「ソード・オラトリア」第13巻感想

この記事は

「ダンまち外伝 ソード・オラトリア」第13巻の感想です。
ネタバレあります。

3年半ぶり!!!

正直もう出ないんだと思ってた(汗
非常に後味が悪かったとはいえ、大きな区切りが着いてたし。
「新章」は永遠に始まらないのではと達観してたw

なんてことはない「本編」の時系列が追いつくのを待っていたのね。
あとがきによればこれまで以上に1つの出来事を表と裏から描いていく仕掛けにしていくようなので、待機が必要だったのね。
まぁ、一瞬で追い抜いてましたけれどw

さて、個人的には新章というより、今回で本当の意味で一区切りという感じでした第13巻の感想です。

予測不可能な今後

「レベル」。
「学区」。
「はいむらきよたか」。

どうしたってとある魔術のライトノベルを想起しちゃうw
改めて登場した学区。
新章の「メインステージ」としてここでどんなドラマが巻き起こるのか。
今巻では予測すら出来ませんでしたけれど、読みつつ「よもやなこと」を考えてしまうわけで。

レフィーヤの親友にして、かつての旧友のアリサ。
「むむ。彼女が今回の裏切り者か…!!!」
笑みを絶やさぬ善神の中の善神バルドル。
「黒幕きたぁぁぁぁぁぁ」
騎士のような教師・レオン。
「真なる邪悪。こいつこそ今回のラスボスに違いない…」

ダメだ。11巻までの物語のせいで誰も彼も怪しく見える。
善人キャラ程疑ってしまうw

流石に似たようなことはされないでしょうけれども、内部に敵がいるというのは王道でもありますからね。
ついつい疑心暗鬼になってしまいます。

とはいえ、とはいえです。
「ダンまち」シリーズ全体を通して文字通りの最終ボスになろう黒竜。
三大クエスト最後にして最強のモンスターを狩る為にも、学区のある船が必要そうなのよね。
となれば、学区内部に敵が潜んでいるということは無いのかなぁ。
根拠こそ無いんですけれどね。
むしろ、学区の所有を巡って戦いが勃発すると考えた方が、これまでと差別化が図れて良さそう。
…なんだけれど、それは本編の方でやるのかもね。

こっちは主軸ファミリアの特性上「ダンジョン向き」だし、船の動力源にダンジョン産の鉱物が必要で…とかなるのかな?
どうなのかな?
レオンとアイズの間に何かありそうな布石もあったので、そっち方面のお話なのかな?
いや~読めません。

ともあれ、本編にもがっつりと絡んでくることが確定した学区。
ベルはどういう経緯で「リクルーター」に指名されるに至ったのか。
そもそもベルの「任務」は何だったのか。
それよりもベルは新しい女をどうやって誑かしたのかw
今回の「表」で起こった出来事を描く本編19巻(予想)も気になって仕方ありません。

レフィーヤの復活劇が素晴らしかった

エニュオとの抗争で最も傷ついたのがレフィーヤだったと思うの。
これは僕を含めた殆どの読者の共通認識だと信じてます。…ですよね?

だってね、後々本物じゃありませんでした~というネタバラシがあったとはいえ、友人を目の前で惨殺された挙句、片腕を残してモンスターに食われるところを見せられるんですよ。
かと思えば、その友人が実は出会う前から「人外」で、黒幕の片腕で、でもレフィーヤを心から思ってくれても居て…。
最期はレフィーヤの腕の中で息を引き取って…。

「彼女のヒットポイントはとっくにゼロよ!!」って状態から、更にズタボロになるまでタコ殴りにされたような。
精神をみじん切りされて、とんかつの添え物にされるような所業を受けたんですよ。
それで殆どフォローも無く3年半。
いや~長かった。
くっそ長かったけれど、待った甲斐のあるドラマだった。

対比が見事よね。
3年前のレフィーヤ(第七小隊)とアイズ。
現在の第七小隊とレフィーヤ。
現在のレフィーヤと過去のアイズって立ち位置的には似てるんだよね。
どちらも第七小隊を助ける側という意味で。
でも、本質的には全く違っていて、そのことがクライマックスに向けて様々な側面から語られて行っている。

同じゴライアスを前にして、”レフィーヤに戦うことを促したアイズ”と”ルーク達を結界に閉じ込めたレフィーヤ”。
3年前のアイズでも、レフィーヤの魔法が無くともゴライアス程度なら倒せたと思うのです。
ティオネとティオナの姉妹も一緒でしたし、万が一も無く斃せてたはず。
それでも「何が起こるか分からないのがダンジョン」で「万が一」をゼロにするためにアイズはレフィーヤに頼った。

一方、生徒を信じずに氷で作った結界に閉じ込めて1人で戦いを挑んだ今のレフィーヤ。
死ぬ気は無いと述懐してても、「ダンジョンを舐めた行為」だよね。
あまりにも象徴的な「危うすぎる」状態を示した行動。

ゴライアスとの闘いまでに周囲の人物にレフィーヤの変化を語らせていたけれど、感覚的には頷けてはいても、心からの理解って出来てなかったのよね。
けれど、この闘いのお陰で非常に分かりやすく得心いった。

間違った方向に行きかけたレフィーヤが本当の意味で立ち直るまでが描かれていて、これでやっと前回までの辛い戦いが終わったなと感じました。

それにしても、最初の頃は頼りない感じだったレフィーヤですけれど、滅茶苦茶強くなったよなぁ。
ただでさえ作中世界でも必殺的扱いの魔法を誰よりも多く使える。
魔力量が半端ないから連発出来る。
新しい杖で威力を底上げ。
その上、戦術的に魔法を駆使できるようになり、ベートに鍛えられた接近戦も身に付けつつある。
このまま成長したら、1人で黒竜倒せるんではってくらいチートキャラになってきましたねw

レフィーヤは本編でも主力として出てくるだろうから、今後の彼女の成長には要注目ですね。

続・予測不可能な今後

ゴライアス戦で見事な対比を見せてくれた今回。
対比と言えば、旧第七小隊と新第七小隊。

全滅しかけた旧第七小隊と全員が奮戦した新第七小隊。

新の優秀さが際立った感じですけれど…あれ?
旧第七小隊の出番って、こんなある種噛ませ犬的な扱いで終わり?

バーダインは今何してるの?

片腕を失ったままで、冒険者を諦めざるを得なくなった?
この事件で心を折られ再起不能となった?

かつての「妹分」は、今や最強のファミリアでも名の知れた冒険者なのに彼は……。

バーダイン。
かつての仲間。
学区を深く知る者。
そして、冒険者を志した者。
黒幕の匂いがプンプンしますね。

終わりに

来月発売の14巻は幹部3人の過去ということですけれど、どう「現在」に繋がっていくんでしょうね。
やはりそこにも学区が絡んでるのかしら?

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