「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」は最高の号泣映画だ!!【ネタバレ感想】

この記事は

「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」の感想です。
ネタバレあります。

グッズ売り場にて

男「ブタ野郎のパンフレットをください」
お姉さん「青春ブタ野郎ですね。」
男「違います。ブタ野郎です。」
お姉さん「ブタ野郎?」
男「ちょっと聞き取れなかったので、もう一度お願いします。」
お姉さん「……ブタ野郎ですか?」
男「もう1度お願いします」
お姉さん「………」

映画館ではドMプレイは控えてください。

くっそ。
アホなやり取りを目撃してしまった。
雰囲気台無しですが、鑑賞前で良かった。

全俺待望の劇場版「青春ブタ野郎」!!
見て来たけれど、期待以上だったぞい!!!!!!!
最高だった!!

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©青ブタ Project

最高だった

実のところ不安もありました。
原作では、「ゆめみる少女の夢を見ない」と「ハツコイ少女の夢を見ない」の前後編構成。
シリーズ史上最長のエピソードなのです。
それを上映時間90分で纏められたのだろうかという不安。

もう少し長めの100~110分くらいあるかなと予想していたので尚更でした。

とはいえ、この不安は既に一度乗り越えているんです。
テレビシリーズも僅か1クールで5巻までを上手く構成できるんだろうかと案じておりましたが、しっかりと纏めてきてくれましたので。
テレビシリーズで培われたスタッフへの信頼と、それでも残った不安。

期待9割、不安1割という感じで見てきましたが、少しでも疑ってごめんなさいでした。
最高でした。
何度でも言います。
最高でした。

感動の度合いでいえば、そりゃ原作には及ばないんです。
それは仕方ないです。
彼らの感情を子細に文字で1文1文、心に書き留めることのできる小説は、没入感も感情移入も大きくなります。
なにより触れている時間があまりにも長い。

1冊あたり3時間~4時間。
それが2冊分なので、長くて8時間ほど彼らの物語世界に浸っているのですよ。
この先どうなるんだろうというハラハラ感は、時間と共に膨れ上がり、ラストで訪れるカタルシスの大きさは筆舌に尽くしがたいものがあります。

止めどなく涙が落ちてくるのは、自然の摂理ですよ。

映画では、先述の通り90分。
必要な部分、大事な部分をしっかりと抑えつつではありましたが、時間的には圧倒的に短いです。
同じような物語に触れても、感動度は低くなりがちです。

ですが、それを補って余りあるほどの声優陣の演技と感情を昂らせるBGMでした。
小説では絶対に真似できない「聴覚に訴える感情喚起」。
メディアの利点をフル活用していて、時間の差をしっかりと埋めてきてくれたなと。

ずっと言い続けてきたことですけれど、石川界人さんが咲太に本当に合ってる。
今回も最高の演技を魅せてくださっていました。
加えて、ダブルヒロインの瀬戸麻沙美さんと水瀬いのりさんの痛切な慟哭に心を揺さぶられまくりました。
種﨑敦美さんの演技も涙を誘ったなぁ。咲太が生きて25日を迎えられたと知った時の演技は超良かった。

BGMも職人の仕事でしたよ。
観客の感情を煽るのがBGMの正しい使い方だと思うのですけれど、悲しみの感情を煽られまくり。
増井監督の発注と使い方、それに十全に答えたfox capture planの面々の功績ですね。

原作を深く読み込まないと出来ないだろうなと感じるほど見事なシナリオと石川さんを座長としたキャスト陣の好演。
それを支えるBGMと監督の演出。
全てがかっちりと噛み合った映画でしたよ。
原作ファンである僕も心から満足できた一作。

何度見ても泣ける

咲太も麻衣も翔子も優しすぎるよ。
好きな人とはいえ、自分の命を投げうってでも救おうとする様子は、本当に尊い。
自己犠牲は決して褒められる行為ではないんですけれど、もうそういう次元の話じゃないと思えちゃう。

ただただ好きな人に生きていて欲しい。

純粋にその想いだけで行動に移せちゃう3人は、本当に立派だと思うのです。

そんな3人をあざ笑うかのような展開の連続。
これはハラハラしますよ。

何度「翔子は助からないかもしれない」と本気で絶望したか。

この手のエンタメは、ハッピーエンドが根底にあることが多いから、どうせ助かるんでしょと達観視してしまう人もいるはず。
でも、シリーズに触れてきた人は、こういった考えを持ち辛くされてるんですよ。

直前のエピソードで、咲太が大切に想っていた妹がいなくなってしまったのですから。
かえでの喪失は、読者に「翔子は助からないかもしれない」と思わせるには十分すぎる出来事でした。

だからこそ、みんな助かるハッピーエンドには物凄いカタルシスを感じさせてくれるんですよね。
ラストシーンの「全てを思い出した」2人の再会は、本当に泣けます。

あと、地味かもですが、朋絵の活かし方が本当に好き。
尻を蹴りあった2人は、咲太が迷子になった時には、朋絵がちゃんと見つけてくれる。
これまたシリーズ視聴者には納得の展開。

とにもかくにも、涙腺を刺激してくるポイントが多すぎて、もう。
ああ、良かった。
最高のストーリーを最高の形で魅せてくれて、本当に生きててよかった。

終わりに

テレビシリーズを一気見したうえで、是非劇場に足を運んで欲しいです。
そして、お暇なら原作を読んだ当時の僕の拙い感想(?)も覗いてみてください。
そっちで思いの丈はぶつけてます。
nuruta.hatenablog.com

さて、あと何回見に行こう。
鴨志田先生の書下ろしノベル第2弾だったり、イラストミニ色紙だったらそれを口実にして絶対に行こう。

あとあと、パンフの豪華版、増刷してくださいお願いします。
瞬殺されてて買えなかった(´Д⊂ヽ

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