「彼女、お借りします」レビュー

この記事は

「彼女、お借りします」の感想記事です。
ネタバレを含みます。

はじめに

漫画で癒されよう月間その4です。
今回は「彼女、お借りします」です。
気になっていた本作の既刊をまとめ買いしましたので、感想を書いてみます。

主人公がクズ

大学生の和也は、僅か1ヶ月で初めての彼女に振られてしまいます。
辛く苦い日々を過ごす和也は、ふとしたきっかけで知ったレンタル彼女に申し込みます。
風俗みたいなもので、どうせブスしか来ないんだろうとたかを括っていた和也ですが、現れたのは超絶美少女の水原千鶴で…。

正直、主人公目線で物語を楽しもうとすると、それは相当苦労すると思います。
擁護のしようが無く、和也がクズだからです。
ウソの上にウソを塗り固めて、どんどん状況を悪くする。
勝手な言い分で他人を巻き込み、浅い反省しか見せない。
人によっては胸糞悪くして、作品全体の評価を下げる要因となるでしょう。
それほど、和也は酷いです。

彼の唯一のとりえは、そんな自分の酷さを認識してる点ですね。
これが無意識だったり、自覚が無かったら、手に負えません。
更生のしようがないからです。
やはり周りがどう援護しても、本人に変わる意思が無いと変わりませんもの。

本当に徐々にですが、彼は千鶴に触れあううちに変わろうとしています。
今作は、「千鶴が和也をまともにするまでの物語」と捉えると、楽しく読める気がするのです。

ヒロイン千鶴が素晴らしい

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主人公がカスな分、千鶴がまともです。
今作の中でも1・2を争うほど良識があり、常識を持っているんじゃないかな。
「レンタル彼女」という仕事をしている事に対して嫌悪感を抱く人もいるかもですが、それ自体彼女のキャラクターに厚みを持たせているのかなと。

「何故レンタル彼女をやっているのか」を伏せることで、謎を創出し、千鶴というキャラに厚みを持たせている。
A secret makes a woman woman.
ここまでを読むに、千鶴はきっと「他人の支えになる事」・「他人の傷を癒す事」に誇りややりがいを感じているんじゃないかなと思う。
僕の数少ない体験談からするに、それはそう「福祉の仕事」に近いのかもしれない。

福祉の仕事に従事されている方を僕は尊敬します。
やはりすごい事です。
仕事とはいえ、他人の為に献身的に尽くせる。
誰にだって出来る事じゃありません。
僕には到底真似できません。

千鶴は、「レンタル彼女」を似たような仕事と捉えてる気がするのです。
だから、彼女は優しい。
クズでどうしようもない和也だけれど、寂しさから立ち上がろうとする彼を見放さない。
「おばあちゃんの為」というのも本音なんだろうけれど、なんだかんだ言いつつ、和也自身を見捨てきれないのでしょう。

そんな千鶴が眩しい。
見た目もマジで可愛いです。
宮島先生の描く女の子は、僕の趣味ドストレートです。
見た目超絶可愛い子が中身も天使だったら、素晴らしいに決まっています。

ああ、だからこそ、和也とくっつくような終わりは望めないのですがw
まぁ、先にも書いたように「和也を更生させる物語」としては、先の展開が気になる漫画ではありますね。

まとめ

今作をラブコメや恋愛ものと捉えると、読むのが厳しいです。

和也が擁護出来ないレベルのアレなので。
ヒロイン達も千鶴含めて「読者に都合の良い分かりやすく可愛いキャラ」ではありません。
裏も表も秘めているヒロイン達です。
彼・彼女らの恋愛に憧れや共感を抱くのは今はまだ難しいかもしれない。
ヒロイン達の全てを理解して、ようやくその域にいけるでしょうから。

冒頭の展開もご都合主義が過ぎて、いくら漫画でも都合が良すぎる感があります。

でも、そんなこと関係ないってくらいには、千鶴が魅力的でした。
「完璧な彼女」を演じている時よりも、言う事は言う素の千鶴の方が魅力いっぱい。
「裏の顔」の方が可愛いからこそ、僕は引かれましたね。

彼女の可愛さに引っ張られる形で、この後も読み続けようと思います。

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