「銀魂 THE FINAL」のgdgd感想

この記事は

映画「銀魂 THE FINAL」の感想です。
ネタバレあります。

終わる終わる詐欺に物申す。

「終わる終わる詐欺」。
「週刊少年ジャンプ」で完結出来ず、「ジャンプGIGA」でも終われず、遂には「銀魂アプリ」で最終回を迎えた原作を称えた言葉。
ファンの間で好意的に受け入れられ、「流石銀魂」、「それでこそ空知」と持て囃されていた時、僕は「いやいやいやいや、ギャグとして受け入れられないでしょ」という世間とは真逆のリアクションを取っていました。
世間とは違う俺格好いいを気取ってるわけではありません。
子供の頃はそういうのもあったけれど、しかし、この件に関しては一切無くて。
これは空知先生or編集部の大いなる失態であると考えています。

「銀魂」って、間違いなく「ジャンプ」の歴史に名を刻んだ作品なのですよ。
誰にも忖度することなく攻めまくったギャグの姿勢は、毎週毎週ゲラゲラと笑い転げさせられ、何度腹を捩じらせたか。
パロディの意味をはき違えて、全方面に喧嘩を売るゴリラ空知先生は、本当に格好良かった。
と思えば、人情に訴えた長編で涙を誘い、バトル漫画顔負けのバトルを展開する。

アニメになっても、そのスタイルは変わることなく、関係各所に何度怒られても、Pが土下座行脚してでも攻め続けました。
今やサンライズを代表する作品の1つになりましたよね。

そんな偉大な作品のラスト。
華々しく飾るが筋でしょう。
実際、本誌2018年38号では表紙&巻頭カラーで最終話へ向けてのカウントダウンが告知されました。
残り5回。
「ジャンプ」としては道しるべは着けていたのです。

ま。絶対に終わらないと思ってましたが。
だって、この時点での本編はゴリラゴリラゴリラの結婚式ですよ。
超展開で巻き入れない限り、絶対に終われないところ。

だから本誌で完結出来なかったのは、予想通りだったし、予定通りだったのだと思う。
どんな人気作品であっても、本誌で最終回を迎えられないこともあるのが「ジャンプ」。
長期連載でも人気がなくなれば普通に打ち切るし、「銀魂」にしても打ち切りではなくとも、「GIGA」で完結編という扱いは殊更珍しくも無かった。

けれども、「GIGAで完結」すら反故にするのはどうかと思ったのよ。
これは完全にミスだよ。失態だよ。

こんなこと言うのもあれだけれど、最終章、凄くgdgdだったよね。
毒舌黄色妖精に「ぐだぽよ~」って言われるくらいには、gdgdだったよ。
77巻という超長期連載の締めを飾るには、相応の長さは必要だったと思うけれど、それを考慮しても長すぎたよ。
第五百二訓から実質最終章へ向けての長編の連続に入ったから、そこからカウントすれば203話もあったし、週刊連載で追ってたらそう感じても無理もないかもだけれど、それでも長すぎた。
長さもさることながら、内容自体もあまりにも難解で引き延ばし感がありすぎた。
ラスボスを不死身という設定にしたものの、「どうすれば倒せるか」分からなくなって振り回されていた感が強かったんですよね。

もうちょっとコンパクトに、分かりやすく纏めていれば、若しかしたら「ジャンプ」本誌で最終回を迎えられたかもだし、そうでなくとも「GIGA」で終われていたであろう。
最終章は正直面白くなかったです。

映画の話に戻りますね。
まさに原作最終章のgdgd構成の余波を受けまくった映画でした。

感想みたいな

アニメの演出の一つに「主題歌・挿入歌を挟む」というのがあります。
視聴者の気分を高ぶらせたい時、物語としてクライマックスを盛り上げたい時などに使われる手法です。
ここぞという場面で使用する奥の手とも言えるのかもしれないし、過言かもしれない。
とかく、この映画では、この演出が乱発されていました。
都合4回はあった。
影山ヒロノブさんの「CHA-LA HEAD-CHA-LA」、DOESの「道楽心情」と「ブレイクダウン」、 SPYAIRの「轍〜Wadachi〜」。
104分の映画に4回は多い部類。

