「金田一37歳の事件簿」 第8巻感想 スベッていた心理トリックが残念だった

この記事は

「金田一37歳の事件簿」第8巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

くっそどうでもいいけれど、いつの間にか37歳のハジメの年齢すら超えてしまってました。
どんどんオッサンになっていく自分。つれぇ。
さて、「騒霊館殺人事件」中盤戦です。
感想を書きます。

犯人

この世界の女性、背中に訳アリ気な傷を持ってること多くない⁉
今回は完全にブラフなんでしょうけれど。
ただ、直前の「黒猫」の本は、がっつりと手がかりかな。
だって、わざわざ実在の本を描いているから。

僕自身未読の書であったため、調べました。
作者のエドガー・アラン・ポーは世界最初のミステリ「モルグ街の殺人」の著者であり、江戸川乱歩の筆名の由来ともなった人。
「黒猫」は、1843年に発表された短編小説だそうです。

ざっくりとあらすじを読みましたが、次巻予告のカットから推察するに「黒猫」と同様に「壁に女性の遺体が埋め込まれている」のでしょうね。
という訳で、犯人は白鳥麗桜で間違いありませんね!!(どやっ)
彼女の大事な女性が唐崎夫妻ら4人に殺されて、壮麗館の壁に埋め込まれてしまったのでしょう。
作中のヒントだけを頼りに真犯人に辿り着く、僕の見事な推理!!
決まった!

…すいません。
次巻予告のカットを推理のネタにするのは反則ですね。
というか、解答編も始まっていて、推理も糞もないか。

トリック

「シリーズ最高傑作」になるとは思えない雲行きなのですが…気のせい?

騒霊トリックは、お馴染みのマジックの応用でしたね。
分からなかったけれど、高遠登場以降この手のマジックの応用トリック目立ってきたなという印象。
今回のように小技ならまだしも、メイントリックにまで使われると興ざめしちゃうんですよね。

今回の殺人トリックは豪華に3つ。
ただ、どれも簡単そうなのがなぁ。
ハジメの推理があまりにも高速、つまりは、悩むそぶりが無さすぎて、とっても不安。
最後の密室トリックだけでも驚かせて欲しい。

ちょいと雑感。
1つ目のトリック。
なんとなく何処か(金田一シリーズの何処か)で見たことある系のトリック。
かすり傷でもOKとはいえ、かなり無茶が過ぎるけれど、それはさておいても驚きの無いトリックだったかな。

2つ目は、次巻に持ち越しとなりましたが、得意の困難の分割。
予め殺した上で部屋を荒らしておいて、あの時の騒音はレコーダーか何かでしたっていうのは勘弁してほしいなぁ。
(部屋は密室でもなんでもなくて、普通にマスターキーで鍵をかけて去った)
白鳥さん、現場に現れた時にポケットに手を入れてるのが、怪しすぎて…。

3つ目は、なんだろうね。
よくあるのが、壁に死体を持たれかけさせといて…ってトリックだけれど、既出ですしね。
ドアに板を釘で打ち付けていた訳は無いので、なんらかの物理トリック濃厚かな。

全てが解明された訳ではないので、あまりにも結論を急ぎすぎだと自覚はありますが、それでも、どうもトリックの「質」が低い気がしてなりません。
それは「37歳」が始まって以降ずっとそうです。
なんなら「少年」終盤から感じていましたが、輪をかけてミステリとして質が落ちてきていると感じてます。

天樹先生は「物理トリックは驚きが少ないので、使いたくない」「心理トリックを使っていく」という主旨の発言を繰り返し残されてきました。
それが近年(ここ10年くらいって言っても過言じゃないと思ってます)物理トリック偏重気味です。
あくまで印象論なので、実際はそんなことも無いかもですが。

今回心理トリックというワードは使われてこそいましたが、効果的かと言えばそうではなくて。
読者としてはいくつ「騒霊の仕業と思える現象」を積み重ねられても、本当に幽霊の仕業と考える訳は無いんです。
登場人物しか誘導できてない心理トリックを使われても、驚きには一切繋がらないのが本当に残念だった点。

9巻の完結編で、こんな偉そうにしてる僕をあっと驚かせてくれるようなトリックに期待します。

終わりに

すみません。
批判じみたことを書きました。

どんな作家であっても、多読すれば癖が分かるし、慣れても来ます。
天樹先生の作劇に慣れてしまい、驚けなくなってきているというのは、間違いなくあると思います。
しかし、それを差し引いてもミステリとして「おっ」と思えなくなってきてるのが、ファンとしては辛くて。

どんなに言い訳を重ねても、偉そうな物言いには変わりませんね。
すみません。

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