この記事は
「ロシデレ」第10巻の感想です。
ネタバレあります。
はじめに
アニメ1期で嵌って、原作を読み始めてより嵌って。
段々コメディ成分よりもシリアス寄りになってきた気がするな…と少しばかり懸念していたけれど、今回はコメディ爆発!!!
杞憂でしたわw
ただその裏で純粋なる悪意も着実に育っていて…
個人的に大好きなヒロインと大嫌いなヒロインが大活躍した巻。
感想です。
大好きなヒロインとコメディ
有希が元気に紙面狭しと暴れまくってるほど、今作は面白い。
コメディパートの主役兼メインヒロイン兼黒幕。
場を引っ掻き回して周りを巻き込んでいくという主役としての立ち位置。
実妹だからこその愛情をたっぷりとヒーロー(政近)に浴びせることの出来るメインヒロインとしての立ち位置。
作品本来のメインヒロイン(アーリャ)を翻弄する黒幕を「演じている」立ち位置。
有希って何をしていても「笑い」を振りまいてくれるから強い。
今回だって「政近の実妹という秘密」を利用しまくって、アーリャを煽りに煽る。
本当に良い性格してるw
「ロシデレ」のコメディは、有希ありきだって改めて実感した。
バレて良い秘密とダメな秘密
さて、今作には大きく2つの秘密がありました。
どちらの秘密も作品の肝に深く関わっているのです。
1つ目の秘密は「政近と有希が兄妹だということ」。
一部の人間にはバレていましたが、8巻終盤で政近がアーリャに話し、今回レギュラーキャラ全員が知るところとなりました。
この秘密は、「アーリャの恋敵を作る」という実利がありました。
通常のラブコメと異なり、今作って「アーリャと結ばれること」が実質最初から担保されてるんですよ。
タイトルに「アーリャだけとのラブコメ」を冠しているので。
早い話が、アーリャ以外のヒロインは、最初から負けヒロインと定義されているのですね。
けれど、それだと「嫉妬するヒロイン」とか「焼きもちを焼くヒロイン」とか美味しいシチュエーションのいくつかが描けなくなってしまいます。
それだとあまりにも勿体ない。
「読者から見れば負けヒロインでもアーリャから見れば正しく恋敵である」という難しい立ち位置のヒロインが要求され、生まれたのが有希…と勝手に思ってます。
この秘密をアーリャが知れば、必然ラブコメ面に影響が出ますけれど、そこを補う算段が付いているのかもしれません。
それに8巻までで有希はこれ以上ないほど「アーリャの恋敵」の役目を全うしてきたので、この先は「恋敵」役は作品に不要なのかも?
もしくは、有希に変わる恋敵が出てくるのかもしれませんね。
なんにせよ、この秘密はバレても問題の無い秘密であると言えます。
では、バレてはダメな秘密とは何か。
それが今作2つ目の秘密である「政近がロシア語を理解できる」です。
「ロシデレ」の最大の肝は、そのままタイトルになっています。
つまり、「政近が分からない(と思い込んでいる)ロシア語でアーリャが政近の前でデレる」こと。
この秘密がバレるとき、今作は終わるのでしょう。
最後の最後になってようやくバレる秘密。それがこの秘密であると。
「マーシャと政近が幼馴染であった」という事実を今回ひた隠していた理由も同じはず。
ここがアーリャにバレると芋づる式に「政近はロシア語分かるのでは?」となりそうだから。
作品の終了に直結しかねない最大の秘密と言えそう。
逆に言えば、この秘密を上手く活用すれば、第1の秘密と似た効果を生みそうなんですよね。
「マーシャと政近のただならぬ関係」にアーリャがあ~でもない、こ~でもないと翻弄される。
「有希が恋敵」のフェーズが終わり「マーシャが恋敵」のフェーズが始まる…のかもしれないという妄想。
大嫌いなヒロインとシリアス
裏で暗躍という意味では、実のところ有希も同じだったりする。
けれど、有希には悪意よりも愛情があるし、「当主になる」という野望を前提としたものであるので、読んでいてイライラしないんです。
悪役ぶってギャグで落とすことも多いですしね。
けれど、乃々亜は違う。
悪というには、犯罪とは言えない分やってることに可愛らしさがあるけれど、正義は無いよね。
それだけでもヒロインとしてどうかと思ってるのに、特に自分の手を汚さないところが本当に苦手。
ここまでの乃々亜は大嫌いの一言に尽きます。
故に早く成敗されて欲しいと思ってた。
で、そうなりそうなところで次巻に続きますが。
願わくば、彼女には改心してもらいたい。
心から叱ってくれた沙也加には心を開いているのです。
有希が、アーリャが本気で乃々亜を叱責すれば、彼女が心を入れ替える可能性だってあると思っています。
大嫌いなままで終わって欲しくない。
変わって欲しいです。
終わりに
有希最高