「ダンまち 英雄譚 アストレア・レコード 3 正邪決戦」感想

この記事は

「アストレア・レコード」第3巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

オラリオ史上最大の激戦を綴った「アストレア・レコード」第3巻の発売です。
いくらゲームで書き下ろしていたシナリオを基にしていたとはいえ、小説用にリライトして、このボリューム。
3か月連続での発売とか脅威ですね…。
(シリーズ全体通すと6か月連続発売とか作業量がヤバすぎる)

本当に頭が下がる思いです。
感想です。

必要悪…必要悪?

エレボス。
なんとも形容しがたい悪役でした。

作中でもはっきりと書かれていたように、悪であることは間違いない。
許されるところなんて1ミリも無いし、動機を知ったところで同情の余地すらなかった。

ただ、アストレアが評した必要悪というくくりには、僕は些か承服できませんでした。

タイムリミットでもあるのでしょうか。
ダンジョンと神の関係など、どうも「神しか知らない世界の理」があるのは明白で、その中の1つに「世界破滅までのリミット」がありそうな感じ?
そんなものがあるのなら、黒龍が関係しているのでしょうけれど…。
どうもエレボスには切迫した理由があったような感じでした。

それ故に、どんな手段を用いても英雄を生み出したかった。

もう少し背景が分かれば違ったのかもですけれど、「必要な悪行」だったかと言われると首を傾げざるを得ません。
「独り善がりで醜い」という部分には頷けたのだけれど、なんていうか結果論だよね。

フィンを中心とした正義の冒険者たちが勝ったから良いようなものの。
ザルドとアルフィアの成そうとした「神時代の終焉」が訪れていた可能性だってあったわけで。
英雄の時代と同じ状況を作ったところで、かつての英雄のような存在が現れる保証は無いんですよ。
最悪子供たちのレベルをいっきに押し下げることとなり、破滅への時間を短くしていたことだって考えられる。

限界まで追い詰めてこそというのは、ランクアップの「偉業」という面でも必要だったのは分かるんだけれど、ちょっと後先考えてなさすぎるというか…。
「独り善がり」が過ぎたよね。
エレボスの独善的な行為によって失われた命を想うと、「必要だった」とはしたくないかな。

vsアルフィア戦が面白かった

ほぼ全編に亘って描かれた死闘。
いくつものハイライトがありました。
その中でも僕はアストレア・ファミリアとアルフィアの激闘が最も印象に残りましたね。
様々な工夫が見れたから。

一度目の戦いやアルフィア自身の記録を研究し、対策を講じたこと。
ファミリアの戦い(連携を用いた集団戦闘)をじっくりと描いたこと。
この2つをしっかりと絡めた「ライラの奥の手」が決め手になったこと。

特に「弱い」ライラが策略と知恵で「絶対強者」を負かしたことが痛快でした。

この作戦、どう考えてもアルフィアの「盾と矛のカラクリ」に見当が付いてないと出来ないことでした。
それも相当な確度で無いと実行に移せないレベルで。

つまりは、戦う前からライラはアルフィアの絶対防御についての答えを持っていたのでしょう。
その上で、タックルの時にさも気づいたかのような「解説」をわざわざして、タックルしたことの本来の目的を逸らした。
作戦がバレてしまったら、アルフィアに対策されちゃいますからね。
それこそ、手刀だけでべらぼうな威力を誇るのですから、魔法以外の方法で盾を殺すことなんて朝飯前だったはず。

力対力の戦いも面白いのだけれど、「途轍もない強さを誇る敵」を倒す手段に「これなら倒せるだろうな~」という納得感と「敗者が強者を滅ぼす」ジャイアントキリング感の2つが味わえたということで、非常に満足度の高い戦いだったなと。

終わりに

アストレア・ファミリアが全滅している事実が辛い。

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