「りゅうおうのおしごと!」第15.5巻~髪を切った理由~ 感想

この記事は

「りゅうおうのおしごと!」第15.5巻の感想です。
ネタバレあります。

電子書籍限定の短編

15巻で突如髪を切ったあい。
彼女はどういった理由で髪を切ったのか。
語られなかった14巻と15巻の間のお話。

だから、タイトルは本当は14.5巻が正しいよねw
感想です。

感想です。

あとがき読んで少し腑に落ちなかったけれど、「髪を切った理由」は15巻執筆時には具体的に構想されていたわけではないっぽい?
それこそ本当に「長かった髪をバッサリ切ってイメチェンするのも、アリアリだよね?」ってたまよんが述懐していた程度のことしか無かったのかしら。
けど、しらび先生のイラストを見てメラメラと創作意欲が燃え上がったと。

僕は作家でも無ければ、趣味で物書きをしてるわけでも無いんだけれど。
もっと言えばクリエイティブな事もしたこと無いけれど。

超分かる。
分かるわぁ。

だって、それほど、髪を切ったあいのイラストは破壊力が凄まじかった。
カラーイラストも口絵も、なんなら人物紹介のカットですら可愛かった。

何故髪を切ったのか。
そこにストーリーを与えたくなるのも道理ですわ。

で、で、楽しみにこの短編を待っていた訳ですけれども、流石流石の一言。
「髪を切った理由」では無くて「髪を切らなかった理由」で物語を作る天才作家現れる。

最初から構想してあったかのように、自然とあいの心情と髪の毛のエピソードが溶け込んでいる。
本当にイラストを発端に後付けで書かれたのだろうかと疑わしくなる程度には、違和感が仕事すらさせてもらえてない。
「後ろ髪を引かれる」ということわざを引用しつつ幕を開け、特徴的な長い黒髪なら「日本一利用客の多い駅」でも、後ろ姿でも自分を見つけてくれるかもしれないという心情を語り、そんな未練を絶つという意味でバッサリと髪を切ってもらう。
1人の少女の迷いと弱さ、そして、力強い一歩を踏み出すまでの様子を「髪型」だけで見事なまでにドラマに仕立てられていました。
15巻で珠代からして堂々とした態度に見えたあいへとちゃ~んと繋がるんですよね。

んでさ、これだけでも十分に成り立っているのに、そこへ親子の話を盛り込んでくるというサービス精神に感服。

あいの母は厳しいという印象がやっぱり前面に出ていたキャラでしたが、「実は娘の夢を応援していた」という一面をサラッと見せることで、意外性とキャラに厚みを持たせていて、まさしくあとがきにある通りの「本編から零れ落としたキャラの肉付け」だなぁと。
あいの母のキャラを(本編で描かれている以上に)立たせる必要性は本筋から考えると無いだけに、このエピソードは外伝ならではだし、だからこそ贅沢感を覚える。
電子版だけとはいえ、こうして商業で出してくれて、読ませてくれてありがとうございますって気持ちになる。

僕はやっぱり白鳥先生の物語構成が大好きなんだなと痛感しました。
こんなにも短いお話で、満腹感を覚えるんですもの。
面白かったです。

終わりに

本編は残念なことに、あと1、2巻を残して完結っぽいですが、このような外伝は機会あればまだまだ書いてくださるとあとがきから読み取りましたので、どんどんと出してくださることを期待しています。

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