誰が何と言おうと「姫様”拷問”の時間です」第1巻の感想なのです。

この記事は

「姫様”拷問”の時間です」の感想になります。
ネタバレあります。

ジャンプの読み切りで気に入った

「週刊少年ジャンプ」の読切で、初めて本作を読みました。
面白かったのです。
作画のクオリティが高いから、ギャップで笑えるよね。

凶悪な形相をした、いかにも魔王ですという顔で、「投稿したメールが採用されるかドキドキして穏やかじゃない」とか何言ってんのって感じです(笑
これ、作画がダメダメだったら、ここまでの笑いのギャップは生まれませんよ。
落差を最大限に活かしたコマがあります。
連載第1話の「今から拷問を始めます」と最高位拷問官が言っているコマです。

鉄の処女(アイアンメイデン)を開いて、さぁ、これから串刺しにするぞと恐ろしい雰囲気がビンビンに伝わってきます。
拷問官の背後にいつも付き従っているスキンヘッドの彼もいかにもな恐ろしい顔してますしね。
そしたら出てくるのがトーストやおにぎり。
庶民的な食べ物を絶対に美味しいと思えるひと工夫を加えて、食べたければ秘密を喋ろと拷問してくる。
こんなの初見では絶対に予想できないやつじゃん。

凛々しさや恐ろしさを出すファンタジーバトル漫画風のリアル作画から、拷問が始まると一転、ほのぼのコメディ作画になっちゃう。
原作の持つ笑いのギャップをひらけい先生の超絶作画でしっかりと再現しているからこその面白さです。

すぐにワンパターンに陥って飽きちゃいそうという懸念もありましたが、やっぱり気に入ったものは購入しましょうということで、第1巻を購入してきました。
そしたら、食べ物の拷問だけじゃないんですね。
ちゃんとワンパターンにならないように色々なパターンを魅せてくれています。
お陰様で、飽きることなく笑いながら1巻を読み終えられました。

全話どこかしらで笑えたポイントがあるのですが、今回は特にお気に入りの1本について詳しく感想を書いてみますね。
キュイたん回もめちゃんこ可愛かったんですが、この回の感想を書こうとしても「可愛い」しか書けないので今回はやめときます。

深夜のラーメン

深夜のラーメンはヤバイ。
姫様が言うように背徳感があって、余計に食べたくなるんですよね。
味にもプラスされるような効果があったりなかったり。
そういった人情をしっかりと把握している最高位裁判官は、もう寝ようかという姫様の目の前で美味しそうにラーメンを啜るという拷問を始めました。
これはいけません。
なんと惨い拷問なのでしょう。
しかもですよ、そのラーメンがただのラーメンじゃないです。
まずはご覧ください。

お分かりになりましたね。
そう。
これは家系ラーメンなのですよ!!!

吉村実さんが1974年に神奈川県横浜市にある新杉田駅付近に構えたラーメン店「吉村家」。
そうです。
横浜を中心に関東近辺に点在する「家系ラーメン」の元祖が、このお店なのです。
1999年には横浜駅西口に移転し、今や観光地にすらなっています。
常時1時間前後の待ち行列が出来ていて、食べるには相応の覚悟が必要です。
(横浜駅周辺に「横浜家」というチェーン店がいっぱいありますが、こちらは元祖でもなんでもないので間違えないでくださいね。)

家系ラーメンの特徴はなんといっても、濃厚な豚骨醤油スープです。
厚めに切られたチャーシューとほうれん草、海苔が定番のトッピングであり、豚骨醤油との相性が抜群なのです。
本編にもあったようにご飯との相性もピッタリ。
スープを吸い込ませた海苔にご飯を巻いて一口。
蓮華にご飯を載せて、スープに浸してから一口。
最高位裁判官がやっていたように、ライスに豆板醤を塗り、にんにくを載せて、スープをいっぱいに吸い込んだ海苔で巻くと天国に行けます。
お店でのお勧めの食べ方に指定している店もあるほどの定番な食べ方でもありますね。

だけれど、待って欲しいのです。
もっと画像のラーメンを注意深く観察してみてください。
なにか引っかかりませんか?
家系通は、一目見た瞬間にお気づきかと思いますが、そうです。
このラーメン、「吉村家」直系の家系ラーメンではないのですよ!!!

よく勘違いされている方もいらっしゃいますが、関東一円にある家系ラーメンの90%以上は、「吉村家」とは無関係のお店なのです。
二郎インスパイアと同じで、味を真似ているだけにすぎません。
どうやらレシピが簡単らしく、再現しやすい味ということで、勝手に味を真似て家系を名乗っているだけのお店が大半。
「吉村家」がFC展開してるわけでも、勿論暖簾分けした元弟子と言う訳でもありません。
事実「吉村家」の暖簾分け店は、過去を含めても10店舗しか存在しないのです。

そんな中で、「壱六家」を起点とした「壱系」という系統が存在します。
クリーミーな乳白色のスープが特徴なのが、この系統。
「吉村家」のスープは、醤油の方が強いのに対して、こちらは豚骨を強く出しているのです。
その為、マニアの間では「家系亜流」と呼ばれているとかなんとか。
ともかく、「本流」とは違うというのは、ここからも読み取れるかと思います。

この 「壱系」 は、本家以上にご飯との相性の良さを謳っています。
あくまでも個人的な感想で申し訳ないのですが、僕も醤油の強い「吉村家」よりもクリーミーな「壱系」のスープの方がご飯に合っていると思っています。

もうお判りでしょう。
「壱系」には、クリーミー乳白色スープのほかにも共通項があるのです。
それがうずら卵!!
家系お馴染みのほうれん草と海苔とチャーシューに加えて、うずら卵までが入って基本のトッピング。
もう一度画像をご覧ください。
ラーメンのどんぶりの左上。
ほうれん草の横にあるのが、そう!!
うずら卵!!!!!
つまり、この家系ラーメンは、豚骨成分多めのクリーミー濃厚スープという訳ですよ!!!!!!

想像してください。
とろ~り半熟卵をホカホカのご飯の上で割って、黄金色の黄身がちょろっとご飯にはみ出した状態を。
そこにクリーミーな濃厚スープをかけて、蓮華に掬って、口の中へダイブ。
スープの味を邪魔しないよう薄めに味付けされた半熟卵と豚骨白濁スープが奏でる極上のハーモニー。
やや太い麺には、しっかりとスープが絡まり、クリーミーかつ醤油のパンチが程よく効いた濃厚な味は、病みつきになります。

そんなラーメンを!!
深夜の!!!
お腹が空いた!!!!!
タイミングで!!!!!!!!
食べたら不健康間違いないという罪悪感を掻き立てられた状態で、目の前で啜られてごらんなさいよ。
どんな秘密だって吐露しちゃいますよ。

これは姫様悪くない。
拷問がえげつないだけだった。

ラーメン食べたい

家系ラーメン美味しいよね。
僕も壱系大好きなのです。
「吉村家」に似せた家系は、店によっては醤油の味が尖っていて苦手なんですよね。
コクのない店もあるし。
そんな中で、外れが少ないのが壱系。
クリーミー豚骨醤油最高!!

個人的なオススメは「鶴見家」って店。
味のバランスが良くて、最後まで飽きずに飲み干せるクリーミーな味が最高です。
大盛(麺増し)、味玉、ライスで1000円以下なのも魅力。
「吉村家」系統だと、 「山崎家」がバランス感覚が優れていて、「おっ」となりました。
「吉村家」の近くなので、並んでられないよ~って方にはオススメ。

と、長くなりましたが「姫様」面白かったです。続き楽しみ。

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