「青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない」感想【青ブタシリーズ第13巻】

この記事は

「青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない」の感想です。
ネタバレあります。

ショックです

あとがきの最終章突入の一言に心折られました。
確かに大詰め感はありますけれど、もう少しこの世界観に浸っていたかった。

か、感想です。

感想:寧々の物語

咲太との接点が薄いヒロイン・岩見沢 寧々の思春期症候群にまつわる物語。
一方で咲太は、「麻衣の危機」の謎の解明と阻止に奔走するという2重構造でした。
ということで、感想も分けて書きますね。

先ずは、寧々の物語。

どうしても咲太との関係性が薄いから感情移入しにくかったけれど、丁寧にバックボーンを描いてくれたこともあって、拓海が寧々を思い出したシーンは普通に感動。
ただまぁさらっとはしていたかなぁ。
「何故トロフィーを見て拓海が寧々のことを思い出したのか」の動機付けが弱く感じました。
この辺りのドラマがあったらより感動出来たと思うのですけれど、難しいところですよね。

「寧々の物語」って話の性質上、言葉を選ばなければ「より大きなドラマの為の踏み台」でしかないですからね。
咲太と直接的な関係性の薄い女性だし、ともすれば、終盤に出てきた大勢の「霧島透子達」とそう大差が無い。

「霧島透子の正体」という大命題に迫るための「通過点」でしか無い訳で。
これ以上の肉付けは、話の焦点がぼやけるという判断がされていてもおかしくないなぁとも感じるのです。

ということで、寧々については「必要最低限」で、けれど、しっかりと感動したという点で満足です。

感想:霧島透子の正体

咲太は相変わらず麻衣命で惚れ惚れしますね。
自らを省みないところは猛省してほしいところですけれど(汗
とはいえ、「何の力も持たないただの大学生青年」だからこそ、その行動力には感服です。
愛の力は偉大だなぁって咲太を見てるとつくづく思いますね。

さてさて、霧島透子の正体。
一段と分からなくなりました。
よもや「自称・霧島透子」がいっぱいいたとは。
読んでる途中で、寧々が透子で確定かなと考えていたので、余計に驚きました。
男の霧島透子の部分は笑えばよかったかなw

いや、違うか。
笑うとこではないか。

女性は兎も角「男も自分を霧島透子と認識している」点は、何気に重要だったんじゃないかな。

それこそ思春期症候群の力といえば納得するしかないんだけれど、「女性である霧島透子だと思い込む」ことはおかしく見えます。
彼らにとっての「霧島透子」は女性では無くて、男なんじゃないかな。

霧島透子という存在自体が思春期症候群であり、聞くものによって「声」が異なる。
そう考えると、寧々を霧島透子だと認識”させられた”咲太は、寧々の歌声が透子の歌声に聞こえてしまうのも不思議では無い。

整理すると、
Aさんが動画なので「霧島透子の正体はBだ」と認識した場合。
その時点から「Aさんにとっての霧島透子の声」はBさんに上書きされると。
かつ、そういう認識を持たれていると自覚したBさんも「心に大きな悩み」を抱えていた場合「自分が霧島透子だと思い込む」思春期症候群に罹患。
第1段階として、周りから「Bとしての存在」が消え、次第に霧島透子としての人格が芽生えてくる。

こんな感じ。

さて、「初めに世の中に霧島透子として歌を発表した」人物がいるはずです。
オリジナルの霧島透子ですね。

じゃあ誰か…って考えるまでもなく、消去法で美東美織だよね。
寧々を認識できたのは、大元の思春期症候群の発症者だから。

んな訳で、最後のヒロインとして、美織の物語が綴られるんではないかなという予想でした。

終わりに

あと2巻くらいかな…。
次で最終巻だったら、流石に泣く。
2巻以上続いてプリーズ。

ちなみに、麻衣に似たランドセルガールの正体は不明ですwww
ぶっちゃけ僕にとっては一番の謎なんだよね。
なんなんだろ?あのミニ麻衣は。

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