「金田一37歳の事件簿」 第9巻感想

この記事は

「金田一37歳の事件簿」第9巻の感想です。
ネタバレあります。

シリーズ最高からの最難シリーズ

「騒霊館殺人事件」遂に完結へ。
そして、新章「綾瀬連続殺人事件」開幕。

フミが登場したり、ハジメの過去がちらっと垣間見えたりの第9巻。
感想です。

完全に”惹句負け”だった「騒霊館殺人事件」

8巻の感想で、どうもミステリとして宜しくなさそうだと書いたことが、的中してしまって非常に残念でした。
「少年」時代は、最高傑作という惹句に負けない力作を発表してきましたが、今回に限っては完全に負けてましたね。
看板に偽りアリってやつですよ。

第2の密室は、典型的な見せかけの密室。
騒音と殺人を分割していたというのは、誰でも予想できるし、捻りも何もなかった。
第3の密室も予想の範疇を大きく逸脱したものでは無かったかな。
「よく考えられた」とハジメは評価していましたけれど、もっと練りこまれた密室トリックをいくらでも解決してきたでしょうに。
あまりにも面白味のないトリックでした。

唯一「おっ」と思えたのが、物的証拠の見つけ方。
1巻から繰り返し挿入されてきた美雪からのライソのシーン。
「見てるんじゃないだろうな」とハジメが不安になるほど、ハジメの置かれた状況にピッタリの内容で送られてくるので、ギャグ的な扱われ方をしてきました。
だからこそ、スルーしがちになっていたシーンそのものを最大の伏線に仕立ててきたので、意表を突かれました。

この事件だけというより、シリーズ全体を通して積み重ねてきたからこその効果的な伏線で、「騒霊館殺人事件」に於いて唯一良かったところかな。
最後まで辛辣でごめんです。

オカルト的なオチは、まぁ偶にならアリですかね。

綾瀬連続殺人事件

連載時は「あやせ連続殺人事件」じゃなかったでしたっけ???
帯でもそうなってるし、誤植?
変更したのかな?
「イブニング」は次号予告しか見てないから、ハッキリしませんね。

閑話休題。
遂に、フミ登場です。
「少年」のCASE以降では、とんと出番のなくなったフミ。
最後の事件までメインで登場が無かったので、やっぱり寂しい思いをしていました。
アニメ版で出番が増やされていたからというのもありますし、実に印象的なキャラでしたからね。
「37歳」でも登場となって、とても嬉しいですね。

あと、真壁も何気に再登場ですねw
ハジメと変に親しくなっていて笑うんですがw
短編で多少は仲が良くなっていた感ありましたが、基本一発屋のハジメを嫌う嫌味な先輩だったのにね。
ただ、ドラマ・堂本版では佐木と共にレギュラーだったので、妙な懐かしさみたいな感覚もあります。
今後、剣持のおっさんポジでレギュラー入りしても面白い存在になるのかもしれない。

事件の方については、感想無し。
今度こそ、今度こそ「最難」に相応しいシリーズになって欲しい。
ただそれだけです。

やはり玲香なのね…

どんだけ不幸にすれば気が済むのか…。
玲香って可愛そうなヒロインだよなぁ。
ほぼほぼ予想通りではありましたが、ハジメが謎解きをしたくなくなった原因が玲香にあると確定しちゃいましたね。

こりゃ近いうちに本格的に語られるかもですね。

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