「たとえとどかぬ糸だとしても」総括

この記事は

「たとえとどかぬ糸だとしても」第7巻及び全体の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

11月の僕「お。とど糸最新刊1月出るやん。クライマックスだけれど、完結マークついてないからもう少し続くんだな。」
11月の僕「今月の百合姫は……あれ?とど糸載ってない…。次号のラインナップにも無いけれど長期休載?(不安)」
12月の僕「今月の百合姫は……あれ?とど糸載ってない…。次号のラインナップにも無いんですけれどおおおおおお(錯乱)」
1月の僕「公式サイト…連載中のカテゴリにある。tMnR先生twitter…1年更新されてない。wikipedia…連載中の項目にある…えぇぇぇぇぇ(不安)」

今月15日頃「最終巻なんかい」

嬉しいやら悲しいやら。
ようわからん。
まぁ、未完のまま長期休載中で無くて良かったのかなと。
という訳で、個人的には唐突感のあった最終巻。

悲恋で終わるかと思ってたのだけれど。
描き下ろし後日談、最高でした。最高だった。最高だぁぁぁぁ。

欲望だらけの感想

これ「初回限定版」ってなっていて、通常は同日に通常版が出版されるものだけれど、「とど糸」7巻に関してはそれは無いんですよね。
来月以降に出る予定も今のところ無さげ(少なくとも2月は無い)だし、初回=初版ってことでしょうかね。
だとすれば、重版分を読んだ読者は気の毒だなぁ。

いやまぁ確かにその後を想像する楽しみというのはあります。
本書の最終回でも「ウタと薫瑠が一緒に暮らしている」ことは分かってるから、それで十分だとする読者もいることでしょう。
恋愛的に結ばれることは無い幸せな未来に想像の羽を広げて楽しむことは、読後の楽しみ方の1つとしてアリなのかもしれない。

けれど、僕はやっぱり恋愛的に結ばれた幸せな結末を望んでしまうのです。

本編はあまりにも、あまりにも過酷でした。
当初はウタの報われない初恋の辛さに同情をしていたものですが、終わってみれば薫瑠の方が辛かった。

怜一と璃沙子の密会現場を「目撃」した瞬間は、2人に殺意が湧いたよね。
はぁ?と。
酷すぎる裏切りだろうと。
よもや妻の友人と不倫とか、許すまじという心境だった訳です。
そんな密会の真実が7巻にしてようやく明かされたわけですけれど…。

ある意味不倫以上に残酷だった。

怜一はただのひと時も薫瑠のことを好きでいたことは無かったのね。
昔は好きだったけれど、気持ちが離れてしまった…という方がまだ気持ち的には救われる気がする。
仕方ないという諦念と純粋な怒りを向けられるから。

しかし怜一のしてたことって、下手に攻められないというか。
誠実か不誠実かで言えば、誠実ではない。
それは間違いないけれど、不誠実とも言い切れなくて。
薫瑠を大切に想っていたことも事実なのでしょうから余計に感情の行き場が無いんですよね。

薫瑠自身話し合いを重ねてしっかりと吹っ切れてくれたというのは、読者としては救いではあるのだけれど、やはりもう一歩先の幸せを得てもらいたいなと願っちゃうわけです。

で、それを叶えられるのはウタしかいない訳ですよ。
彼女は、薫瑠への想いに整理をつけて、その上で、一途に想い続ける道を選んだ。
他の人と付き合ったり、やがて結婚をしたり。
そういうことまで封印を決意した…のかどうかまでは不明でしたが、いつまでもいつまでも気持ちを劣化させないことだけは確かで。
薫瑠を心から愛してくれるヒトには違いない。

だからこそ2人の幸せな結末を願って読み終えたのです。

それなのに一緒に暮らしてるレベルでの終わり。
正直煮え切らない思いでした。
読後感は辛かった。

だからこそ。
だからこそ、特典の後日談を読んだ時の喜び。分かってくださいますか?

薫瑠の方からウタの唇を奪った時の僕のテンション、正直人様にお見せ出来ない有様でした。
年甲斐もなくはしゃいじゃった。

いや~本当。
あまりにも辛い本編だったから、後日談のカタルシスが凄いわ。
最高なハッピーエンドありがとうございました。
素晴らしい。素晴らしすぎる物語でした。

終わりに

百合漫画としてトップクラスに好きな漫画になりました。
ありがとうございました。

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