2020年春アニメ総括

この記事は

2020年春アニメの総括です。
ネタバレあります。

コロナショックの影響が大きく出た春

4月からの緊急事態宣言もあり、多くの作品の制作に遅延が生じた春。
数話で放送が中断し、そのまま夏クールへ放送を延期した作品も多く存在しました。

そんな訳で、非常に本数が少なくなりましたが、春アニメで全話視聴した作品の総括を書かせていただきます。

ULTRAMAN

フルCGアニメーションもそのうち慣れるかなと思いきや、全くそんなことありませんでした。
兎に角CGの質が低すぎます。
不気味さ、違和感しか感じませんでした。
演出もCGの利点を活かしているとはいえず、「2Dアニメの演出」の枠を出てなかったかな。
どうせCGアニメーションを選択したのならば、もっとCGで無いと表現できないような演出に果敢にチャレンジして欲しかった。

脚本についても、謎の原作改変もあり、どうも腑に落ちず。
2期の視聴は考えちゃいますね。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

面白かった。
原作回とオリジナル回に多少面白さの差はありましたが、見事なまでに原作2巻分を完走。
生き抜くことにしか頭を使ってないカタリナの言動が、本人の思惑とは別の影響を周囲に及ぼしていく。
これは一種の勘違い系ですが、通常は悪い方向性に勘違いされることが多いこの手のお話で、本作は良い方向に勘違いされる為、解釈がずれる度に笑いが起こるというのが非常に新鮮でした。
アンジャッシュのコントみたいな愉快さを味わえる良質のコメディでしたね。

さて2期ですが、原作3巻以上の内容に踏み込むのだと思われますが。
一体この先何をするのか?
実はまだ2巻までしか読んでないので、この先のストーリーを知らないんですよね。
2期までに読んでおくべきか、敢えて読まずに待つか。
嬉しい悩みが増えました。

かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~

何故こうも今作は最高なのか。
中弛みをさせないシリーズ構成、常に新しいことにチャレンジしている演出、高い演技力で視聴者の感情を扇動するキャスト陣。
勿論アニメの中核をなす作画のクオリティも高く保ち、だからこその品質。
あらゆる面に死角が無く、パーフェクトな出来だからこそ面白い。

この凄さを言葉で表すには、僕の表現力と文章力が足りないのですが、それでも頑張って表現すると「二度笑える」ところが凄い。
一度目の笑いは原作です。
原作愛読者である僕は、アニメの前に既に一度「かぐや様」の笑いを通過しているんです。
例えば、今回8話で取り上げられたかぐやが倒れるお話。
まさかの恋の病で救急搬送されたかぐや様。
シリアスかと思いきやとんでもないギャグ回だったというお話は、原作の頃からゲラゲラと大笑いしていました。
田沼教授のツッコミがいちいち面白くて、本当に最高の回の1つとして印象に残っています。

通常笑いというのは、初見時に最も笑えて、2回3回と繰り返すうちに笑えなくなっていきます。
醒めたとか飽きたというのではなく、「知っているから」笑えなくなるんです。

それなのに、です。
第8話「かぐや様は診られたい」を見た瞬間の僕は、やっぱり笑い転げていました。
多分2期で一番笑った。
なんならこの春で一番笑ったかもしれない。
何故二度目なのにそこまで笑えたのかと言えば、それはやっぱり最高のスタッフ・キャストの力ですよね。

田沼医師役の森田順平さんの、穏やかで優しい声音で淡々とツッコむ演技。
可愛くも頑なに恋の病だと認めないかぐや役の古賀葵さんの演技。
最後の締めで青山穣さんのナレーションからのツッコミで〆の笑い。

キャストのことしか書いてないけれど、勿論演出の力もあっての笑い。
改めて今作の凄さを思い知りました。
是非3期をお願いします。

啄木鳥探偵處

悪くないんだけれど、そうは言っても面白いとまでは至らず…というところかな。
ポツポツと良回があったものの、全体を通して語ると普通の一言に尽きる。
個人的に足を引っ張っていたのは物語ですね。
2話あたりからミステリとしては見ていなかったのだけれど、それでも尚「なんちゃってミステリ」風の物語は面白味を感じませんでした。

キャラデザとしても、後半の啄木の病床バージョンは、見ていて辛かった。
原作でも段々と病床に臥せていくようですが、アニメでは変えても良かったのではないか。
シリーズ構成の変更やオリジナルストーリーの追加、オリキャラの登場など、総じて改変が多かったのですから。

継つぐもも

終盤に向かうにつれてバトルシーンがパワーアップしてくれたのは嬉しい誤算でした。
動くし、カットに迫力もあって、大きな満足感を得られました。
お色気もテレビ版なりに頑張っていたし、第1期に比べれば遥かに良くなっていました。

惜しむらくは、どう見てもバッドエンドで終わってしまったところ。
これは絶対に3期前提(若しくは分割2クール)かと待ち構えていたのに、普通に「この続きは原作でね」で終わらせてきて、呆気に取られました。

原作でも未だに修行中の為、本来の決着までを描くには3期だけでは絶対に足りません。
ただ、この直後の九殿武闘会編までをやった方が、まだバッドエンド感無く終われてると思うのですが…。
仕方ない部分が大きいですが、残念ではありました。

プリンセスコネクト! Re:Dive

アプリゲーアニメの欠点。
その1。初心者お断り。
これは漫画やラノベ原作モノにも言えることですが、特に顕著に出がち(と勝手に思っている)なのが原作プレイ前提で作られていること。
世界観など大まかな設定説明だけに留め、物語を楽しむうえで必要な細かな設定は「知ってるでしょ」と説明を省く。
なんとなくは分かるけれど、いまいちピンとこないってことがあります。

その2。キャラ多すぎ。
こっちの方が本当に問題だし、凄く多い。
アプリゲームは非常に多くのキャラクターが出てくることが殆どであり、アニメ化にあたって1人でも多くと考えるのは、ファンサービス観点からも仕方ない側面があるのは重々承知しています。
ただ、モブ以上顔出しレベルに終始するから、原作を知らないと「ただただ画面がうるさく感じる」だけ。
結果としてメインキャラも霞んでしまうという、なんとも残念なことになりがちです。

「プリコネ」の話題に戻ると、今作はこれらの諸問題を概ねクリアしていました。
きちんと初心者でも楽しめるよう親切設計。
唯一ユウキ周りの設定では説明が不十分だったものの、これは彼が記憶を失っているという部分に起因しているという前提があったため、問題は無かったかな。
とはいえ、これは続編を前提としたものですが。
13話で何も決着してないので、いずれ2期があるものと信じてます。

良かったのはキャラ問題。
あくまでも4人を物語の進行役に置きつつ、ゲストキャラが場をかき乱すというのを基本構成にしていた為、ゲストキャラを理解できつつ、かつ、メインも疎かにしないという見事な捌き方でした。
煩いという印象は無く、常に華やかで賑やかという好印象で終われたのは、描き方にメリハリを付けてくださっていたからだと思っております。

総じて、非常に楽しめました。
作画のクオリティも高く、毎回安心して視聴出来ました。
但し、先にも書いたように物語としては投げっぱなしも良いところなので、2期は作って欲しいです。

終わりに

6本。少ない!!
数は少ないけれど、質は十分で良作が揃っていました。

暗い世相を吹き飛ばす笑える作品に多く出会えたのも良かったですね。

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