「ドクター・ストレンジ/マルチ・バース・オブ・マッドネス」ネタバレ感想

この記事は

「ドクター・ストレンジ/マルチ・バース・オブ・マッドネス」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」に続くMCUの大作映画。
ストレンジは、今後のMCUのメインを張ってもらわなくては困るヒーロー。
BIG3で唯一生き残ったソーも場合によっては、次作で引退しちゃうかもだし。
スパイダーマンは皆の記憶から消えちゃうし。
ブラックパンサーは、チャドウィック・ボーズマンさんが亡くなってしまうし。
新ヒーローばかりじゃなくて、やっぱりサノス戦を戦った、かつ、主戦を戦ったヒーローがリーダーに立って欲しい。

そこで、ストレンジですよ。
彼が主役の単独映画第2作目。
見てきましたので感想です。

「ワンダヴィジョン」は予習必須

前々から言われてたけれど、「ワンダヴィジョン」はマジで見ておかないとダメですね。
これを見てるかどうかでワンダへの感情移入度が大きく変わってきます。

ヴィジョンを失い、我を忘れて町を支配し、「夢の家族生活」を作り出したワンダ。
そこで「生み出した」2人の息子との別れが、彼女を変えてしまい…。
「ワンダヴィジョン」で危惧していたワンダのヴィラン化が、最悪な形で現実になってしまいましたね。
これはもう予告編の上手さだよね。

ワンダは味方について、メインヴィランは別バースのストレンジだと思い込ませておいて、ワンダことスカーレット・ウィッチがメインヴィランでしたと言うオチ。
予告編で「良かった~」と安心しきってたら、案の定の展開に「やっぱりそうなるのかぁ」とショックを受けて。
掌の上で転がされることさえも楽しみの1つだから、これは決して悪い意味では無いのだけれど、辛かったのは確か。

でもね、分かるんだよね。
苦しみが。闇落ちした経緯が。
それに本意からヴィランになったわけでは無くて、とっても悪い本の影響。
スカーレット・ウィッチとしても最後の最後で過ちに気づき、悪い本の「全て」を滅し、その元となる「玉座」ごと消えたワンダ。
切ない、あまりにも切ない最期。

死んでしまったと明言されてないから、まだ生きている可能性はあるので、どうか生き残っていて欲しい。
だって、そうじゃないと「ホワイト・ヴィジョン」の伏線が活かせなくなってしまう。
それに、将来ヒーローになる2人の息子達もMCUに登場させられなくなるしね。

ワンダには、生きていてもらって、今回の罪を償う為にも改めてヒーローとして活躍していって欲しい。

「ホワット・イフ…?」も見ておいた方が良い

原作はまるっきり知らないので、登場してもポカーンとしていたのですが、イルミナティが登場しました。
結構重要なチームみたいで、各方面のリーダーが揃っているとか。
ということで、ググってみてメンバーについて調べてみました。

参考とさせていただいたのが、こちらの記事
ネタバレ解説 イルミナティのメンバーは? 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』

知らなかったメンバーでは、最初にあっけなく殺されてしまったブラックボルト。
ABCテレビのドラマシリーズ「インヒューマンズ」からの登場だったのですね。
知ってたら驚けたのになぁ。悔しい。この面白キャラ誰としか思わんかった。
デアデビルやキングピン同様、これまでMCU扱いされておきながらも合流してこなかった作品群もフェーズ4で本格的に参戦してくるようですね。
とはいえ、矛盾等もあるようなので、殆どのシリーズがリブートされるのでしょうけれど。
俳優陣は基本的に続投っぽいなぁ。
インヒューマンズ繋がりでデイジー・ジョンソンもいつか合流して欲しいな。

他のメンバーは基本知っていました。
「ドクター・ストレンジ」から”続投”のモルドは当然として。
「ワンダヴィジョン」で死亡が語られていたマリア・ランボーが、この宇宙ではキャプテン・マーベルになっていたり。
ミスター・ファンタスティックは、MCU版「ファンタスティック4」の製作が決定しているので、ジョン・クラシンスキーさんがMUC版のミスター・ファンタスティックを引き続き演じられるのでしょう。

