「劇場版 はいからさんが通る 後編 花の東京大ロマン」 感想

この記事は

「劇場版 はいからさんが通る 後編 花の東京大ロマン」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

まさかほぼ1年待つ事になるとは…。
漸く後編の公開が始まったので、今回も初日に鑑賞して参りました。
手短ですが感想を書かせて頂きます。
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感想

wikipediaは基本信頼の於けるソースを元に記述されているはずで、そうではない場合、出典先が不明であったりと注釈がついています。
それを踏まえて、信頼できそうな話だけピックアップすると、この映画は諸般の事情で急遽打ち切られてしまったテレビシリーズの「完結篇」という位置づけなようですね。
テレビシリーズでは、ほぼ前編の内容のみで終了せざるを得ず、今回の後編部分が「初アニメ化」みたいですが…。

となれば、もう少し丁寧に再構成した方が良かったんじゃないかなと思っちゃいました。
やはりどこか駆け足気味のシナリオだったんですよね。
原作未読なので、適当な事を書くようですが、例えば環と鬼島の恋の下り。
別に惚れたはれたは、「一目惚れでした」程度でも構わないんですが、それにしても描写が少なすぎでした。
特に鬼島は、いつの間にか環に惚れていて、「え、お前、いつから好きになってたの?」と疑問しかありませんでした。

環の「自ら結婚相手を選ぶ」という初志貫徹した想いは、作品のテーマ的にも必要であったと思います。
大正時代の女性に「あるまじき」ハイカラな恋は、ある意味、紅緒以上に「はいからさん」を地で行く象徴です。
故に、彼女の鬼島への恋愛自体をカットする事はしてはいけないけれど、鬼島の環への恋慕は無くて良かったのかなと。

鬼島が環を想うセリフは、全体を通しても一言二言程度なので、それを削ったから尺が他に回せるという訳ではありません。
けれど、「1人の感情の変化」を敢えて見せない事で、ダイジェスト感は薄まります。

環の想いは、
出会い・恋の切欠(殆ど一目惚れに近いが、あり得る事なので問題は無い)
⇒改めて意識する(薔薇の棘を抜いてくれた優しさに)
⇒確信(震災の中助けてくれたこと)
と最低限必要な分は描けていたので、この2人の恋愛劇に関しては十分であったと思います。
ここに中途半端な「想いの変遷」を入れ込んでしまったので、全体的にも駆け足気味に感じてしまったのです。

結構紅緒自身の想いの移り変わりが急激だったので、余計にそう感じてしまったというのもあるかもです。
編集長が人間として・男として出来過ぎてたことに感謝ですよね、紅緒は。
仕方のない面もありましたが、結果的には1人の男性の人生を振り回してしまった点は否めません。
まぁ、恋ってそういうものと言われると、そうなのかもとしか返せないですけれど。

駆け足気味な点に関しては、こんな感じで全体的に感じてしまいましたが、それを含めても最終的には紅緒と忍が結ばれて良かったなとは思いました。
紆余曲折ありまくりでしたけれどね。
やはり少女漫画で初恋が実らずに、それどころか相手のヒーローが死んでしまいましたでは悲劇すぎますもの。
この結末を見れただけで、今回映画館に足を運んだ甲斐はありました。

シナリオ的にはそんな感じで…。
あとはそうですね。
歌が良かった。

主題歌は前編も好きだったんですよね。
竹内まりやさんらしいメロディが「大正ロマン」ぽさを醸し出していたし、それを早見さんが素敵ヴォイスで仕上げていて。
改めて彼女の歌の良さを認識したんです。
で、後編の主題歌も素晴らしかった。
一転してスローバラードな曲調は、壮大さを想起させて、劇場版二部作の完結編に相応しい曲に仕上がっていました。
個人的には、前編の「夢の果てまで」の方が好みですが、後編も良かったです。
劇場の音響で聞くのに最適な曲。

挿入歌も良かった。
「なんで急に歌いだしたの?」って困惑しましたが、歌は素晴らしかったです。
瀬戸麻沙美さんとのコンビは相変わらず最高ですね。
「TARI TARI」とか最高でしたもの。
2話の「心の旋律」も鳥肌モノでしたが、個人的なベストは「七色Happiness」。
瀬戸さんが高音を早見さんが低音を担当して、見事にハモってます。
今回は逆だったかな?
音域の担当を逆にしても歌いこなせるとか、凄すぎ。

良い音響で、良い歌聞くと、本当に幸せな気分になれますね。

終わりに

コメディ描写が多いのは、前編からなので理解しちゃいたけれど、それにしても紅緒の「主人公は死なない」はどうにかならなかったんでしょうかw
このギャグのせいで、直後に紅緒がシリアス調で死んじゃうかもとか言ってても、全く緊張感が無かったですよw
「いや、あんた数分前に死なない言うてましたやん」って心の中でつっこんでました。

コメディは好きなので良いんですが、何箇所か台無しにしてる場面があって、良いのかなぁとか思いました。
でも、嫌いじゃない、こういう作風w

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