「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 Another side story 後藤愛依梨 上」感想 これ本編だよね(笑)

この記事は

「ひげひろ」サイドストーリー第2弾「後藤編」上巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

サイドストーリーとは?
いや、もうこれ本編でしょう。
最終巻のその先の物語にがっつりと食い込むやん。
上下巻構成になったこともそうだし、とにかくサプライズだらけの第2弾。
感想です。

たった一度の彼氏とのキス以上Se×未満

オタク文化は処女性に拘る。
神聖視してると言っても過言ではない。
非オタからするとひたすらに気持ち悪い考えかもだけれど、殊更恋愛に絡んでくると重要視されがちな点です。
顧客が求めているから、自然クリエイター側も倣いがち。

さて、そこ行くと今作は「そんなのクソくらえだ」とばかりにヒロインの性を赤裸々に描いている。
メインヒロインの沙優からして、長期家出を成立するために体を売ってきたというショッキングな過去を吐露しています。
「生身」の人間を描こうとすれば、ごくごく自然なことも、オタク文化では不自然と言うだけであって、なんら変な事では無いんですけれどね。

何が言いたいかと言いますと、またやってきたな~と。
処女を公言していた後藤さん。
嘘では無かったけれど、かなり際どいことまでは経験済みだったのね。
描写が生々しくて、妙にエロかった(汗

ただ、「必要」な描写であったのは確か。
彼女が吉田の告白を一度断ったのは何故かという序盤最大の疑問に答えるために必要なシーンだったし、後藤さん独特の恋愛観を端的に示したシーンでもあったなと。

本編のその先へ!!

後藤さん面倒くさいなぁ。
面倒だけれど、言動が首尾一貫しててブレが無いから可愛らしく見えちゃう。
初めて本気で恋愛してるから、いちいち初心だし、年齢以上に幼く感じてしまう。
それでいてちゃんと体は大人の女性だから、吉田としては蛇の生殺しもいいとこだろうなw
よくもまぁ待てるよ。

「5年片思いしたから」って事実よりも、誘われても断った旅行の夜の出来事1つだけで、彼がどれほどまでに一途なのかが分かる。
これで大人になった沙優になびきましただと、よほどでない限り納得出来ないなぁ。

最初は僕も「一度2人は付き合って、別れた後に沙優と再会する」という展開になるのかなと思っていました。
下巻で「別れるまで」が書かれて、最後に本編5巻のラストシーンに繋がるのかなって。

でも違った。
上巻ラストで沙優が再登場。
恐らく時系列的には、吉田と再会するラストシーンの直前なのでしょう。
沙優は、吉田と会う前にあさみと連絡を取って、更には後藤さんとも会っていたようですね。

何故沙優は後藤さんに吉田よりも前に逢いに来たのか。
その真意とは何か…。
そこも気になるんですが、今回は沙優はやっぱりサブヒロインなのでしょう。

となると、吉田は後藤さんと付き合って、沙優を振ることになるのかな。
沙優と結ばれて欲しいけれど、先にも書いたようによほどのことが無い限り納得出来そうも無いからなぁ。
それほど吉田の「後藤さんラブ」を読まされたからw

面倒くさい後藤さんの可愛らしさや気持ちの本気度を読んだ分、彼女の恋愛も報われて欲しいなとも思ってしまって、結構複雑(汗

何はともあれ、下巻を待ちたいですね。

終わりに

これ結末の持って行き方難しいよね。
本編では綺麗に「誰ともくっ付かず、しかし、誰とくっ付いてもおかしくない」という「読者の想像に委ねる綺麗な終わり方」したのに、公式に答えが出そうなので。
誰もが納得いく結びは無理だろうけれど、蛇足だなぁと感じちゃう結末だけは回避して欲しいところ。

なんだかんだ書きましたが、後藤さんが愛らしく思えた本でした。

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