「29とJK」第7巻感想

この記事は

「29とJK」7巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

憧れと言うのは、誰の目でも曇らせてしまうものなのですね。
鋭二痛恨のミスを犯した7巻でした。
感想になります。

ネコオへの憧憬は失われてない?

今回のサブタイトルを最初に見た時、僕は「綾が鋭二への憧れを喪う」のかなと考えました。
30歳に突入していよいよタイトル詐欺となりつつある本編に則して、この「御旗編」を以て物語を畳むことも考えられたからです。
花恋と正式にカップルにもなったことですし、ラブコメとしても1つのゴールに辿り着いてますからね。
ヒロインの整理というと言葉は悪いですが、(実質)失恋したヒロインを次へと向かわせる巻になるのかなと勘繰ったわけです。

違いましたか。
鋭二が御旗への憧憬を捨てる回、つまりは、敵対関係を描く回だったのですね。
もう1つ、花恋(と鋭二)の憧れの作家であるネコオ先生への憧憬を捨てたとも取れるのですけれど、ここはどうなんでしょう。
現時点で対立を深めているのは明確ですけれど、彼女との関係は良化する可能性はありますよね。
というか、高い確率でそうなりそうですよね。
棟方との最初の打ち合わせ時、開口一番彼女は「花恋の受賞は反対だった」と言ってますけれど、これは何のために言ったのでしょう。
浮かれ気分を取り去るため?
違うと思いました。
立場上明言こそ避けてますが、「内容で選ばれたわけではない」ことを暗に仄めかしてますよね。
この段階では、まだ御旗の素顔が割れてないので、棟方の真意を鋭二たちに掴めっていうのは無茶が過ぎますけれど、大きなヒントではありました。

棟方自身、プロ作家だった頃の情熱を完全には捨ててないのかなと。
作家としての矜持があって、だからこそ、今回の花恋の受賞理由には酷く嫌悪感があったのではないかな。
「作家はタレントでもアイドルでもない。作品で評価しろ」という御旗への怒りがあって、故に花恋に助言めいたことを言ってしまった。

もしもまだ彼女が本当に「ネコオ」としての顔を持っているのであれば、逆襲の切り札として残ってくれそうではあります。
完全に味方のような役割になるとは思えないのですけれど、彼女の描き方は灰色に近い感じに受け取れました。

終わりに

今回は対決の足場を形成する繋ぎの回でしたので、盛り上がりに掛けてはいたかな。
沙樹の過去も想像してたよりかは軽めに思えましたし、全体的にドラマが薄く感じました。
御旗が敵になるというのは、出て来た時から予想通りでしたし(笑
第一印象が「良い奴」にロクな奴はいませんからね。

だからこそ、次回に期待かな。
どうやってこの状況をひっくり返すのか。
期待したいですね。

あ、そうそう。
そろそろ終わるかもと危惧していたのですけれど、杞憂に終わりそう。
まだまだ綾のターンが来るかもしれないので、そこに刮目したい。
「綾ちゃん大勝利ぃ!!」な結末を僕は望む(笑

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