「幼馴染が絶対に負けないラブコメ」第6巻 感想 シリーズ最高傑作と感じた理由

この記事は

「幼馴染が絶対に負けないラブコメ」第6巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

電撃文庫の2月刊の中で、唯一発売日がずれてしまった本作。
遂に発売となりましたので、早速読了。
面白かったので感想を書きます。

真理愛の株がグンと上昇したよ!!

勘違いしていた。

5巻の感想で、3人のヒロインが横一線に並んだとかデタラメを書いてました。
「本当に読んだの?」と疑問を投げかけられても何も言い返せません。
確かに真理愛だけは、他の2人よりも一周遅れていましたね。
真理愛からのアプローチが強すぎる故か、僕の中で正ヒロイン扱いしてしまってました。

本当のところヒロインになれていなかった。
なのに、ヒロインとして見做していた。
本編の真理愛の立ち位置と僕の中のイメージのズレがあって、それ故に僕は真理愛に良い印象を持てないでいたんだ。
後から出てきたのに、黒白2人と同格然としていたのが納得できなかったのですが…。
そうか。僕自身の勝手な思い込みが原因で、真理愛を正確に見れていなかったのか。
これは大いに反省ですね。

という訳で6巻は、この僕の勘違いを正してくれたという意味でも意義がありました。

感想だよ

僕がエンタメ作品を面白いと感じる理由はいくつかあるのですが、その1つにキャラクターの行動と心理が一致していると感じた時というのがあります。
それが物語にも密接にリンクしてくると、より強い面白味を覚えます。

今回は、真理愛の両親との問題と演劇対決を軸にしていた訳ですが、この2つの要素がどう絡んでくるのか終盤まで全く読めませんでした。
正直関係なく終わるのでは位まで思っていたので、終盤にしっかりと合流し1つのゴールへと進んだ時は、心の中で喝さいを叫んでましたね。
しかもその切っ掛けが真理愛だったのが、凄く納得感を生んでたんですよ。

トラウマになっていた両親の存在。
唐突に再会を果たし、金の無心にあい、心を摩耗し続けた真理愛。
彼女自身隠しきれていたはずのダメージが、彼女の演技に深く影響を及ぼしていたというのは、非常に分かりやすかったですね。
僕自身演技経験も無いし、知識も皆無なのですけれど、このロジックは分かりやすかった。

昔と今では違う。今は役者として一人前になったし、両親に立ち向かえる。
この自信からの「両親に負けたくない」という強い想いが演技に出てしまっていた。
これは「利己的な演技」であり、だからこそ、求められていた「利他的な演技」が出来なかった。

声を聴くだけですくみ上るほどの恐怖心を植え付けられていたからこそ、抑えられないほどの強い想いが出てしまい、知らず演技に影響が出てしまった。
納得のロジックです。

真理愛の心理を中心に起きつつ、演技勝負の行方から末晴の未来、さらには黒羽の思惑まで絡めて、一本の筋道に整えたプロットは、個人的にはシリーズ最高傑作だったと思います。
バラバラなピースを、理路整然と結び付けて1つの物語に構成した手腕には感服しかない。
キャラクターの心理は納得出来、感情移入も出来るしで、文句のつけようがありませんでした。

終わりに

最初にも書いたけれど真理愛の株がグンと上がりました。
ヒロインレースがますます興味深くなったなぁ。
ということで、次巻志田シスターズ襲来か!!
5巻の感想で書いたような大逆転の布石となるのか?
注目していきたいです。

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