「ジャンプ」「マガジン」「サンデー」少年コミックの変容を読んで

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はじめに

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ジャンプ

「この取材を受けるのが1カ月前だったらもっと暗い顔をしていたかもしれない」
冗談めかしてそう語ったのは集英社の鈴木晴彦常務だ。
ジャンプブランドを始め集英社のマンガ部門全体を統括している。
この1~2年、『週刊少年ジャンプ』の人気連載が次々と最終回を迎えた。
この1年間だけでも『暗殺教室』『BLEACH』『こちら葛飾区亀有前公園派出所』『トリコ』の4本、その前年には『NARUTO―ナルト―』『黒子のバスケ』が終了していた。
関係者の頭をよぎったのは1995年に『DRAGON BALL』などの人気連載が終了したのを機に同誌の部数が一気に急落した過去の苦い思い出だった。
今回実際、同誌の部数は1年前の250万部から200万部台まで落ちたのだった。

50万部も部数を落としていたことに驚きを覚えました。
ただ、これは少なからずデジタル版の刊行も影響しているのではないでしょうか。
僕自身2年近くもう紙のジャンプは買っていません。
デジタル版を定期購読しています。

部数というと、いまだに出版業界では「紙の部数」のみをカウントし、デジタル版のダウンロード数(購入数)は含まれていないようなので、その辺数字のマジックがあるのでしょう。
実際に落とした部数は、だから、50万未満であるのは確実だと想像できます。

しかし、意図した入れ替えかと思いきや、危惧していたものだったとは。
僕は、長期連載作の相次ぐ終了は、歓迎すべきことだったと思うのです。

確かに短期的に見れば、発行部数もコミックスの総出荷数も落ちてしまうでしょう。
てか、実際に落ちたと上記記事で触れてます。
特にコミックスに至っては、後続が上手く育ってくれない限り落ちたままになってしまう。
けれど、それでも長期的なビジョンで見れば、良かったと思うのです。

誌面をリフレッシュさせることもできたし、なにより、新作に力を入れる根拠が出来た。

「今年は『週刊少年ジャンプ』も新しい作品を育てないといけないし、正念場の年になると思います。
『ジャンプスクエア』や、春に刊行予定の増刊『ジャンプGIGA』、それにマンガ誌アプリの『少年ジャンプ+』などを、どう連動させてコンテンツを作っていくか。
新陳代謝が進むと思います」

これまでは、「週刊少年ジャンプ」で打ち切られた作品が増刊や「+」へ「移籍」という形しかありませんでした。
「ジャンプ」の水には合わないけれど、一定の人気作には別の場所で活躍する機会を与えていたと。
そうやって送り出す側だった「週刊少年ジャンプ」ですが、今後は逆に「迎え入れる側」になるのかもしれませんね。

記事には名前が挙がってませんが、「ぼくたちは勉強ができない」、「青春兵器ナンバーワン」の2本も柱になってくれると信じています。
特に前者は、何度か記事にしましたがかなりお勧めできるラブコメです。
地に足が着いているので、安心して楽しめるんですよね。

ほか、記事にもある「ブラッククローバー」、「約束のネバーランド」と「鬼滅の刃」。
この3本は、

鈴木常務は、今年中にその3作品を50万部タイトルにしたい

ということですが、楽にハードルを越えてくるんじゃないかな。

部数が回復するかどうかは不明ですけれど、「ジャンプ」の今は非常に明るいですよね。

サンデー

参照記事と前後しますが、僕は「サンデー」もようやく暗いトンネルを抜けてくれたと思っています。

少年誌が部数を落としているという事情は小学館の『週刊少年サンデー』も同じだ。
同誌の場合は、一昨年に新編集長が就任にあたって、連載作品を大幅に入れ替えることを宣言。
実際に6割ほどの連載が入れ替わった。
その新連載からようやくコミックスでヒットが幾つか出始めているのが現状だ。

ジャンプと同様の理由で、中長期作品を切って、新陳代謝を高めるのはいいこと。
特に「サンデー」は「ジャンプ」と違って、短期打ち切りを滅多にしない雑誌。
「新人の出番は10年無い」というまことしやかな出所不明な噂も耳にしたことがありますが、それに待ったをかける形になって。

しかも、どうも編集長の好みだそうですが、「原点回帰」してるのも、特色を出してきて良い感じにはまってるんじゃないかな。
僕が子供のころかな?
生まれる前かもしれない。
80年代頃、「サンデー」は「ラブコメのサンデー」と言われていました。
高橋留美子先生とあだち充先生を筆頭に、ラブコメに強い雑誌として色を出していた。

それが今になって回帰しています。
最近読み始めた「天野めぐみはスキだらけ!」が非常に面白いです。
読んでいて、ホッとできるというか。
和めるんですよね。

「古見さんは、コミュ症です。」も良いですね。
ラブコメというわけではないですが、「舞妓さんちのまかないさん」も結構良い感じです。
「ゲッサン」で「ちろり」を連載されていた小山先生の新作。
日常描写の上手さがそのまま今作にも活かされていて、京ことばとともにはんなり出来る漫画です。

そして、僕的大本命が5月10日から始まります。
若木民喜先生、帰還です!!!
タイトルはずばり「K・O・I」!!
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前作では薄めだったラブコメ成分を全開にしたようなタイトルです。
期待しかありません。

マガジン

3誌の中では、「マガジン」が今一番ピンチだと思うのです。

『週刊少年マガジン』も雑誌は部数を減らしているが、コミックスでは『七つの大罪』『ダイヤのA act2』『FAIRY TAIL』『あひるの空』『はじめの一歩』など長期連載作品が売れ続けている。
『はじめの一歩』はコミックスが116巻という異例の連載だが、いまだに1巻から重版がかかっているという。
逆に言うと、新作の大ヒットが出ていないのが課題だ。

ずばり指摘されてますが、新作が出てきてない。
売れてる作品が長期連載作品ばかりなのは、ちょっと未来が無いです。
記事に唯一取り上げられてますが、「不滅のあなたへ」は面白いですね。
雑誌の核に成長する可能性を秘めていると思います。

個人的注目は「星野、目をつぶって」です。
メイク前の方が断然可愛いと感じてるのは僕だけですか?
ラブコメが好きだからというのもありますが、今「マガジン」で一番注目してる作品ですね。

なんか全作品の最終ページに「巻末のアンケートにご協力を」と書いてるのが、今の現状を表しているようで…。

グループ全体で見てる

記事を読んで感じたのは、ジャンプもマガジンもサンデーも兄弟誌を含めた総合力で勝負されようとしている点でしょうか。
雑誌単体では今の時代生き残れないということなのかもしれませんね。

兄弟誌やウェブを含めて、どんどん新作を注ぎ込んで、可能性のある芽を探している準備期間。
そうやって培った中で育てた芽を花咲かせようとしてる。

そういうのは、危機的状況にある今だからこそ、試せているという面もありそう。
実際「ジャンプ」や「サンデー」はそれで変わろうとしてる段階だし、「マガジン」だって伝統ある「マガジンSPECIAL」を休刊までさせたんですからね。
近いうちに大きなことをしてくるんじゃないかな。

ところで、「チャンピオン」はこういう場でも除かれてますね。
出版部数を公表してないですし、秘密主義ってことでしょうか。

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