「俺の彼女と幼馴染が修羅場すぎる」第16巻までの感想

この記事は

「俺の彼女と幼馴染が修羅場すぎる」の感想です。
ネタバレあります。

アニメ版の印象が…

僕がこの作品に出会ったのは2013年1月のことでした。
もう8年も前になるのですね。
そうです。アニメ版から入ったのです。

正直言うと、アニメ版には良い印象を持っていません。
「愛衣ちゃん大勝利」が最もインパクトに残っていて、シナリオ的には「修羅場って言うのだろうか?」という疑問符が大いに付き纏っていました。
毎回サブタイトルに「修羅場」と入れてる以上は、彼女と幼馴染の修羅場シーンを入れ込む必要があり、その為に大分そこに至るまでのあれやこれやを削ぎ落している…という感じを受けたのです。
要するに「修羅場」に至るまでのドラマが薄い。
「そんなことで?」とか、そもそも論として「修羅場って言うほどだろうか?」と思っていました。

だから、原作を読もうという気も当初ありませんでした。

それが変わったのが「28とJk」。
悪い癖で、「俺修羅」と同作者さんと言うだけで「28とJk」ですら読むかどうか悩んだこともありました。
自分のことながら最低だと思います。
そんなこんなで、「28とJk」を読んで、先ず作者・裕時悠示先生の印象がガラッと変わりました。

生き生きとしたキャラクター。
地に足の着いた設定。
なによりも深いドラマ性。
窮地からの大逆転というエンタメ劇を毎回趣向を凝らして紡ぎ出すストーリーテリングの高さに唸らされました。
端的に言えば滅茶苦茶好きなシリーズとなりました。

その流れで「俺修羅」に興味を抱いたのです。
実のところ、この時点でとっくに完結していると思い込んでいたので、長いこと続刊が出ていないと知った時は大変に驚きました。
まさか「俺修羅」を一時的にストップして「28とJk」を始めたとは思いもしてなかったのです。
もしもこのまま未完で終了となったら嫌だったので、見極めていたら、「28とJk」完結と共に再始動したので、少しずつ読み始めたのでした。

前置きはこれくらいにしまして、16巻を中心に感想です。

これまでのざっくり感想

アニメ版の物語はとんと忘れてしまっていたのですが、「鋭太は流され型主人公だった」みたいなイメージだけを持ち続けていました。
千和と真涼がガミガミとやりあって、鋭太はその脇で「どうすればいいんだ~」と頭抱えてるだけのような芯の無いダメ主人公と。
見返してないので断言できないけれど、でも、間違いなくこれは捏造記憶ですよね。
頭の中で悪い方悪い方に記憶を捻じ曲げていたのでしょう。最悪な事に。

故に原作を読んで真っ先に印象が変わったのが鋭太でした。
メッチャ芯がしっかりしてるし、しかもよく考えている。
特別何が出来るという訳ではないけれど、努力型の秀才で元中二で、何よりも信念に一途。
頑固なまでに目標に向けて己を貫き通す意志の強い少年なので、非常に好感が持てたのです。

そんな鋭太の長所はどこかと言えば、一番は優しさなのだと思う。
むしろ女性陣も親友もそこに絆されている。
優しさが彼の取柄と呼んで差し支えないはずです。
優しいからこそ、誰ひとり悲しませたくはないとして、まさかの「ハーレム」形成を目指すようになった展開には仰天しました。

荒唐無稽と言うか、実にラノベらしい展開の1つではあるのだけれど、これは読者側から見ても理想的な展開には違いなくて。
自分の好きなヒロインが報われて欲しいと思うのは当然として、好きなヒロインが複数いたらば、どうしたって「皆報われて欲しい」という矛盾した考えに至りますからね。
ある意味鋭太の考えは読者の考えでもあって、目的や動機が下種くなければ、むしろ大歓迎だったりします。

