「負けヒロインが多すぎる!」感想

この記事は

「負けヒロインが多すぎる!」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

ラノベ読みの皆様は、どんなペースで1冊読んでるんでしょうか。
ネットの海を揺蕩っていると、信じられないくらいの多読をしてる方が結構いらっしゃって、どうやってるんだろうとただただ不思議です。
僕は読むのが大変遅いのだと思う。
1日1冊が精々なので。
速読を身に付けたら、もっともっとラノベを読めるんだろうなぁ。

そうありたい。

何が言いたいのかと言えば、シリーズを複数読んでると新刊の発売日が重なってしまって大変なんだよというお話。
今月はガガガ文庫とMF文庫Jが重なって、いっきに4冊も積読状態に。
オリンピックの連休があって良かったわ…。

はい。
4冊中2冊目に読む本として選んだのが、新シリーズとなるこちらでした。
殆どしないイラスト買いってやつです。
画集を購入する程のいみぎ先生ファンとしては、外せなかった。
ラブコメ好きとしても食指が動いたので、早速読みましたので感想です。

負けヒロインが好き

負けヒロイン。
ラブコメには必ず出てしまう、主人公に振られてしまう女の子の総称。
そこにスポットライトを当てちゃうところが素敵。
イラスト、ラブコメに続いて、僕が今作を読んでみたいと思った動機の1つなのです。

僕自身ラブコメを読んでいると、メインヒロインよりもサブのヒロインを好きになる確率がとても高い。
無難に正統派になりやすいメインヒロインよりも尖がった個性を持ちやすいサブヒロインの方が魅力的に見えるからだと自己分析しています。

万人受けを狙った子より一部をターゲットにしたかのようなこの方が輝いて見えるんですよね。

だから、負けヒロインと言いつつ正統派ヒロイン像をしてたら、それは違うだろうと言いたい。
しかしそれは杞憂でしかありませんでした。
まさしく。
まさしく負けヒロインだった。

ところで、1巻(2巻が出ると確信している)に出てくる負けヒロインは3名。
個人的に「ここぞ」という点を押さえて紹介してみたい。

メイン負けヒロイン

先ずは負けヒロインの中でもメイン格。
こう書くと、負け続けるヒロインみたいになるのが悲しいが、仕方ない。
表紙も飾っている八奈見杏菜。

一歩間違えると最低なヒロインになるところ、ギリギリの瀬戸際で踏み止まっている負けヒロイン。
一度ならず二度も所持金が足りませんでしたは、ドジでは済まされない一線を越えてるよねw
しかも、代金は手作りご飯作ってくるから、それで代わりにしてとか。
(その初日が、理由があるとはいえ市販のサンドイッチとか酷すぎだったしw)
かなり斜め上の発想をする子で、流石負けヒロインという思考をお持ちでしたw

ただ、主人公のご飯に対する評価を素直に聞き入れちゃうところとかは、マイナス分を大きく取り返す高ポイント部分。
というのも、主人公は主人公で杏菜のことを好きでも無いし、ポイント稼ぎにも行ってないから、割と辛めのジャッジを下してるんですよね。
馬鹿正直に300円とか付けちゃう。
今時学食でも300円で昼食は食べられないでしょうに、それを聞いて杏菜も受け入れるし、喜んですらいる。
ここで「低すぎふざけんな」とか言い出してたら好感度ダダ下がりでしたが、文句言わずに受け入れてたところが、とっても良かったですね。

片思いの幼馴染を”横取り”していった”親友”に対して主人公の前で悪口言ってるところも人間味があって好きだなぁ。
潔く受け入れて祝福してたりすると、人間が出来すぎてて気持ち悪いですし。
恨み言の1つ2つ言ってる方が、個人的には好き。
悪口の内容については、コメディにふり幅振るのであれば、もっと過激でも良かったとは思います。
その方が杏菜のキャラも際立ったでしょうし。
けれど、好感度を優先したのかマイルドに終始していたので、この点は好みが分かれそうですが。

おバカ系元気満点スポーツヒロイン

2人目の負けヒロインは焼塩檸檬。
凄い名前だw
一発で覚えられたw
こんがり健康的に焼けた肌が眩しい元気印のスポーツ少女。
こういう子って、何故か負けヒロインになりやすいよね。
不思議。個人的には、どストライクなんだけれどな…。

そんな訳でさ、アホなところも含めて、人懐っこいところとかも全部が全部個人的にはメインヒロイン級なんだよね(汗

「ダメな部分」が見えてこないから、さて紹介が困った。
まぁ脳筋(まではいかないけれど)キャラは、メインになり難いから、そういうところが負けヒロインたる所以なのだろうなぁ。

負けヒロインの定義をしっかりと持つ人見知りヒロイン

3人目は、小鞠知花。
暗くて、人見知りで、スマホで会話してきて、おまけに腐り気味。
メインヒロインが持ちえない要素をこれでもかと分かりやすく持たされた女の子。

だけれど、「負けヒロイン」には1つ大事な要素があるんです。
どんなに会話が不自由であろうとも、告白だけはしっかりとすることです。
告白もせずに玉砕するヒロインだっているけれど、彼女たちは「負けヒロイン」という枠に一括りにはしたくない。
僕個人の見解としては、ちゃんと告白をした上で振られる儀式を経てこその「負けヒロイン」。

自分の力で戦ったからこそ、頑張ったねと慰めたくなるし、応援したくなるんです。

知花は、スマホが無いと十分な会話を成立させられないにも関わらず、きちんと自分の口で告白をしていました。
しかもですよ、勝算があったわけでは決してない。
想い人には、別に好きな人がいるし、両想いに違いないと知花だってきちんと認識していたのでしょう。
その上で、それでも想いを遂げた。
凄いよね。ビビりの僕には、決して真似できないこと。
負け前提で臨んで、その通り負けてしまって、「(恋敵に)少しでも勝てた」と胸を張る。
良いじゃない。

今後はどうなる?

こうやって書き出すと、杏菜の負けヒロイン度合いが凄いな…。
流石負けヒロインの中の負けヒロインw

はてさて、3人の負けヒロインの負けっぷりを、期せずして見守ることとなった我らが主人公の温水和彦君。
色々と誤解されていた彼は、交流を深めていく中で、自然と3人の少女の心の中にも居場所を作っているようで…。
随所にフラグが見え隠れしていましたけれど、今後はどうなるんでしょう。

普通に誰か1人とくっつくのか。
はたまた、別の男キャラを好きになっては振られるということを繰り返していくという前代未聞のラブコメとなるのか。
タイトルを守るためには、温水君とのラブコメは禁忌な気がするような、しないような。
どう展開していくのか気になるんですよね。

一発ネタ的なテーマなだけに、2巻の出来がとても大事になる気がします。

檸檬あたりが早々と温水君と付き合って、杏菜がまた負けるという展開が一番面白いかもしれないw

終わりに

ラブコメとして、楽しく読めました。
色々な意味で2巻を読みたいなと思わせてくれる新作。
今後に期待です。

最新情報をチェックしよう!