくなる。
まあ、難しいですよね、恐らく。
物語を書いた事も無い僕でも、相当難しい事なんではと想定できます。

ただ、きっちりと纏めて終われてる作品があるのも事実。
打ち切りが有り得る事を想定して相応の対策をして連載されている作品があるからというのが理由の1つかな。
これは、「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」が証左になります。
「剣心華伝」の和月先生のインタビューで打ち切りについて触れられている箇所があります。

―最初から全28巻という長期連載になるというのは最初からある程度、予測されていましたか?
和月先生(以下「和」)「とんでもない(笑)最初は30話ぐらいで終了するかと思っていました。(中略)いつ打ち切りになっても文句は言えないという気持ちがありました。」
―では、その30話の中でどのくらいのストーリーを展開できるとお考えになられてましたか?
和「原作の7巻くらいまででした。剣心が京都に旅立って、それで最終回だったんですよ」

京都編が当時の担当編集者発案の「少年漫画らしい巨大なストーリー」だったので、和月先生の連載開始前の構想では、京都編=人誅編だったということですね。
また、このようにも語っております。

―刃衛の話は重要ですよね。
和「重要ですね。いちばん最初に剣心の話を凝縮したのがあのエピソードなんですよね。(中略)あの頃はいつ連載が終わりになるかわからなかったんで、いきなり根元的なテーマの中核になるものを持ってきたんだと思います。」

実際「るろ剣」が黒笠編で終わっていても、きっちりとテーマが語られた上であった為、綺麗に終われていたように感じます。

「剣心」の例からも分かる様に、作品によってはいつ打ち切りにあっても良いよう「終わり所」を節々で用意している事もあるんでしょうね。
伏線の回収が出来てなくても、物語の根幹のテーマに決着が着いていれば、綺麗に終われたと感じやすいです。

打ち切りを失くすたった1つの冴えたやり方(苦笑)

打ち切りは無くせない。
でも読者としては打ち切りは辛い。
中途半端なままだとより悲しい。
作者の想定(構想)通りの完結というのが理想だけれど、長期連載でも難しいのが現状。
ならば出来る限り1つの作品として纏まった終わり方に出来ないんだろうか…。
そう考えていて、「深夜のオリジナルアニメは1つの理想形だな〜」と思ったんです。

原作を持たないオリジナルアニメは、基本きっちりとした結末を見せてくれます。
最初から話数が決められて、それに合わせてプロットが作られていってる筈なので、作品として非常に綺麗に終われてますよね。
長くても半年2クール程なので、放送打ち切りも基本的にはありません。
制作スタジオが潰れたとか予期せぬ事情が発生してしまうと有り得るかもですが、基本は無い。
まあ、00年代はフジテレビ深夜でよくありましたけれどね…。
あれは作品側に非は無く局側都合だと思ってますし、制作自体はきっちり最終話までされてますので問題無し。

なんにせよ、本当に理想形ではあるんです。
近年僕はオリジナル作品を好むんですが、理由の1つが此処にあります。
原作付きですとその多くが未完である為、アニメも未完で終わります。
アニオリ展開にして完結させるケースもあれば、中途半端ながらも綺麗に締められている作品だってあるので、一概には言えないですけれど、未完だと感じる事が多い。
「ARIA」、「俺妹」等のように原作通りの最終回を迎えられる事は全体から見れば少ない印象。
その点オリジナルアニメは、そういった制約に縛られないのでしっかりとした結末を描いてくれます。

これをそのまま漫画界に持ってくる事は出来ないのかなって。
要するに、最初からある程度の分量を決めて連載に臨む。
「短期集中連載」を基本にという考え。

現実は「短期集中連載」というと、2通りくらいしか思いつきません。
1つは実績のあるベテランが取っている事。
「DB」以降の鳥山先生がそうですね。
最初から話数が決まっていて、宣言の上連載されています。

もう1つはコミカライズ作品。
全てでは無いですが、半年から1年で終わるというのが多数を占めているかな。
これも連載前に期間については契約で決まった上で進められているのかもしれません。
アニメ作品のコミカライズの場合は、放送が始まる数カ月前から連載が始まり、アニメ終了と前後して漫画も終わるというパターンが多いから。
ラノベのコミカライズは比較的長期(1年以上)になる傾向が強い気がします。
統計とか取った訳ではありませんので、あくまで僕の個人的な印象論ですけれども。

ようは「新人(若手)」で「オリジナル作品での短期集中連載」ってあんまり見かけないんですよね。
でも、出来ない事は無いはずなんですよ。
少なくとも「必ずコミックスを出す」という「ジャンプ」ならば可能。
というか、この雑誌こそ取り入れて欲しいw
最近は猶予も伸びている感じですが、8週打ち切りとかある位シビアなので。

短期で打ち切られた作品の多くはコミックスにして全2巻。
ないしは3巻というのが多いです。
つまりは、3巻くらいまでの長さならば「ジャンプ」では連載しても問題が無いという事。
今までとそう変わらないという事です。

そこで、連載会議の時点で2〜3巻で作品が完結している作品ばかりを議場に上げる。
あまり大風呂敷を広げさせないで、最初から話をある程度完結させた作品を漫画家に作らせてしまう。
この際の注意点は「続きが作れないよう、完璧に終わらせてしまわない事」。
ラブコメ作品ならば、「恋が成就しました」で終わらせてはいけないって事ですね。
ここは重要。

んで、会議を通った作品は連載します。
この時のお約束事としては、必ず最後まで掲載する事。
最初から長くても3巻、通常の打ち切りと同程度のスパンなんです。
それ以上早く打ち切ることを禁じても問題無いはずです。

最初の想定通りに終わった後、ここからが運命の分かれ目。
「打ち切りを回避できるレベルの人気」(アンケとかコミックス売上とか判断材料はそれぞれ)ならば、「続編」を描いてもらう。
そうでない場合は、ここで終了。

続ける事が決まった作品は一時の構想期間を置いた上で、再連載。
この後は、もうこれまで通り。
そこから人気が出なくて打ち切りになったら、それは仕方ないと諦める。

「ライジングインパクト」を意図的に作り出しちゃおうみたいな感じです。
今の読者では知らないかもですが、多分未だに唯一再連載に漕ぎ付けた作品ですよね?
一度短期で打ち切られてしまったものの、終了後にアンケ人気が高まって、少しのインターバルの後再連載された漫画。

「ライパク」は実力で前例破りをした快作でしたが、これを模範しちゃおう!と。
最初に短期連載。
結果良ければ通常連載。悪ければ打ち切り。

打ち切りになっても、作品としては比較的綺麗に終われてる事でしょうから、僕としてはこういうシステムは有り難いんですが…。
漫画家さん側からすると迷惑になるのかもしれませんね。
「2〜3巻分で一度物語を締めて、また(人気が出たら)続きを考える」のは難しそうですし。
最初から打ち切りありきというのもプライドが許さないかもしれませんし。

もしも迷惑ならば、漫画家さん側に選択権を持ってもらうとか。
「短期連載」か「通常連載」か。
そうすれば、問題はある程度無くせそう…?

終わりに

はい。所詮戯言です。
一度でも漫画を描いた事があれば、こんなこと考えないのかもです。
一読者の身勝手な妄想ではありますが、打ち切りと上手に付き合える方法があれば嬉しいなと思います。

20行くらいを想定してたエントリですが、何故かえらい長ったらしくなりました。
くどくて申し訳ありませんでした。
最後までお付き合い、ありがとうございました。

NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!