「雑誌」の限界と制限を排した「漫画アプリ」という妄想 「ジャンプ+」に関して

この記事は

駄文。ジャンプ+の快進撃凄いなぁと言う感想。

「ジャンプ+」が熱い

「SPY×FAMIRY」7巻累計1000万部。
「怪獣8号」3巻累計300万部。

アニメ化をしてないにも関わらず、巻割100万部超という特大ヒットを輩出している「ジャンプ+」。
素直に凄すぎる。
もう何年も前の古い話になるけれど、出版不況がえらいこっちゃになってたこともあって、初版100万部を超える作品は今後現れないのではないかと危惧する話も聞こえていた。
「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」などがあっさりと記録を破り、そんな噂なんてあったのか自分でも疑わしいくらいには、初版100万部超えがざくざくと出てきてますが。

それでも多くの作品は、メディア化を経て、部数を跳ね上げている。
それは先に挙げた「鬼滅の刃」も「呪術廻戦」も例に漏れずで。
(むしろこの2作品は、アニメ化前の部数が少なすぎた。)
だからこそ、「ジャンプ+」発の2作品が異例中の異例なのだと騒がれているのだと思う。

そういえば創刊時、「ジャンプ」本誌にでかでかと宣戦布告が掲載されていました。
「ジャンプを超える」。
何を以って超えると言っていたのかは定かではありませんが、「連載作品の初版部数」では、超えてくる可能性だってありますよね。
現状日本一である「ONE PIECE」の405万部(67巻)という高すぎるハードルですけれど、可能性で言えばゼロでは無いと思っています。
それこそ「鬼滅の刃」レベルのクオリティでアニメ化されたら、どうなってしまうのか想像すら出来ません。

そんなことを考えていて、ふと「ジャンプ」との違いについて思ったことがありました。
何故「ジャンプ+」は躍進できているのか?
実際のところは編集長のインタビュー等がググれば出てくるので、そちらに書いているのでしょうけれど、ただの読者としての思ったところを書きます。

「雑誌」と「アプリ」2つの違い

「ジャンプ」と「ジャンプ+」の違いというよりかは、厳密に言えば「雑誌」と「アプリ」の違いですね。

絶対的に異なるのが掲載作品数。
ある程度上限数が決まっている雑誌に対して、アプリは基本的には無制限。
編集会議で連載作品を「厳選」する必要のある雑誌だと、「選外となった作品」は日の目を見ることすら難しい。
連載本数という作家側にはどうしようもない理由で、連載出来ない。
これがアプリなら別…な気がする。
少なくとも連載の枠が空いてないからという理由で蹴られることは無さげ。

作家側にはそれだけでもチャンスが多くなる。

事実「彼方のアストラ」(のプロトタイプ)は、「ジャンプ」の連載会議でボツになり、「ジャンプ+」で連載するに至ったと篠原先生自身が話しています。
(連載の枠云々が理由で没になったわけではないようなので、例えとして持ってくるには違うかな…。)

もう1つの違いが「柱」の必要性。
雑誌って売らなければならないし、売るためにはセールスポイントが大事になってくる。
「オール新人でスタート!!」というのは、暴挙ですよね。
現代ではまず出来ない。
「ジャンプ」はそんな「暴挙」から創刊したけれども、「少年誌の中では最後発で、人気作家が確保できなかった」為の措置であって、したくてしたことでは無いですしね。

やはり人気作家の確保は大事なはずです。
人気作家の作品で雑誌を売って、その間に新人を育成する。
しっかりと打点を稼げるクリーンナップが揃ってないと、新人選手を「試合に使いながら育成する」のが難しいのと一緒。

今の「ジャンプ」の現状がまさにそんな感じ。
「ONE PIECE」という大黒柱がいて、「HUNTER×HUNTER」という濃い信者を抱える作品が健在だから、次々と大ヒット作を延命させずに終わらせられたし、新人作家をこれでもかと投入できている。
元々新人作家を好んで登用する雑誌だけれど、今の紙面の「若さ」凄いからね。
連載が1年程度の作品の中で初連載作家が6人(5組)。
連載2年以下の連載作品が15本。
30年以上購読してるけれど、今ほど紙面が若かった時期を知りません。

この点についても、アプリは雑誌程考えなくてよい。
基本的に無料で、広告収入で運営されているケースが多いからオール新人ということも不可能ではない。
なんなら連載が完結した過去の人気作を引っ張ってきて「再連載」すれば、その作品が広告収入を稼いでくれることだって論理的には可能。
将来的な事を考えれば、もちろん柱となる作品は大事になってくるのでしょうけれど、雑誌程必然性を感じない。

何が言いたいかと言うと、雑誌に比べると制約が少なく、よりアグレッシブに、よりチャレンジしやすい土壌がアプリにはあるのかなと。
そういった点をしっかりと活用しているからこそ、「ジャンプ+」は伸びているんじゃないかな~と感じた次第。

個人的な期待作

「SPY×FAMIRY」と「怪獣8号」に続いて注目してるのが「ダンダダン」。
まだ読んでないけれど、絵だけでメッチャ面白そうなので、コミックスの発売が楽しみなのです。

もう1つ、注目と言うか、期待したいのが白井三二朗先生。
講談社の「ヤングマガジン アッパーズ」(休刊)や「月刊少年シリウス」で連載を持っていた推し作家さんが満を持して集英社に初登場!!(多分)
GWの読み切り企画に採用された「邪神打線」の連載化を強く望んでいます。

巨人ファンとしては、阪神をモチーフとしたところにモヤツキが無い訳では無いですがw
(白井先生は熱狂的な阪神ファン)
好きな作家さんだけに、「ジャンプ+」での活躍を期待したいのです。

そんな訳で「ジャンプ+」からはまだまだ目が離せそうもありません。

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