スタッフにとっては、それほど多用するべきだという考えだったのだろうし、事実「最初からクライマックス」であった。
恐らく「銀魂」の原作を直前に読み込んでいたり、TVシリーズ第4期を最後まで見た勢いで鑑賞すると、この映画は最高にテンションが上がるのだと思う。
もしくは、「銀魂」への熱いパッションを持っていると、最高にアゲアゲになれるはず。

これ以外の観客は、テンションについていけないというのが正直なところ。
おじさんはむしろこのパターンだったから、終始映画に乗り切れなかった。

マイナスな事ばかり書いてるので誤解されてるかもだけれど、こう見えておじさん、「銀魂」はちゃんと好きなんですよ。
コミックスこそ買い集めてないけれど、アニメのBDは買ってたし。(過去形)
ちょこっと買い始めるのが遅くて、欲しくなった時には一部の巻でプレ値がついていて大変だったぁ。
特に第1シーズン第1巻の初回限定版とか、当時定価の倍はしてたから。
ただ、そうなるとどうしても初回限定版が欲しくなるのがオタク。
中古ショップ回って、けれど極貧学生には手が届かなくて。
ようやくの想いで、ヤフオクで安く競り落とせたと思ったら、出品者がサギ師だったりさ。(確か第1シーズン全13巻40Kだった)
警察に被害届出しに行ったら、対応した警官に「AV買ったんだろ白状しろ」と逆に詰問されたり。
くっそ、神●川県警め。AVが40kもするわけねえだろ。
AVよりいかがわしいものだから言えなかっただけだ察しろ。

おっと。隙あらば自分語り挟むのは悪い癖。
つまり、「TVシリーズの先」を描いた今回の映画は、長い長い最終章のラストパートにあたるところ。
起承転結で言えば、結の部分だけで構成されていた訳で。
物語構造としてはあまりにも歪で。然しながら、今作のポジション的には致し方ない部分でもあり。

通常観客のテンションというのは、「起」「承」「転」の間に徐々に上がっていくものであって、最初から「結」を見せられても中々合わせ難いのは仕方ありません。
そのテンションに合わせる姿勢が求められる映画だったなと。

兎も角。
スタッフは悪くないよなぁ。
むしろ、今作はスタッフに本当に恵まれてた。
やりたい放題の礎を築いた初代・高松監督。
2代目・藤田監督は、さらにやばい方面にパワーアップさせてたし(笑
その藤田監督時代に「今回特に面白かったなぁ」という回は、大抵3代目・宮脇監督の演出回だったんよね。
しまいには「今回いつもよりはっちゃけてたな。宮脇さん演出回かな。ほら、そうだった」くらいにはなってたw
残念ながら立役者の1人である大和屋さんは関われては無かったものの、今回の映画も3人の監督達が関わってくれていて、素晴らしい映像を作ってくださっていた。
テンションについていけなかったのは、僕個人の問題。

悪かったのは、ゴリラ空知先生ですよね。
ちゃんと終わっていたら、アニメも映画は前作の「完結篇 万事屋よ永遠なれ」で綺麗に終われて、原作分はTVシリーズ内で終われただろうから。
とはいえ。とはいえ本編終了後の「銀八先生」でネタにしてくれてたので、そういうところが好きwww
正直言うと本編より「銀八先生」が一番楽しかったwww

終わりに

という訳で、gdgdとした感想?でした。
そういえば、冒頭のあらすじの「DB」パロ。
最初悟空に似せた銀さんの足元を後ろから映すカットから入ったじゃないですか。
あのカットの背景、具体的には荒野の描き方で「DBのパロだな」と勘付いてしまったよw
あの独特の背景までしっかりと「DB」に寄せてくるスタッフ、マジで凄いw

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