「リコリス・リコイル Ordinary days」感想

この記事は

ラノベ「リコリコ」の感想ですよ。
アニメの方のネタバレもあります。

はじめに

ラノベと映画の感想しか書いてないですけれど、漫画もアニメも見ています。
たまにはそちらの感想も書きたいなと思いつつ、今回もしっかりとラノベの感想です。
けれど、待ってください。

今日はラノベだけれど、オリジナルアニメのノベライズ。
ということで、実質アニメ感想記事!!

…無理があるか。

さておき、この夏はアニメライフが結構楽しい。
毎週ドキドキワクワクと楽しみにしている作品が片手では数えられないくらいと言う久々に嬉しい日々を過ごしています。
その中の1本が「リコリス・リコイル」。

「WORKING!!」の時から推しているアニメーターの足立さんの初監督作品。
「この美」のいみぎむる先生がキャラクター原案。
…昔「ベントー」のアニメやってたなぁ……。

ともあれ放送前から「これは確実に見よう」と目を付けていて、実際メッチャ面白いアニメの初のノベライズですよ。
買うっきゃないということで、早速読破して、やっぱり最高だなぁと思った次第。
感想です。

最高のノベライズと感じた理由

最高のノベライズだった。
何故か。
理由は明確なのです。

「読みたい時間軸のお話」がそこにあったから。
そう。たったこれだけのことなのです。

なんでもそうだけれど、キャラクターを気に入いる作品だと、どうしたって「メインキャラクターが勢ぞろいした時間」ほど楽しいことはありません。
物語開始当初は、大抵揃ってない訳ですよ。

今作だって勿論そう。
第1話時点で、喫茶リコリコに居たのは、千束、ミズキ、ミカの3人だけ。
たきなは、第1話で「左遷」させられてきて、千束やリコリコの環境を受け入れるのはやっとこそ第3話になります。
もう1人のメインキャラのクルミは、2話で喫茶リコリコを隠れ家にし、正式に仲間になった感は6話かな。(個人の見解です)

クルミが「仲間」になったタイミングは置いておいて、この手のノベライズに僕が「求めてない」のは、過去の物語なのです。
本編でさえ過去回想って苦手なのに、折角の「アニメのこぼれ話」が過去回想なんてつまらない。
そうじゃないぞと。
一番読みたいのは、メインキャラクターがワイワイガヤガヤしている姿なんだ…と。

基本的には、客の視点で「喫茶リコリコの日常」を描くというコンセプトでしたけれど、メンバーは全員集合。
時系列的には、3話と4話の間なのかな?
多分その辺。
なんにせよ、全員が揃っている時間軸のお話でした。
もうね、それだけで最高だよね。

アニメでもこういうお話を見たかったという日常を切り取った連作短編で、非常に満足いく内容でした。
てか、錦糸町の喫茶店巡りしたくなったw
銃火器の描写はマニアックすぎて付いていけなかったけれど(笑)、グルメ描写がどれもこれもヤバかった。

イントロダクションからモナカのくだりがあって、美味しそうと直観的に思えたのが、その形の描写。
「円柱(スティック)状」ってとこ。
最初読み飛ばしてたけれど、改めて考えたら普通じゃない。
普通は円盤状だし、確かにそうなのよ。
モナカって食べると口の端に粉が付くのよ。
それを無くすために円柱状になっているって書かれていて、そういう工夫が施されているって思えると味も良いんだろうなぁって想像しちゃう。
おはぎのところもそうだし、やたらとグルメ描写に力が入っていて、マジで喫茶店巡りしたくなった。

「なるほどね」と唸らされたさりげない設定

アニメ本編では語られなかった設定の数々がさりげなく披露されているのも、当ノベライズの特徴。
その中でも、僕が一番納得しちゃったのが、リコリスの制服について。

改めて振り返ってみれば、学校の制服なのは「変」だわ。
なんの疑問も持たずに「そういうもの」として受け入れてたけれど。

女子中学生~高校生くらいの女の子が日常に溶け込んで、人知れず犯罪者を消していく。
存在自体が秘匿された謎の組織とリコリスという女の子達。

それを可能としていたのが学制服だったのね。

学校の制服はある種フォーマルかつ、日常服なのだ。
どこにいても違和感のない魔法の服。
そして幼さ、若さを強調する服。
だから、街のどこにいても誰にも警戒心を抱かせない、何をしていても目立たない。

アサウラ. リコリス・リコイル Ordinary days (電撃文庫) (p.58). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.

夜中に制服で街中に居たら流石に違和感かもだけれど、「第5話 ご注文は?」内で「東京だから」で納得させられちゃうものだから徹底している。

設定の説明を随所に挟みながら、それが無理なく物語に溶け込んでいるので、邪魔にならないどころかスルッと世界観を理解させられてしまいます。
こういったところも、ノベライズとしての面白さを高めてくれていました。

終わりに

これ、第2弾書いてくださいませんかね。
発売前に重版が最低2度は掛かったんですよね?
そんな記事、見かけましたよ。(読んでは無いから確証はありません。悪しからず)
売れ行きも見込めるでしょうし、是非出して欲しいものです。

それと、アニメは2期ください。そちらも待ってます。

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