総括[4] 「男子高校生の日常」 「銀魂」と比較して…

この記事は

2012年冬アニメ総括記事4つ目は「男子高校生の日常」です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

毎回笑えたわけでは無いですが

ツボに入るギャグアニメでも毎回毎回大笑いできる作品というのは、今まで出会った事あったかな…と思い返しても一つも思い浮かびません。
この作品もその例に漏れず毎回笑えたわけでは無かったものの、安定して楽しめたアニメでありました。
やはり毎期こういうアニメに出会えると幸せな気分になれますね。
笑いというのは、よっぽど落ち込んでいる時以外は、見るだけで楽しい気持ちになれるものなので。

ギャグというのは人を選ぶ作品で、好き嫌いがはっきり分かれるジャンルの一つですが、笑いが嵌れば最終回までいっきに見れる作品ではないかな。

高松さん演出ギャグアニメにしては大人しかった

僕が監督のギャグアニメに初めて接したのは、恐らく「こち亀」だったと思います。
が。
3代目の監督という事もあって、高松監督を意識して視聴は出来ていなかったので、これはカウントできないかな。
という事で、本当の意味でのファーストコンタクトは「スクールランブル」(1期)ですね。
これが非常に面白かった。

なんていうのかな。
これまでの僕の中にあったアニメに対する常識を悉く破壊してくれたというか。
実に破天荒な演出の連続で、大笑いの連続。

ただ、キャラクターの可愛さにストッパーが掛けられていたのか、それでも”大人しめ”であったかなと。
(キャラの可愛さが逆にギャグとして機能していたとも思えるので、ここら辺の解釈は微妙ですが。)

このストッパーが完全に外れたのが「銀魂」だったのではないかな〜。
もうね、やりたい放題したい放題。
アニメの基本放送パターン(OP⇒Aパート⇒Bパート⇒END 等々)まで壊してネタにしたり、放送時間無視して下ネタに走ったり、方々に喧嘩売ったり(笑
原作通りなのに、原作以上にぶっ壊れた演出を取り入れて、再放送期間含め都合6年も放送。
ギャグって飽きやすいのに、5年も(シリアス長編が多かったと言っても)続けられたのは、新しい笑いをどん欲に追及し表現する姿勢の賜物だったのではないかなと思っていたり。
早々に藤田監督に”監督業”を譲り監修に回ったものの、終始高松イズム(?)満載の作品でした。

「男子高校生の日常」はそんな高松監督の最新作。
「銀魂」で見受けられた数々の笑いの演出を取り入れていたものの、「銀魂」に比べると大人しかった。
これは「日常」というジャンルに縛られていたからかもですね。

原作はギャグ漫画で所謂「日常作品」とは違いますけれど、リアルな男子高校生の日常という体で描かれている以上、そこから大きく逸脱するような手法は取れなかったのかなと。

また、”新しい手法”も見受けられなかった…かな。
放送前に起こったEND起用予定だったアーティストの不祥事まで笑いに転嫁する手法も、似たような事は「銀魂」でやってますしね。

どうしてもメインスタッフが被っているという理由で「銀魂」が引き合いにだされ、分かりやすい宣伝文句として通用するものの、純粋に比べるとどうしても劣ってしまう。
あっちで一通りの事をやり尽くしてしまった感があるから、焼き増しのように見えちゃうのです。

タダクニの扱いではっちゃけて欲しかった

しかし、「銀魂」に対抗し得る要素も無かった訳では無いのですよね。
主人公のタダクニ君です。
影の薄い主人公という点で、これは「銀魂」には無い要素です。

このタダクニ。「ゆるゆり」の赤座あかりを彷彿とさせるキャラなのですが…。
いかんせん、あかりにはなれなかったキャラでしたね。

あかりって「影が薄い事」を作中でネタにされて、弄られる事でキャラを立たせていました。
これは「ぱにぽに」のくるみと同じで、くるみを更にこの点でグレードアップさせたキャラであると思うのですね。

これに対してタダクニはというと「ただ影が薄い」というだけ。
作中でこの点を弄られるわけでは無く、提供画面でスタッフから弄られる程度。
原作からして「普通過ぎて動かしづらいから」という理由で出番が無かっただけなので、あかりとは実は全然違う。

でも、この点を強調するというか逆手にとって欲しかったとは思います。
このスタッフなら可能だったでしょうから。
原作には無い要素なのでオリジナル部分として、このタダクニの影が薄いという点を徹底的に弄り倒して欲しかったかな。
なんか本当にただ単に影の薄い主人公として終わってしまったので。
ていうか、アニメオンリーの方からすると「タダクニが主人公」だって言っても信じて貰えないんじゃないかな。
それ込みで「ネタ」だと思われていそう。
ま、そうだとしたらそれはそれで美味しいのかなw

まとめ

という訳で「銀魂」と比較しちゃうと一枚も二枚も落ちます。
ギャグアニメとして新しい手法があまり見受けられなかったので。

ですが、それでも笑えて面白かったというのは事実です。
僕の笑いの感性と相性が良かったというのもありますし、そこを抜きにしてもキャラが魅力あり過ぎでした。
タダクニ妹、文学少女、りんごちゃん、羽原だけで最後まで視聴出来ていたと思う(笑
男子高校生一人も入ってないけれど。

あ。としゆきら生徒会組は面白かったですね。
見た目と中身のギャップが激しくて、色々と動かせる器用で便利な奴らだったので。

ヨシタケ、ヒデノリはまぁ、言うまでも無くという事で。

可能であるならば、もう一度この作品を見てみたいです。
流石に飽きちゃうかもですが、その時はその時で。
きっと新しい笑いを取り入れて、飽きずに最後まで笑える作品に仕上げてくれるんじゃないかな。

笑えて楽しいひと時をありがとうございました。

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