「ライアー・ライアー」最終第15巻 感想 万感のラストだった!!

この記事は

「ライアー・ライアー」第15巻の感想です。
いよいよ最終巻。ネタバレあります。

え⁉やっぱり最終巻だったの⁉

発売数日前の僕の心境、これでした。
終わりそうだけれど、もう少し続くかなと思い込んでいたので、作者さんのXで知って「うそぉ」ってなりました。

解決すべき問題は山積。
1巻でそれらを全て語れるのだろうか⁉
果たして、万事全てにケリがついて、綺麗なハッピーエンドでした。

ちょっぴり「こうして欲しかった」という要望を挟みつつ、最終第15巻の感想です。

反省と答え合わせ①緋呂斗の成長

14巻の僕の感想を引用しつつ、感想を書いていきます。

緋呂斗の成長を示すことは、この先の展開を踏まえた上で重要なことなのかもですね。
僕は越智春虎がラスボスで、彼との決着を持って、このラノベ自体完結するのではないかと思っていました。
14巻読み終わった瞬間までそう考えていたのです。
あとがきでは、「次で最終巻です」という作者様の言葉が載っているものと疑っていなかった。
けれど、それは無く、それどころかまだ続くかのような言葉が載っているじゃないですか。
明言されていた訳では無いから、そう言いつつ次巻で終わりかもしれないけれどさ。

結局は15巻で最後となったわけですが、ラスボス・越智春虎とのゲームには、やはりというか、最後の最後まで感服でした。
僕が一番感銘を受けたのが、やはり「緋呂斗の成長」でした。
最初はラッキーパンチだったのかもしれない。
分不相応な役割を押し付けられ、戸惑いつつも、白雪を始めとした仲間のサポートを受けて、数々の修羅場を潜ってきた緋呂斗。
持ち前の度胸もあってか、絶対的不利な状況でも下を向くことなく、必死に考え、策を弄し、逆転を演出してきました。
そうして宿敵・霧谷を自力のみで撃破。
嘘から始まった「最強」の肩書を、少しずつ実力に変えてきました。

これがもし、最後の最後まで「カンパニーありき」だったらどうだったか。
作戦を考えるのも白雪。それを実現するのもカンパニー。支えるのもカンパニー。
緋呂斗はただただ演じるだけ。

作品としてつまらなかっただろうし、何より、今回のような筋書きは描けなかったことでしょう。

「いきなり七つ星の最強転校生でした」という最大の嘘を逆手に使った逆転劇。
これが上手く機能していたかというと、機能してないよね。
越智を一旦は騙せていたかもしれない。その上で、越智との最終対決には勝利したかもしれない。
けれど、その後の流れは絶対に変わってたはず。

そう思う理由は2つです。
先ず、越智との関係悪化が考えられます。
決戦時の告白によって、越智が緋呂斗に憧憬や羨望を抱いていたことが明かされました。
この気持ちは、「緋呂斗自身の実力を認めていたから」こそです。
しかしそれが嘘だと分かれば、越智の気持ちは裏切られることとなり、彼が緋呂斗の言葉を受け入れることは無かったことでしょう。
越智は決闘自体に敗北していても「ラスボス:モード《終焉》」を起動していたと思われます。

2つ目は、紫音が緋呂斗に加勢してくれることは無かったはずだから。
紫音自身も越智と同じです。
緋呂斗の実力を認めたからこそ、彼女は緋呂斗に味方してくれていた。
「緋呂斗の実力」が張りぼてなのだったら、そもそも紫音は正史とは異なる関わり方をしていたんじゃなかろうか。
それこそ自分自身が表立って越智に挑んでいたとかさ。
つまりは、紫音が味方になってないということは、あの場面に衣織は現れることは無かった訳で…。
それどころか、もっと前の段階で緋呂斗は敗れ去っていたかも…。

クライマックスで作中最大の嘘を、こういった形で活かしてくる展開自体に胸アツだったのですけれど。
これまでの緋呂斗の成長があってこそという部分に僕は強く惹かれました。

反省と答え合わせ②

そもそも緋呂斗の最終目的は、越智に勝つことでは無いからね。
幼馴染は…白雪で確定だろうから、その辺のくだりはパッと終えられそうですが、緋呂斗を中心としたラブコメの件、彩園寺家の問題、理事長の企みと割と描くことは残っているのよね。

これは勝手な予想ですけれど、越智との決戦を最後に「学生同士の決闘」は最後になるんじゃなかろうか。
その後は、文字通りの最終章。
学園島を敵にしての総力戦が始まる…と熱いと思うのですが…。
どうなんでしょ。

もっと前の感想でも僕は「緋呂斗が思考するときの口元に手を添える癖を白雪も行っている」とドヤ顔で語った上で、幼馴染は白雪に違いないと結論付けたのですが…。

違った。

恥。

しかも「パッと終えられる」って。もう笑うしかない。

本当にパッと終わってたら、嫌だったなぁ。
もう本当に作中の描写・分量に満足でした。

「幼馴染は誰か」というゲームにしつつ、多くのキャラのエピローグを記す。
こういう締め方もあるんだなぁと、プロの作家さんの考えることは凄いなぁとただただ感服。
やっぱりキャラを大切にした締め方をしてくれるとそれだけで嬉しいよね。

越智達のエピローグにはほっこりさせてもらえたし、ヒロイン1人1人の扱いにも満足。
推しヒロインの雫との「ラスト」とか、扱いがとても良くて個人的にご満悦でした。

さて、幼馴染の正体に焦点を戻すと、まさかまさかの更紗(莉奈)だったとは。
「本人も忘れてた」というのは良かったですねw
そうじゃなかったら、何故今まで名乗り出なかったってなりますしね。
それにしても、ずっと白雪だと思ってたから、個人的には驚きの結末だったなぁ。
白雪と更紗では、どちらかといえば更紗派だったので、この結末は大歓迎でしたけれど。

んでね、これはあくまでも僕の個人的な願望だったのだけれど。
ラブコメ的にはしっかりとした決着を見せて欲しかった。
「選ばない」というのは、どのヒロイン推しも傷つけない方法だし、負けヒロインの涙も見なくて済むある種平和的な終わり方ではあるんだけれど。
緋呂斗には幼馴染と結ばれて欲しかった。

そういう物語ではないだろうと言われるとそれまでだけれど。

 

さて、それ以外のことについて。
「理事長の企み」はうん。どうでも良かったねw
本筋には全く関係無かったのでしょう。
彩園寺家の問題を含めての緋呂斗の企みについては、もうこれ以上は無いという落としどころでしたね。
まさに「全てを掬いあげるハッピーエンド」に相応しいものでした。

「学園島を敵にしての総力戦」?
バカバカしいw
んな訳無かったわ。

シリーズ総括

1巻から完結まであっという間だったなぁ。
非常に満足度の高いシリーズでした。
ゲームの戦略性の高さが特にお気に入りのポイントだったかな。
ラストも僕の大好きなハッピーエンドだったし、うん。

心から楽しめました。
面白かった!!!

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