そんで、そんで、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアの登場!!!!!
「X-MEN」シリーズで同役を演じ続けてきたパトリック・スチュワートさんが続投。
なによりも大きいのは、プロフェッサーXの登場よりも、その姿。
上記リンク先のサイトにも書かれてるように20世紀フォックス版ではなくて、アニメ版「X-メン」の姿で登場し、登場時のBGMもアニメ版を引用。
つまり発表されたアニメ版「X-MEN ’97」もやはりMUC作品だということですよ。恐らく。
アニメ版でX-MENの紹介・顔見せを行い、当然キャストは演じる俳優陣が担当されるのでしょう。
そして、満を持してMCU実写版「X-MEN」に繋がっていくと。
妄想が滾るわぁ。

とまぁ、色々とこれからに夢を抱けるメンバーでしたが、1人「おぉ!!!」と声を挙げそうになったのがキャプテン・カーターですね。
「what if…?」第1話でMCUに初登場したキャプテン・カーターが実写でもデビュー。
MCUのメイン宇宙では実現しないヒーローだけに、こういった形での登場のさせ方はマルチ・バースならでは。
この辺り、「what if…?」見ておいて良かったと感じた点でした。

実は、他にも「what if…?」を見ておいて良かったと思ったことがありました。

予告で散々メインヴィランかのように表現されていた闇落ちストレンジもその1つ。
クリスティーンを喪って、やりたい放題に暴れてましたからね。
あれに比べれば、今作の闇落ちストレンジは大人しい方だったかなと(汗

中でも、5話の「もしも…ゾンビが出たら」は必見でしたね。
いや、まさか「別宇宙のストレンジの遺体」をクライマックスでああいう使い方してくるとは想像だにしてなかった。
あの姿を見た瞬間に「what if…?」の5話が頭をよぎりましたもの。
そういえば、同話ではゾンビワンダが最強の敵として立ちはだかってました。
そんなところも今作の構造とピッタリ一致していて、一種の布石・示唆になっていたのかもなと思ったり。

傲慢で孤高のヒーローの変化

ややもするとストレンジって誹謗中傷を集めやすいヒーローだよね。
独断専行でことを進めるし、傲慢だし。
他の宇宙で危険視されていたのも理解できるくらい、危うい存在。
実際この宇宙でも、分かっていてトニーを死なせたし、ピーターを救えなかった。
特に前者は知っていて伏せていたし、選択したのだからね。
チャペルで「これしか無かった」と改めて言ってましたけれど、あの質問はトニーのファンの代弁だよね。

世界やより大きなモノの為ならば、1人もしくは小さな犠牲は厭わない。

冒頭のシーンもそう。
全ての宇宙を取るか、アメリカ(・チャベス)の命を取るか。
別宇宙のストレンジは、謝りながらもアメリカを犠牲にしようとしてました。
同じ状況に、この宇宙のストレンジ(文字にするとややこしい)も置かれて、以前のままなら普通にアメリカを犠牲にしてたと思う。

ウォンもアメリカ自身もそれを選択するよう促していましたし。
躊躇することなく実行していたはず。

けれど、そうはせずに、世界もアメリカも救う選択肢を選んだ。
一歩間違えればどちらも喪う可能性だってあるにも関わらず…です。
これは大きな変化だよね。

アメリカによってストレンジは、よりヒーローらしいヒーローに変われたのだと思う。
第三の目を獲得して、ストレンジも闇落ちかと思わせておいてのミッドクレジットシーンには胸をなでおろしましたが。
焦らせやがってw
ともあれ、次の登場では、一層ヒーローらしくなったストレンジとして帰ってきてくれそうです。

「帰ってくる」の一文久々だった

今まで当たり前にあった主演ヒーローの「〇〇は帰ってくる」。
暫く見られなかったけれど、久々にあって嬉しかった。
ストレンジはまだまだ出てくれるし、そうであってくれないと困るのです。

そうそう。
もう1つ、さり気に嬉しかったこと。
ストレンジがピーターのことを覚えている!!!!!
いや、厳密には「スパイダーマンのこと」を知っていたのだけれど、これ同じ意味であると思っていて良いと思う。
今作は「スパイダーマンNWH」の後のお話。
時系列的に、ピーターのことを全ての人間が忘れてしまった後。
それなのに、ストレンジもウォンもスパイダーマンについて言及してくれていた。

ピーターはあの後もスパイダーマンとして活動してたから、それで知っているだけの線も残ってはいるけれど、僕はそうじゃないと勝手に思っています。
ストレンジら高位の魔術師の記憶からはピーターが消えてないのだと。
改めて、ピーターの「復活」には、ストレンジが絡んでくれるのではないかと期待しています。

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