そもそも彼の考えではなく愛衣の発案だし、動機も上述のように納得出来るもの。
恋愛アンチ故に「女は全て俺のもの」みたいな下心も無いのならば、これは十分応援できるものです。

こうして中盤以降物語のゴールが示され、そこに向けて進んでいくのですが…。
立ちはだかる悪役が登場。
そうですね、真涼の実父・亮爾です。
流石の悪役。
「28とJK」で嫌味で憎たらしい悪役達を生み出してきた氏のある種真骨頂。
登場的にはこちらが先な為、悪役衆の元祖とでも言っていいキャラだけに、その狡猾さ、憎たらしさは随一ですね。
段々と本性を出してきて、あの手この手で真涼を支配下に置こうと目論んでくる嫌な奴です。
それだけに実に倒し甲斐のあるキャラクターの登場で物語は俄然面白くなりました。

最後に触れておきたいのは、遊井カオル。
鋭太の親友で、爽やかイケメン。
実は女の子なのではという曖昧な描写が散見されてきて、アニメ版見てた時も、女子なのではと思っていたくらい。
カオルは男なのか女なのか。
カオリの登場で謎は一層深まっていき、それと同時に、「鋭太を好き」だと言うから俄然興味を搔き立てられたのです。
カオルの双子の妹カオリとは一体何者なのか。
鋭太の前にいるのはカオルなのかカオリなのか。
鋭太を好きなのは一体どちらなのか。
というか、15巻の表紙が今までのイメージと違いすぎて「何があった…」と戦慄したw

15巻書影。爽やかイケメンの面影ゼロで完全に闇堕ちしてるカオ…ル?

カオルが本性を曝け出して、暗躍し始めたので、続きが待ち遠しくなったのは間違いない。
彼の「正体」と共に物語はクライマックスへと突入しました。

果たして、鋭太は無事にハーレムを形成できるのか。
春夏秋冬はどうなるのか。カオルのことは…。
16巻の感想に入ります。

16巻の感想

これは「29とJK」ですわ。
やっぱり作者一緒だなぁと改めて感じた巻となりました。

「そこ」が焦点で無いので、執拗な伏線と言うのは無かったけれど、最低限の伏線は仕込んでおいてからの華麗なる大逆転。
娘を見ておらず、侮り続けた亮爾ならではの失態で敗因でしたね。
正直スカッとしました。
むしろもっと本格的に再起できないくらいまで追い込んで欲しくもありましたが、やはりそれは焦点では無いから、この程度の落着で良いのかもしれない。

真のラスボスはやはり真涼でしたという纏め方も綺麗だし、彼女を「倒す」ことが出来るか否かで、物語の決着も、恋愛の落としどころもスッキリするという構成になったと思います。

カオルの謎に関しては、単純な話では無かったことが嬉しかった。
これ物語開始当初から構想してたのかな?
当時はまだLGBTなんて言葉も無かった気がするし、今ほど社会も真摯に受け止めていなかったように記憶してるけれど。
センシティブな問題でもあるから下手に踏み込んで泥沼に嵌りそうなところ、この辺も絶妙なさじ加減で、あまり深刻にならず描いていたところが良かったかな。
なにより鋭太の「お前は親友なんだ」という単純な力押しが気持ちいいじゃない。
鋭太の良さってこういうところだよなと改めて感じた解決法だった。

いつも通り期待していた以上の物語を読ませていただき、満足度の高い巻となりました。

いよいよラストへ

という訳で、残り1巻か2巻で完結らしい。
残された問題も整理されて、あとは真涼の立ち位置についてだけになりました。
簡単に書きましたが、それが一番大変だと容易に想像できるので、一番盛り上がるのでしょう。
残り最後までしっかりと応援していきたいです。

最後になりましたが、ゆらが好きです。
超良いキャラ。
「それでは一曲お聞きください」から始まる言い回しがツボに入って、毎回笑ってる。
なんでもかんでもカラオケで処理しようとするところが面白すぎて、本当好き。
彼女を主役にして外伝とか書いて欲しいですw

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