「ひげを剃る。そして、女子高生を拾う」への批判が見当違いも甚だしかった【1巻感想】

この記事は

「ひげを剃る。そして、女子高生を拾う」第1巻の感想です。
ネタバレあります。

読んでから批判しろ

ツイフェミと呼ばれている人達のことは正直存じてないのですが、関わると面倒くさそうというのだけは認識しています。
そんな人達にこちらから絡んでいくような行為ではありますが、ま、10人に読まれれば多い方な当ブログでは、大丈夫でしょう。
ということで、ウザ絡みしていきます。

「ひげを剃る。そして、女子高生を拾う」。
今年の1月、この作品がツイフェミの標的にされてしまいました。

なかなかにセンセーショナルなタイトルですからね。
「ひげを剃る。」という成人男性にとっての日常風景と地続きになっている「女子高生を拾う」という非日常。
そもそも女性を「モノ」のように扱うかの如く「拾う」という動詞が、より目にした人の感情を焚きつけます。

タイトルだけで判断すると、眉を顰める人が出るのも理解できます。

だけれど、表立って批判するのであるならば、最低限中身に目を通すべきです。
果たして本作は、タイトルから受け取るイメージとはかけ離れた作品でありました。

読み終わって、ちょっと鬱になったぞ。

重すぎるドラマに凹む

「ヤらせてあげるから泊めて」
あまりにも衝撃的なセリフだけれど、口だけなんじゃないのと多くのラノベ読みは考えたことでしょう。
というか、僕は考えました。

中学生、高校生が主要読者層のライトノベルに於いて、家出少女がその日の宿の為だけに、あったばかりのオッサンに体を許す。
そんな誰得な展開望んでないし、望んでないからこそ、ブラフであろうと。

人目を引くようなタイトルとセリフを引用して、中身は王道の甘々ラブコメなんでしょうと高を括っていたのです。

とんだ思い違いでした。

ヒロインの女子高生・沙優は本当に泊めてもらう見返りに体を許していました。
しかも何人もの相手に。

勿論彼女は、好きでそうしていたわけでは無くて。
悪夢として当時の記憶にうなされる程、心に傷を抱えていました。

主人公の吉田も5年間片思いしていた女性に振られたばかりで、2人は共同生活を通して、心の傷を癒していく…という物語になりそうなところで、1巻は終わりました。

冒頭の方にも書きましたけれど、かなり重かったので、読後感は憂鬱な気分になりました。
主人公が無自覚モテ男というラノベらしいところもあるのですが、兎も角沙優の設定が重すぎる。
心に傷を作りながら男と肌を重ねてまで、家出を続ける理由とは一体なんなのか。
やはり非常に重苦しい理由が隠されているのでしょうね。

終わりに

読む前後でこれほどまでに印象が変わったラノベも珍しかった。
タイトルからは想像もつかないほどシリアスな物語でした。

ふとした表情や仕草に育ちの良さ、鬱屈した半生がにじみ出ている沙優。
吉田がそれらに気づきつつも、沙優の気持ちを最優先に彼女の心を焦らずゆっくりと解きほぐしていく。
その過程がなんとも暖かい気持ちにさせてくれます。

今作は決してツイフェミが肩を怒らせるような作品ではありません。
ハートフルと言っても差し支えない心の傷を癒すドラマです。

どんな作品にも言えることですが、たいして知りもせずに批判すること程愚かしいことはありませんね。

ところで2巻ですが、もう少し心に余裕ができてから読もうかと思います。

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