「名探偵コナン」 第78巻 灰原編の完結とボスの正体に関する考察

File.237「ミステリートレイン」

遂に組織との一大決戦!!と思っていたのですが、どうやら違ったのですね。
バーボン編の終着点だと思っていたら、あくまでも通過点なんですね。
成程、事前の煽りほど物語的にも盛り上がらなかった訳です。

怪しい人物が勢ぞろいして、色々と新しい発見もあったのですけれど、そこまで盛り上がらなかったのはワザとなのでしょう。
それにしても、色々と自分の予想が当たって嬉しい限りですね。
安室の姿は、どうやらあれが本来の彼のモノっぽいというのは意外でしたけれども。

さて。ネットを徘徊していると組織編にキッドが出てきた事に憤慨していらっしゃる方々がいるようで。
正直何がそんなに気に食わないのか分からなかったり。

僕自身最近のアニメのキッド押しには辟易しております。
「コナン」の枠で「まじっく快斗」やり過ぎだろうと思っていて、嫌気がさしているのも事実ですし、でも、だからといってキッドを嫌っている訳でも無く。
恐らく怒っている人たちはこの辺の絡みとごっちゃにして、キッド自体を非難したい気分なのかなと。

ま、それはそれとして。
今回キッドが出てきた事。
これは、まあ、驚きました。
けれど、そこまで意外性に溢れていた訳でも無く、寧ろ必然であったかなと。

理由としては、以前に別記事に書いた通りですね。
参考:「名探偵コナン」 キッドが齎した功績の考察とバーボンの正体を推理
↑の記事ですが。

要約すれば、ベルモットという存在そのものが成立しているのも、キッドが事前に登場していたからなんですよね。
身内すら騙す完璧な変装術と声帯模写。
漫画とはいえミステリで成り立たせているのは、キッドというイレギュラーあってこそ。
バーボン編に彼女が絡み、「変装」というものが殊更重要な位置を占めている時点で、キッドが出てきても不思議では無いんじゃないかと。

その上、まあ、最低限の登場しかしてませんでしたし、コナンが無理矢理関わらせたというのもあり。
その関わらせ方も上手いですよね。
今回のトリックを”古蓑”とそのメイドさんが気付かなかったというのは無理があります。
ドアから紐が廊下を横断するように伸びていたら、いくら暗くても気づくでしょうから。
この辺の”回避策”にキッドを絡ませていて、とても納得いく作りになっていたと思います。

兎も角、バーボン編の通過点にしか過ぎなかった今回。
それでも多くの優位を勝ち取れました。

特に灰原は死んだとバーボンに思わせられた事。
これが大きいかな。

確かにベルモットは事の真相に達しました。
でも、だからといってこの事実をバーボンに話す事は無いと思われます。
その事は有希子が示唆していました。

ベルモットは、仲間にも幼児化の事実を知られたくないという事を。

そうすると、若しかしたらジンですら、あの方の真の目的は知らないのかもしれませんね。
ボスが進めていたであろう研究ですし。
一寸この辺は後述します。

閑話休題。
そんな訳で、シェリーが生きている事実を話せば、どうあっても彼女が灰原として幼児化した姿で過ごしている点にも言及しないといけません。
そこを濁しても、バーボンはいずれ不審がって突き止めてしまう可能性もありますから。
バーボンにも「灰原の存在」は隠したいから、どうあっても言う事が出来ない。
これで、ベルモットは灰原に手を出す事が一層出来なくなったわけです。
それどころか、ジンも狙ってこなくなったと見てもいいかもしれない。

ベルモットが「シェリーは死んだ」と報告してしまったから。
これを撤回できないのも、上に同じ。
用心深いジンの事、まだまだ油断大敵ですけれども。

今回のベルツリー編最大の収穫は、コナンがバーボンの正体に気付いた事では無く、こっちなのかもしれません。
長い間組織から追われていた灰原が、一時的にしか過ぎないのかもしれませんが、組織からの追っ手を振り払う事が出来た。
今まで組織編というと、灰原が中心に来ていました。
彼女を組織から守ることがテーマになっていた訳です。

それもこれで終わりなのかもしれません。
ここからはいよいよもって組織の目がコナンに向くのかなと。
それを象徴しているのはこの次のエピソード。

File.238「名探偵眠りの小五郎」

連続で密室殺人とは豪華ですね。
どちらも然程面白いトリックとは思えなかったのですが、壺の中の氷は面白いですね。
重量を一点集中させる事の出来る氷(固体)と一面に分散してしまう水(液体)という性質を使っていて、全然有り触れたトリックなのかもですが、妙に感心してしまいました。

さて。事件の事はさておきまして。
バーボンは「小五郎の第一弟子・安室」としてまだまだ出続けます。
しかも、コナンに関心を寄せてしまったのが痛い所。

これまで組織編の中心が灰原であったことは書きました。
いわば長い長い「灰原編」とでも呼べるシリーズに幕が下ろされたと。
しかし、今後はコナン自身が中心にいよいよ置かれるのかもしれません。
「名探偵コナン」としての最終章は、案外そう遠い未来の事では無いのかもですね。

File.239「消えた赤面の人魚」

キッド編。
これもベルツリーの事件からの流れ。

トリックが全く見当もつかなくてワクワクしますw
これは普通に続きが気になりますね。

ベルモットが幼児化の事実を隠したい訳。

そもそも組織が研究しているのが何なのか。
不老不死とも若返りとも言われていますけれど…。
案外”逆”なんじゃないかなとも…。

ボスもベルモットも、既に「歳を取れない体」になっていたりして。
いや根拠は無いんですけれどね。

これまでの描写から、ボスである”あの方”って、随分歳を取っている事が想像出来ます。
ピスコと古い付き合いだと言われていたり色々と。
実際に実年齢としては高齢なのかもしれません。

しかし、何らかの事故か何かでベルモットと共に若返っていたら…。
そのまま、歳を取れなくなってしまったら。

組織を通じ研究させているのは、止まった歳を進める計画なのでは?
稀に幼児化してしまうAPTXが出来てしまったのは、その副産物だったり。
毒も薬も紙一重って言いますし。

この根も葉もない妄想を基にすると、ベルモットがジンらにも隠したいのも何となく想像がつきます。
ボスが幼児化している事実を知られたくないのでは?(笑

ボスが子供だと知れたら威厳が無くなりますしね。

ベルモットが板倉に作らせていたソフトというのも、若いボスを歳相応に見せる為のCG技術を応用した物なのではないかなと。
スクリーン無しに、ある空間に「ボスの映像」を投影する事の出来るプログラム。
これを使って普段はジンらに命令を下しているのではないか?

青山先生曰く、ボスのフルネームは既に作中に出て来ているそうです。
今まで出て来た未成年の中(高校生あたりが一番怪しい?)にボスがいるかもしれないですね。

そんな訳で…。
実はボスって子供なんじゃないかなという呆れた妄想でしたw

肌が黒いという理由で、実は京極がボスだったりして(笑
「園子には悪い男が」のジンクスは実は全然生きていたという悲しいオチ。
ま、無いですねw

名探偵コナン 78 (少年サンデーコミックス)

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