「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」感想

この記事は

「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

シリアス声で「もっこり」は卑怯だわ。
オープニングの終わりで唐突に良い声の「もっこり」で思わず吹き出しそうになったんですけどw
最後も良い声「もっこり」で締めるし、なんなのwww
獠って言えばこの台詞だけれども、神谷さんの二枚目声でシリアスに呟かれると破壊力がヤヴァイ。
腹筋持ってかれる勢い。

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©北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会

さてさて、見てきましたので感想です。
面白かったぞ~~~!!

ヒーローは不死身だ

北条先生のタッチってアニメには不向きなのかもしれない。
劇画寄りでいて、線が多いのにごちゃごちゃせずにスッキリとしている。
デフォルメ顔も描けて、シリアスとギャグの両面を違和感なく両立させる奇跡的なバランス感覚を持っている。
正直今までのアニメでは、北条先生のタッチには似ても似つかないキャラクターデザインでした。

ところが今回、20年振りのアニメってことで、メインスタッフも新しく招聘されて、キャラデザも一新。
個人的には今までで一番好きでした。
原作連載中のタッチでは無くて、今現在の北条先生のタッチに寄せてあるものの、最も原作に似ていたと思う。
やはり描くのが難しいのか、ところどころ作画が崩れていたものの力の入っている部分は非常に綺麗な作画でした。

作画に違和感とか「これじゃない感」を抱かないで済んだので、お話に集中できました。

テーマ的には「現代にシティーハンターが甦ったら」を軸にされていたような印象を受けました。
去年の「ルパン三世 PART5」のように「昭和~平成初期のヒーローが現代兵器と相対したら」をテーマに作られている感があり、件の「ルパン三世」では見事に昇華できていました。
今作も同様の感想を持ったんですよ。

獠は相変わらず愛銃のコルト・パイソン357を駆使して最新兵器に立ち向かうし、伊集院隼人氏もバズーカをぶっ放す。
最新の武器なんて使わない。
先進技術なんてもっての他。
鍛えた体と慣れ親しんだ武器で未来兵器に立ち向かっていくんです。

実際、獠の戦法は真新しさは無かったです。
原作でも無類の正確さを見せていた銃の腕前。
なんなくワンホールショットを撃てるので、下手な重火器持たせるよりかは、よっぽどコルト・パイソン357を手にした方が強い。
跳弾による攻撃というのは、原作でもあった気もしますが、まさに神業ですよね。

飛行している物体に対して、寸分違わず狙いを定めて、跳弾でぶち抜く。
静止物に対して一度撃って、その跳弾で目的物に当てるだけでも神なのに、動き回っているドローンに当ててからの別ドローンへの攻撃とか変態すぎてヤバい。

でも、それを行えるだろう腕前を原作から披露していたから、有り得ないとも思えないし、寧ろ「それでこそ」ってなる。
変わることの無い冴羽獠の力で以て、現代でも彼が通じることを立証していました。

時代が移り変わろうとも。
科学が発達しようとも。
本物のヒーローは変わらず輝き続けられる。
決して色褪せたりはしない。

紛れもなく冴羽獠という不滅のヒーローがスクリーンに躍動していました。

香ってこんなに可愛かったのか…

初めてかもしれません。
香を可愛いって感じたの。
麗香(冴子の妹)とかは可愛いと思ったことあるんだけれど、香は無かった気がする。
やんちゃなお転婆娘って印象のが強くて。

今回、ウエディングドレス姿はグッときました。
獠が普段目にしている香は、こういう感じなのでしょうね。
普段着でも着飾っていても変わらない美しさを映し出しているという描写は、まさに獠だなって感じでした。

獠との絆がしっかりと描かれていた点も本当に良かったです。
ポッと出の幼馴染なんかとは築けようのない信頼感。
「獠なら後ろに居て、自分が少し首を逸らすだけで撃ってくれる」
合図もなんもなしで成立させる息ピッタリの芸当は、まさに2人だからこそ。

タイトルも2人の関係をしっかりと謳ってるんですよね。
探偵を意味する「プライベート・アイ」。
獠だけを意図するなら単数形で良いのに、シティーハンターは2人組だから複数形の「プライベート・アイズ」になっている。

先進技術に挑む獠という構図とは別に、改めてしっかりと2人の関係性を描き出す事も今作の重要なミッションだったのかもですね。
寧ろこっちの方が主テーマ感すらありますね。

終わりに

これまでのアニメシリーズでは未登場のキャラを出したり、出来なかった設定を復活させたり(ナンバープレートや喫煙描写。喫煙はエンディングのみだったけど)。
更に新設定で「キャッツ♡アイ」とコラボってみたりとサービス精神たっぷり。

「Get Wild」だけじゃなくて歴代の主題歌を挿入歌として使うという記念碑らしい演出も往年のファンを熱狂させる材料になってました。
良い所で「City Hunter〜愛よ消えないで〜」が掛かった時は流石に大興奮しましたよ。
有名なのは「Get Wild」ですけれど、この曲はエンディングでしたからね。
初代オープニングはこれですからね。
一番良いシーンで使われていたので、大満足でした。

設定や演出もさることながら、こだま監督が復帰されていた点も大きいですよね。
監督らしいドラマとアクションのバランス感覚の良さもあって、あっという間の一時を過ごしました。

声優さんもオリジナルキャストを揃えてくれたことが本当に嬉しかったです。
藤田さんは非常に残念でしたが、戸田恵子さんが代役をされたのは、ご本人の志願とはいえベストだったんじゃないかな。

そして、神谷さんですよ。
僕の最も好きな男性声優。
「ジャンプヒーロー」と言えば、やっぱり神谷さんなんですよね。

キン肉スグル(キン肉マン)、ケンシロウ、ガーリックJr.。
冴羽獠。
神谷さん自身一番好きなキャラクターと称する獠は、二枚目も三枚目も熟せる神谷さんだからこそ演じられるキャラ。
格好良いわ。
まさにイケボ。

御年72歳とは思えない若々しい声で、獠に息吹を与えられていらっしゃいました。
最高でした。

とまぁ、非常に楽しめた一作。
現代に蘇ったシティーハンターの活躍を堪能しました。

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