「ライアー・ライアー」第13巻 感想

この記事は

「ライアー・ライアー」第13巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

いよいよ大詰めを迎えてるような気がしないでもない「ライアー・ライアー」。
「期末総力戦」が始まりました。
いや、作中では12巻の時点で始まっていたのは承知してますが、緋呂斗が参加してなかったから。

これまで以上の窮地に陥りそうですが、先ずは小手調べって感じの巻だったかな。
さて、感想です。

表紙!!!!!

僕はあまりラノベの感想でイラストについての言及はしない方なんですけれど。
表紙!!!
表紙の破壊力が凄まじい。

先ずはご覧ください。

泉小夜。
彩園寺家を陰から守護する泉家の次女。
高校1年生。
緋呂斗を誘拐した実行犯。
彼女のキャラクターは、一言で言えば「小生意気」。
主人公の事をいじってくる後輩キャラです。
よくある小生意気系後輩キャラと違うのは、小夜は別に緋呂斗に好意を抱いているわけではない点。
その真逆で憎んですらいる。

それはさておき、表紙に目を転じてみます。
背景には今回のメインを張ったゲームを象徴する探偵と怪盗のモチーフの数々を散りばめられています。
カラー口絵でも同様に探偵や怪盗にコスプレをしたヒロインズが描かれていて、こちらも良きでした。

閑話休題。
小夜のことですね。
外見的な特徴として、薄紫色のツインテールと萌え袖。
この辺を確りと再現しつつ、最初の見どころはやはり表情でしょう。
「小生意気」を表情だけで見せるにはどうすればよいのか?
これは個人によって答えは異なるでしょうけれど、この小夜の表情は、僕の答えとピッタリと一致しています。

「困り眉」と「嘲笑」です。
この2つの要素は、どちらか片方だけだと全然違った印象を与えます。
困り眉は、「何か悩んでいるんだろうな」というよりも、気の弱さを感じる描写。
気の強さを求める「小生意気」とは真逆の属性を持っていると思うのです。
また、口元で他人を小ばかにしたような嘲笑は、ともすれば、嫌な印象しか持ちえません。
言葉通り「他人を嘲る笑い」ですからね。
悪印象を持って然るべき表情です。
しかし、この2つを同時に魅せるとあら不思議。

「嘲笑」の悪印象は「困り眉」の気の弱さを打ち消し、「困り眉」の気の弱い感じが「嘲笑」の悪印象を薄めているんです。
結果、「憎たらしいけれど、可愛げのある(憎み切れない)」感じが出るのです。
故に、「小生意気」を表現する表情の1つであると言えます。Q.E.D.

「宇崎ちゃん」の画像を貼れば済むことを長々と語りましたが、つまりそういうことだ。
この表情が好きだ。

顔以外の部分も見ていこう。
体をくねらせて描くのは、女の子をより可愛く見せるためのテクニック。(ってネットに書いてあった)
これによって小夜の「女の子らしさ」が確かに感じられます。

控えめながらしっかりとあることが確認できる胸。
小さな体ながらも腰回りからヒップにかけて肉感があり、そして太もも。
もちっとした太ももが表現されていて非常に良き。
やっぱり食い込み気味のソックスとか至高だよね。

ツインテやスカートにふわっとした動きも加味されていて、ちょっとした躍動感がプラスされているのも好き。

つまり、好き。

「ポム並べ」が最高だった

たいしたこと書いてないけれど、表紙イラストの感想だけで1000文字近く使いました。
ここからは中身に関して。

(ここでカラー口絵も貼って、白雪の横乳のむっちり具合とか皆実雫の太ももの食い込み具合について長々と書こうと思ったのですけれど、著作権的に流石にアウトだろうと理性が勝ちましたので自重します。)

今回はきっと「史上最大の危機」への前振りなんだと思う。
こう書くと、箸休め的な繋ぎの回のように聞こえてしまうかもだけれど、そうは有らず。
かなり贅沢な構成になっていました。

描かれていた決闘はなんと3つ。
「すごろく鬼ごっこ」、「ポム並べ」、そして「FM&S」。
それぞれメインのゲームとして1本長編が作られてもおかしくないほど作り込まれたもの。
特に「FM&S」は、やりようによっては、もっと長尺で描けていたんじゃないかな。
けれどそうはならなかったのは、緋呂斗の成長と見做しても良いのかもなと。
それぞれ相応の危機的状況からのスタートにもかかわらず、それなりの余裕を持ってクリアしてるように見えました。

そんな中でも僕が一番気に入ったのは「ポム並べ」の逆転劇。
「縦一列にひたすら積み上げられていくぷよぷよみたいなゲーム」って解釈が早い段階で出来ていたら、緋呂斗の計画にも気づけたかもしれない。
僕には無理でしたけれど、ちゃんと読者が気づけるようにヒントが事前に出ているんだよね。
毎度おなじみのイカサマは仕込まれてはいたけれど、「どうすれば逆転できるのか」を推理する上では、イカサマは些細な問題。
「謎解きミステリ」に置き換えると非常にスマートかつフェアな解法で、ミステリ好きの僕の琴線に触れまくりでした。

真相解明時の納得感、逆転時の爽快感ともに感じられて、物凄く好みでした。

終わりに

ポムのイラストが見たいです。

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