アニメ映画「かがみの孤城」レビュー

この記事は

映画「かがみの孤城」の感想です。
ネタバレあります。

原作読みたかった作品の映画化

ここ数年ずっと読みたかった作品。
けれど、上下巻構成だったのでなかなか手を出さずにいたら、アニメ映画化。
原作を読む前に映画で本作に触れることになりました。

クリスマスに1人映画、楽しかったなぁ。
感想です。

あからさますぎた伏線

辻村作品は「スロウハイツの神様」のみ触れているだけの「辻村深月ビギナー」な僕。
そんな僕でも先生の作品の特徴は、色々と書評を漁って知っているつもりです。

どの本の書評を読んでも、ついて回る言葉が「終盤の伏線回収が凄い」。
だから本作も間違いなくそうであるという妙な確信というか信頼を持って鑑賞に臨みました。
そのお陰なのか、割と早い段階で色々と読めました。

喜多嶋先生がアキの飲んでいたのと同じ紅茶を渡してきたことから、安直にこの2人が同一人物だと決めつけ。
2人が同一人物なら、全員「違う時間から来てる」だろうと当たりを付けてました。
(先生が指輪をしてることに気づいておきながら、メンバー3人が「喜多嶋先生にお世話になっている」ことを知ったアキが無反応だった点に「おや?」となってしまったのは抜けてましたが)

あとは、オオカミさんの正体。
こちらもリオンに姉がいたと判明した時点で、勘付けました。
ケーキのくだりでリオンがやたらとオオカミさんを見ていたから、なんかあるんだろうなと思っていたことも気づけた切っ掛けかな。

そんな訳でして、クライマックスは驚けず。
「おおかみと七ひきのこやぎ」に纏わる伏線には気づけなかったし、リオンが「姉ちゃん」と呼びかけた時には感動しましたので、色々と気づいたからダメって言いたいわけではありません。

ただ、原作未読ながら大分端折ってるんだろうなぁと感じてしまったのです。
故に伏線にも気づきやすくなっていたのかなと。

キャラが薄い

一番の弊害というか、尺の問題で薄まったんだろうなと思ったのがキャラクターに関して。
原作ではきっと皆個性的で、しっかりとキャラが立ち、背景のドラマが描かれてたんっじゃなかろうか。
そうしたらクライマックスでの感動もより大きかったのかなと。

例えば、マサムネ。
キャラデザや高山みなみさんの演技の方向性からして、物凄く生意気な少年に見えたのです。
少なくとも予告を見た時の第一印象がそうだった。

それなのに、それなのにですよ。
本編のマサムネって、斜に構えた言動こそすれ、彼の皮肉でメンバーの誰かを気づ付けたとか、メンバー間に亀裂を生んだとか。
そういったこともなく、殆ど目立ったシーンもありませんでした。
唯一の活躍の場(?)は、コナンの決め台詞を言いつつ間違った推理を披露したシーンでしょうか(汗

スバルとフウカなんてもっと影が薄かったなぁ。
最早数合わせってレベルでした。

物凄く残念なキャスト陣の演技

定番となった芸能人キャスト。
その中でも今作の芸能人の比率は段違い。
公式サイトに載っているキャスト陣の中で、本職声優は僅か3人。
(美山さんは芸能人枠でカウント。)

それでも上手かったら文句は無いのですけれど…。
高山さん、梶さんとの差がエグすぎて。

近年は芸能人キャストでも上手いなぁと感じることも多かったけれど、今作ではダメでした。

題材は物凄く良いんだろうけれど

全くつまらなかったとかではなく、面白いと感じる部分もしっかりとありました。
ただ、ちょっとばかり首を傾げたくなるような部分が目に付いてしまった映画でしたね。

やっぱり原作を読んでみようかな。

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