「弱キャラ友崎くん」第8.5巻感想 日南葵についての考察的な何か

この記事は

「弱キャラ友崎くん」8.5巻の感想になります。
ネタバレあります。

はじめに

本編なみの短編集の名目に偽りなし。
普通に9巻扱いで良かった気もしますが、どうなんでしょう。
感想です。

日南葵の謎、深まる

本編相当と感じた最大の理由は、葵の過去のエピソードをがっつりと描いていたからです。
風香が書いた演劇の台本を端にして、掘り起こされる過去の記憶。
そこには、「今はいない」姉妹が出て来て…。

長女・葵。
次女・渚。
三女・遥。
小学生時代は3人ともいた。仲が良かった。
これは前橋さん情報通り。
3人で仲良くゲームをしてる風景が描写されました。
ただ、この時葵がいくつの時なのかが分からない。
とっても知りたいんですよ、その情報は。

分かっているのは
・葵と渚は3つ違い。
・3人とも小学生
の2点。
ここから葵と遥は最小で4つ、最大でも5つ違いということですね。
ならば、葵が5年生か6年生の時という事でしょうか。

いづれにせよ、小学生高学年時代に「今」の葵に変貌する何かがあったことが予想できますね。

中学時代の葵の情報は以下の通り。
1年の頃には、「自分が他人からどう見られているか」をリサーチし、努力を開始。
2年の時に、学年3位まで学力を伸ばし、初めて付き合う。
3年で学力学年1位の達成と維持に成功、バスケ部では準優勝の結果に終わる。
そして、渚がやり込んでいたアタファミに出会う。
橘曰く、中学時代で妹が1人になっていると。

つまり、遥が葵の小学生時代にいなくなってしまったのです。
恐らく、それが切っ掛けで葵はパーフェクトヒロインに向けた努力を始めた。

遥がいなくなった理由を文也が推測していましたが、「橘の勘違い」説は否定されました。
葵には妹が2人、間違いなくいたと明かされましたので。
残る説は2つ。
・遥が死んでしまった
のか
・家庭の事情で離ればなれになった
のか。

個人的には、死んじゃったというのは最も避けて欲しいところ。
あまりにも暗すぎて、僕はそういう暗い話を今作には求めてないからです。
酷く身勝手な理由ですけれど、エンタメの中だけでも明るく楽しい話を読みたいので。

それに、もし亡くなっていたのだとしたら、日南母と渚が平常でいられるでしょうか。
今回3人での食卓風景がありましたが、時期としては2年前。
葵が中学3年生の時です。
遥がいなくなった明確な時期は不明ですが、仮に葵が小学5年の頃としても、遥がいなくなってから僅か4年しか経ってません。

4年も経てば、悲しみも薄れて平常を送れていてもおかしくないだろという向きもあるかもですが、果たしてそうでしょうか。
亡くなったのが年嵩のいった人であれば、4年の歳月も流れれば、喪失の痛みから解放されていてもおかしくありません。
けれど、幼い子、小学1年~2年くらいの子が亡くなったら、4年程度ではまだまだ尾を引きづっている方が正常な気がするんです。

日南母も渚もどちらかと言えば明るい雰囲気を醸しています。
空元気の可能性は否めませんが、どうも違う気がしてなりません。
また、葵が大魔王になった理由も思いつかないんです。

ならば、遥は存命で、しかし、家庭の事情で離れて暮らしている説の方が有力なんじゃないかなと。
家庭の事情であれば、一番あり得るのが両親の離婚ですね。
父親が出てきませんでしたので、父に引き取られていった説が濃厚?

では、両親の離婚で、葵が何故パーフェクトヒロインを目指すようになったのか。
例えば、親のどちらかが物凄い教育に煩かったとしたら。(母の方が教育ママな気がする。理由は後述)
葵の小学生時代、授業参観で特に目立っていたという葵の両親。
授業参観で目立つって聞くと、なんだか良いイメージ湧かないんですよね。
まさか格好が奇抜だったとか、際立って容姿が優れていたとかいう訳じゃあるまい。
授業に口出したり、葵に手を挙げるよう煩かったり。
そんな光景ばかりが目に浮かぶのです。

この仮定の上にさらに仮定を重ねると、両親の離婚の要因となった出来事は「葵の受験失敗」もしくは「子供の教育方針の違いによる対立」が考えられます。
何れにせよ、然程成績の良くなかった葵が原因なのかな。

さて、先程教育に煩いのが母ではないかとしました。
これについてそう考える理由を書きます。
今回母が葵の名前の由来を口にしていることと葵自身その由来を「嫌っている」節があることが既に語られていること。
これが全てです。
葵の名付け親は、母なのではないでしょうか。
「太陽に向かってぐんぐん育って欲しい」と願って付けた名前も、しかし、小学生時代までは母からすれば名前負けしていた。
そう感じる決定的な何かがあって、「今のままで良し」とする父と対立。

経済的な事情から、最もお金が必要な末妹の親権が父に。
葵と渚が母に引き取られた。

仲の良かった家庭の崩壊を招いた自分自身への憤りと「名前なんかに振り回されること」への馬鹿馬鹿しさ。
「馬鹿馬鹿しい、関係ないじゃん」と思いつつも、上を上を目指すことで黙らせようとしている。

なんだろうなぁ。
分からないんですけれど、死別よりも離れて暮らしていると考えた方が色々と考察の幅が広がるんですよね。

表紙の子が誰か分からなかった

表紙の子が誰なのか、全然分からなかったのです。
「え?誰?」ってなってました。
レナだと分かってからも「レナって誰だっけ?」と首をひねってしまった僕は、なんと残念な頭をしてるのでしょうか。

レナ編を読み進めていって、徐々に記憶が蘇ってきて、半分ほど読み終わったところで漸く8巻に出てきたオフ会のお姉さんだと思い出しました。
思い出したは良いけど、そしたら、また疑問が湧いてきたのですよ。
「このエピソードの意図は何?」って。

出てきたばかりの新キャラ。
今後本編に絡んでくるかも分かっていない段階での、唐突な過去編。
短編集とはいえ、表紙に大抜擢されているところも謎。

そんなに重要なキャラなのだろうか…と。

扱いの良さを素直に受け取れば、重要になってくるキャラクターなのでしょうね。
そうすると、レナの過去と葵の中二の頃のエピソードの被りが気になってきました。

「女の嫉妬に多かれ少なかれ影響を受けた」という共通項。

これが意味するところはまだまだ不明なのですけれど、葵の昏い貌を晴らすキーとなるのか。
はたまた全然別方向から葵に作用するのか。
レナの今後の動向に注目しないといけなくなりました。

終わりに

遥は死んでいて欲しくないなぁ。
どうか生きてて欲しい。
んで、最終的には葵と再会して欲しい。
明るくハッピーな結末の為にも、しこりが残る過去にならないように願ってます。

最新情報をチェックしよう!