平坂読作品を読んで痛感するラノベにおけるキャラクターの重要性

この記事は

「妹さえいればいい」13巻の感想を兼ねたものです。
ネタバレを含みます。

遂に最終幕ですね。寂しい

ガガガ文庫もkindle版(電子書籍)が紙版と同時発売になっていたことをすっかり忘れてました。
たまたま旅先で気づいて、そのまま旅行最終日に喫茶店に入って読了しました。

いや~、やっぱりしんみりとしちゃいますね。
もう終わりなんだなと言う空気感が強くて。
その中でもクスクスと笑わせてくれるのは、流石だな~と。
僕としては彩音ががっつりと出て来てくれたのが嬉しかったです。
伊月の過去シーンと再会シーンくらいしか出番のなかった彼女ですが、高校生時代の彼女の可愛さにコロっとやられた僕は、本格的な登場を願っていました。
(そうそう、アニメでも可愛く描写されていたのは嬉しかったなぁ)

そしたら、京の上司兼教育係として出て来てくれたので、嬉しさ倍増でした。
京は千尋と並んで好きなヒロインですから。
回想時と変わらずに、今も明るくフランクな彩音でいてくれて、そこも最高でしたね。

てなわけで、京周りの物語でしっかりと笑って・楽しんで。
けれど、ページをめくるごとに終わりに近づいている気配が色濃くなっていたので、そこは寂しさはどうしても感じちゃいました。
あとがきでは、次回作についても触れてましたしね。
その新作ですが、まだまだ企画書の段階でしたが、6つも並んでました。
この中から読みたい作品をアンケートで募るというのは、なかなか斬新なアイディア。
「この中から選ぶとは限らない」という条件付きではありますが、どれが本採用となっても面白く書く自信があるのでしょうね。

普通なら「おお!ことばの意味はわからんがとにかくすごい自信だ!」とへのっつぱりはいらんですよ的な名言を使いそうになりますが、僕は「平坂先生なら、どんな企画でも面白くできちゃうんだろうな」と信じちゃえるんですよね。

何故って、2作連続で面白いと思える作品を書いてくださっているからです。

ラノベはキャラが核

よく漫画談義とかで俎上に「漫画は何が一番大事か」みたいなのが載るじゃないですか。
これきっと人によって答えは違いますよね。
話が大事という人もいれば、絵が一番だという人もいる。
キャラクターこそ最も重要だって考える人だって勿論いて。
漫画の場合は、コマ割りなどの技術も必要なので、そういった点を重んじる考えだってあるかもしれません。
僕自身、これを問われると答えにつまって、結局「全部大事」とか玉虫色の返答しか出来ないと思う。

ただ、ラノベでははっきりと言えて、一番はキャラクターであると考えています。
文章の上手さとかプロット(ストーリー)だって大事だけれど、それ以上にキャラクターに魅力があることが大切。

やっぱさ、面白いキャラクターが活き活きとしながら物語を紡いでいってる作品の方が、キャラに魅力が無い作品よりも読んでいて楽しいですもの。
キャラクターの内面的な魅力はとっても重視しています。
それというのも、僕の中で、イラストから受けるキャラの外面的な魅力が副次的な要素に留まっているからですね。
キャラクターの魅力の殆どは、性格や喋り方、内面描写で受け取って、外見情報はあくまでも補足的な要素としている。
キャラの内面に魅力を感じているからこそ、作品の面白さに占める割合も自然と高くなるのです。

さらっと大事だよねと書きましたけれど、書く側からすればとっても頭を悩ませることなのではないかと思うのです。

というのも、1つ長期シリーズを完結させると、そこでキャラクターを「使いきっちゃう」作家さんって割といらっしゃいます。
最初のシリーズでは滅茶苦茶魅力的なキャラクターが多数出てくるのに、次に立ち上げたシリーズになると没個性なキャラクターしか出てこなくて、ガッカリするんです。

そこいくと、平坂先生は本当に凄いです。
前作「はがない」は、魅力的なキャラクターに溢れていました。
好きな順に羅列しますと、
星奈
小鳩
幸村
理科
マリア

…ごめん、夜空は苦手でした。
ざっと挙げても、これだけのキャラクターを可愛いと思えて、彼女たちの物語を心から楽しんでいました。

多数のキャラクターを出しながら、印象のだぶらないキャラクターを「妹さえ」でも多く出してくれています。
同様に好きなキャラクターを挙げてみましょう。
千尋

彩音
青葉
春斗
伊月
那由多
幽、アシュリー
土岐
意味もなく挙げてみましたけれど、こんな感じかな。
女性ばかりなのは、僕が男なのですみません。

好きなキャラクターが恋をしたり、努力したり、悲しんだり、嬉しんだり。
群像劇と言う形式もピッタリと嵌るのでしょう。
兎も角、物語をも楽しめるんですよね。
ずっと彼らの物語に触れていたくなる。

「はがない」以前の作品を未読なので、大きなことは言えないのですけれど、僕の中では「2作連続ヒット」の平坂先生。
しかも、どちらもキャラクターの魅力で面白いと感じれている。
故に、次にどんな作品であれ、僕はキャラクターを好きになり、物語を楽しめるのだと確信しているのです。

敢えて言おう。百合がいいと。

事実上のなんでも付いていく宣言したくせに、「〆切前には百合が捗る(仮)」を推すという矛盾っぷり。
日常系百合コメディ。
良いじゃないですか!!!
那由多×京のリベンジですね!!
ちらっと垣間見せてくれた百合を本格的に書いてくださるのなら、これに勝る企画無し!!
京も出てくるのなら、尚更読んでみたいです。

勿論その際はカントクさん続投は必須ですが、是非この企画での新作をガガガで読みたいです。

ただ、その前に「妹さえ」最終巻。
「まさか千尋と春斗妹がくっつくとは!!」と言える3年後に期待ですね。

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