この記事は
「ブラック・ウィドウ」の感想です。
ネタバレあります。
1年の時を経て遂に公開へ!!!
新型コロナウイルスの影響を受け、3回もの延期を経て、いよいよMARVEL映画が劇場に帰ってきました!!!
Disney+の「ワンダヴィジョン」で幕を開けたフェーズ4の「当初の幕開け作品」であり、映画としては文字通りオープニングムービーとなった本作。
まさに「これを待ってました!!」というマーベル映画らしい映画でした。
ネタバレありで感想を書きます。
継承
サノスとの死闘を以て、「MCU」は大きな区切りを迎えました。
多くのヒーローが去り、物語は新たな世代へと移り行く過渡期に入っています。
フェーズ4は、新世代のヒーロー達の初顔合わせとなるのでしょう。
事実、多くのヒーローの引継ぎが行われています。
「ワンダヴィジョン」では、2人の息子であるビリーとトミーの双子が初登場。
原作では、ビリーはウィッカン、トミーはスピードという名前のヒーローになります。
更には、モニカもスーパーパワーを発現させました。
彼女は2代目キャプテン・マーベルになるようで、「The Marvels」に登場予定となっています。
「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」では、ファルコンが2代目キャプテン・アメリカを継承しました。
声まで2代目に継承して欲しくなかったのですが…。
予定されている作品では、「ホークアイ」で2代目ホークアイが。
「シーハルク」では2代目ハルク、「アイアンハート」で2代目アイアンマンの登場が確定しています。
つまりは、ソーを除くアベンジャーズオリジナルメンバー全員が代替えを予定しているわけで。
「じゃあ、ブラック・ウィドウは?」というのが、この映画がフェーズ4に割り当てられた答えなのかなと思いました。
「エンドゲーム」で命を落とした彼女の過去が、何故フェーズ4の最初に割り当てられていたのか不思議で仕方なかったのですが、見終わった今となっては納得ですよ。
ナターシャの妹(血は繋がってないけど)のエレーナは、良いキャラしてた!!
彼女との繋がりの濃さや戦闘力、美貌とどれをとっても2代目に相応しい。
面白かったのが、ナターシャの決めポーズを弄っていた点。
こういうところにコメディ要素を込めてくるのがMUCの良さよね。
「片腕を(地面に)着いて、髪をばさぁとやる決めポーズ」とか「カメラを意識してるよね」とか笑うしかないw
姉妹の光と影を際立たせるセリフに仕立てられていて、ただのセルフパロディになってないところがミソなんだけれど、個人的にツボったのはエレーナもクライマックスで決めポーズしちゃったシーン。
うっかりと姉と同じポーズを取ってしまって、「やっちまった」的なギャグとして処理されていたけれど、これぞ「継承式」だよね。
ブラック・ウィドウと言えば、確かにこのポーズなんだよ。
製作側が勝手に決めポーズだと決めつけているわけでは無くて、少なくとも僕にとってもブラック・ウィドウを象徴するポーズだったもの。
この点は、多くのMCUファンも同意してくれると思ってる。
そんな象徴的なポーズをしっかりと妹に取らせている時点で、2代目は決まったようなものだよね。
どうやら原作でも実際2代目になってるようなので、MUCでも問題なく2代目に成れると思うのですが…。
不穏なのは、ポストクレジットシーンでエレーナにクリント暗殺指令が下ったこと。
確かにナターシャが死んだ際に一緒にいたのはクリントだったけれどさ…。
ナターシャを殺した訳では無いじゃない。
素直にエレーナが指令を遂行するとは思えないのだけれど。
この続きは「ホークアイ」になりそうですね。
(不思議なのは、誰がクリント暗殺依頼をしたのか。ナターシャと一緒だったという事実を知っている人間はごく限られているのだけれども。ほぼほぼ身内だし。
まさか、クリント自身が依頼出したとか?あり得るんだよなぁ・・・。)
家族
「エンドゲーム」でナターシャは何故命を投げうったのか?
その理由が明かされるというのが、今作の宣伝文句にもなっていました。
この辺は、非常にシンプルに示されていて、好感触。
分かりにくい説明や心理を言われてたら、納得してなかった自信ありますもの。
必ずもやもやが残って、「で、何故死を選んだの?」ってなってた。
偽りの家族との離散と再会と再生。
大きな軸となったこの点も家族に固執する理由になってましたけれど、やはり一番大きかったのは、実母のことなのでしょうね。
捨てられたと思っていた実母が、実はそうではなくて、むしろかなりの執着を見せていたという事実。
本当は実母に愛されていたのだという実感があって、だからこそ、家族に強い執着を抱いたんだろうなと。
2重3重に理由を重ねていたからこそ、余計にナターシャの家族への想いの深さに納得させられました。
アベンジャーズを家族同然に想っていたことは既に語られていたので、今作が最大の補完となりました。
ブダペスト
「アベンジャーズ」と「エンドゲーム」でホークアイと交わしたブダペスト。
ドナウ川を挟む形で存在するハンガリーの首都。
昔観光で訪れたことがありますが、良い街でした。
昔は川の西側をブダ(とオーブダ)、東側をペストという別々の町だったのが、合併してブダペストになったという冗談みたいな話を聞いたのが強く印象に残ってますw
話が逸れましたが、10年越しに些細なセリフの謎が解かれるとは。
これも公開前に宣伝で触れられていたことですが、今回の話の中核にガッツリと組み込まれてるとは想像してなかったのでビックリでした。
「アベンジャーズ」の頃はここまで詳細な設定は無かったんだろうなぁ。
過去作の些細なセリフを拾い上げて伏線に仕立て、新たな物語を構築出来てるのは、ファイギがシリーズ全体を統括しているからなのでしょうね。
終わりに
いや~面白かった。
分かりやすいんだけれど、しっかりとキャラクターの機微を描写しきった脚本。
MCUならではのド迫力な映像。
コメディ要素もふんだんに取り入れて、飽きさせない作り。
まさにMCUが帰ってきたと実感できる映画でした。