「七つの大罪」 単純なコマ割りが生む迫力が凄い!!

この記事は

「七つの大罪」についての記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

鈴木央先生が「週刊少年マガジン」誌上で連載中の「七つの大罪」。
面白くて、いつかブログにも書こう書こうと思っていたのですが、なかなかネタが見出せず今日まで掛かってしまいましたが…。
3巻まで読んで、漸く1つ思い立ったので、それについて書いていきます。

それにしても面白いです。
鈴木先生と言えば、僕は「Ultra Red」以来でした。
「WJ」で「ライジングインパクト」⇒「Ultra Red」と読んでいたのですが、先生は以降「WJ」から離れてしまいましたので。
その後、「ウルトラジャンプ」や「週刊少年サンデー」で連載されていた事までは知っていました。
「金剛番長」とかネット界隈では割と有名だったので。
読んだ事は無くとも知ってはいました。
その後、「週刊少年チャンピオン」で連載していた事までは知りませんでしたが…。

んで。
「週マガ」で本作を連載。
僕がこの作品を知ったのは、1巻発売直後の事。
「週マガ」の公式サイトで、たまたま1話を読んだことが切欠でした。
まさしく「王道冒険ファンタジー」。
こういう真っ直ぐな少年漫画が大好きな自分は、速攻で1巻を入手し、現在に至った訳です。
「ライバク」で、ガウェイン達が西洋の甲冑に身を包んだ絵を良く描かれていたと記憶しているので、こういった漫画は、本当に先生にとっても「待望の新作」だったんだろうな〜と思いつつ、楽しんでおります。
先生自身が楽しんでいるのが伝わるのか、読んでいても非常に楽しいんです。

とまあ、それでも久々の鈴木先生の漫画を読んでいて‥。
故に、鈴木先生の作風をとんと忘れてしまってました。
なので今更感が強い事なのですが…。

コマ割りで作られた静と動

1巻からずっと見て来て、気づいた事があります。
この漫画には確かに迫力があるんです。
でも、そんなに派手な印象は持っていない。

迫力=派手という訳では無いんですけれど、この2つの感覚って、割と比例していると思っています。
迫力を増したければ、画面を・演出を派手にする。
派手にしたければ、迫力を増していく。
みたいな。

でも、この漫画ではこの法則が当て嵌まっていない様に感じる。
何故だろうと思って、読み返してみて気付いたのですが、今作のコマ割りって基本的に四角で引かれている事が多いんですね。

四角のコマって、恐らく最も基本的な割方なのだと思うんですけれど、それを作品全体の基本にしている。
斜めに切ったようなコマや紙の端まで線が達しているようなコマが少ない。
四辺全てがきっちりとページ内に収まった四角いコマを多く並べて作られているんです。

画像は拾いものですが、多くのページが大体こんな感じ。
漫画としては非常に見やすいコマの割方なように思えます。
スッキリしてますよね。
で、これが画面が派手に思えない原因だと思ったんです。
見た目的に分かりやすく、整然としているので、派手さはありません。

ただ、これだけだとバトル漫画としては物足りないと感じちゃいます。
例えば、斜度のついたコマは、スピード感を演出します。
コマの線がページの端っこまで貫くようなコマだと、それだけで迫力が出ます。
大ゴマや、見開き等々、派手に迫力ある画は必要です。

ちゃんとあるんですよね。
上の画像は、僕がこの漫画を買う事を決意したページです。

大人し目のページが連続して続いていた中で、唐突にスピード感と迫力満点のページを魅せられて、いっきに虜にされちゃいました。
「うぉぉぉぉぉかっけぇぇぇぇぇ」と震えちゃったんです。

この他、1巻収録の第3話とかもヤバかった。
主人公のメリオダスが、飛来する矢を空中で掴んで、投げ返すというシーン。
これが凄い迫力。
(敵からの攻撃を跳ね返すというシーンではあるものの)別に戦っている訳でも無いのに、迫力が凄い。

これもやっぱり普段の四角いコマで構成されたページの効果なのかなと。
良い意味での緩急を生んでいると思うんです。

盛り上げたいシーンだけに派手なコマ割りを集中させて、それ以外のシーンはなるべく大人しい地味なコマ割りで纏めている。
だからこそ、クライマックスで効果的な迫力が生まれるんじゃないかなと感じました。
鈴木先生特有の演出という訳では無いですし、寧ろ別段珍しい事では無いとは思います。
でも、こういうのを非常に自然に、かつ、効果的に使われている作品だからこそ、「派手な印象は無いけれど、凄く迫力のある漫画」として認識出来ているんだと感じます。

終わりに

バトル漫画だと、作品全体が派手な感じのコマ割りになりがちな気がします。
それをせずに、コマ割りで緩急を生んで、盛り上げたい部分だけに迫力が出るようにされている…のかな〜と。
なんとなくですが、鳥山先生の作品を彷彿とさせるんですよね。
トーンが少ないからというのもあるんですが、なんとなく…ね。

「ライパク」や「Ultra Red」はどうだったかな…。
今度読み直して確認してみたいですね。

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