「映画 五等分の花嫁」感想 TVシリーズでは無く映画で良かった!!!

この記事は

「映画 五等分の花嫁」の感想です。
ネタバレあります。

圧巻の136分

上映時間136分。
アニメの平均が90~100分。
実写でも120分を超える作品は少数。
何が言いたいかと言うと、映画の中でもかなりの長尺。

たっぷりの時間を使って、原作のラストまで駆け抜けてくれています。
五つ子の可愛さを500%堪能できる映画でした。
感想です。

テレビシリーズじゃなくて良かった

原作からして映画を想定して作られたシナリオではないから(多分)、やや中弛みを感じたのは正直なところ。
それでも、テレビシリーズじゃなくて良かったとつくづく思えましたよ。

文化祭編もそうだけれど、今作って同じ時間軸を視点を変えて何度も描くという手法をよく見かけます。
特に今回は、最初に風太郎視点で描いて、その後姉妹それぞれの視点で繰り返すというもの。
視点を変えることでそれまで見えなかった仕掛けに気づける趣向になっています。
つまりは、記憶力が無いとその仕掛けにすら気づけないという残念なことにもなりかねない訳で。

もし、映画では無くてテレビシリーズであったなら、風太郎視点で1話、一花で1話、二乃で1話…。
流石にそうはならなくても、風太郎と一花で1話、二乃と三玖で1話、四葉と五月で1話…。
絶対に忘れちゃう(汗

風太郎視点で五つ子の実父(無堂)を風太郎が案内していたシーンなんて絶対に忘れてたと思うw
流石に原作読んでるから無堂の存在自体は覚えてても、アニメでカットされてたのかなとかは思っていそう。

それにやっぱり「五つ子ゲーム」は今作全体を通した肝の1つではあるよね。
それが映画と言う1つの作品で幾度となく紡がれることで、クライマックスの感動は増したと思ったのです。
これもテレビシリーズでは難しかった点。

愛があれば見分けられる。

五つ子のことを全く見分けることが出来なかった風太郎。
悪戦苦闘の大抵の理由が、この「見分けられなかったから」にありました。
クライマックスの「最後の五つ子ゲーム」で遂に彼が五つ子全員を見分けられるようになっていたことが描かれ、6人の関係がどう変わったのかが見て取れるのですが。

ここに至るまでの過程で、多くの人が「五つ子ゲーム」に挑戦している様子が見て取れました。

例えば、冒頭のサッカーの監督っぽい外国人。
容姿の違いの無かった幼少時にも関わらず、四葉を四葉と正しく認識していました。

例えば、竹林。
彼女の存在は映画を見ても必要だったのかどうか首を傾げるところですが、幼少時の四葉と会い、今の四葉を「見つける」ことが出来たのは、大きな出来事であったのかなと。
四葉を愛していたなんて訳では全くないけれど、「風太郎と京都で出会った少女」に強い関心を持って、五つ子の事を真剣に見分けようとしたからこそ。

例えば、前田。
一花に気が合った彼は、しかし、三玖と間違えてしまうくらいには「見えてなかった」。
それなのに、いつの間にか一花だけは分かるようになっていたのは、かつてより真剣に一花を見るようになったからなのでしょう。

この対極の存在として置かれたのが、あろうことか五つ子の本当の父である無堂ですね。
彼は結局娘たちの事では無くて、零奈しか見えてなかったんでしょう。
元妻の面影を一花や五月に見てただけで、娘のことは全く見えてなかった、見てなかった。
だからこそ、変装らしい変装をしていない三玖を五月と間違えるという失態を犯した。

五つ子であることを尊び、零奈の娘であることを誇り、自分らしさを学んだ。
一花は一花であるし、二乃は二乃。
三玖は自分が好きになり、五月は「自分と母の境界線が曖昧になっていた」状態から「自分自身」を確立した。
四葉は、最後の最後でそこに気づかされ、自分らしくなれた。

五つ子にとっては、ただのゲームなんかでは無くて。
同じだけれど違うというパーソナリティを「他人に理解してもらう為の大切な儀式」。
それを出来なかった無堂には、やはり父を名乗る資格は無いし、五月に否定されてスカッと出来る訳です。

この一連の流れをいっきに見れたことは大きかったし、四葉と結ばれる結末により大きな感動を齎した要因であったと感じます。
映画化大正解ですよ。

四葉エンド最高だね。

冒頭から四葉がメインのエピソード。
ここから始まり、彼女が恋を諦めて号泣する姿にもらい泣きしそうになり、保健室の告白で潤み、追いかけっこ中の回想に感情を煽られ、膝枕の告白で決壊する。

ぶっちゃけ5人全員可愛いことは確か。
終始恋愛感情を持たなかった五月を除いて、誰もが報われて欲しかった。
それでも、最初に好きになった四葉が選ばれたのは、原作読んでた時から嬉しかった。

ネットでは四葉エンド反対派の意見を多数目にしてしまい、映画では結末を変えるのではなんて噂(というか希望的観測)まで耳にしていて多少不安になっていたのですけれどね。
それらを全て払しょくする原作通りの結末に大変満足しています。

終わりに

動いて喋ってだと、やっぱり可愛いんだよなぁ。
原作でも十分魅力的だけれど、アニメでは更に可愛い。
(一枚絵は原作の方が可愛いんだけれどね。)

五つ子の可愛さに悶え、3つの悲恋と1つの恋の成就に涙する。
映画で本当に良かったです。

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