「名探偵コナン 警察学校編」上巻感想

この記事は

「名探偵コナン 警察学校編」上巻の感想です。
ネタバレあります。

薄い。あまりにも。

144ページ。
漫画はこの半分だけで、残りはおまけページ(笑
来月下巻が出ますけれど、1冊にまとめて欲しかった。
商魂逞しすぎるんだよなぁ。

てなわけで、感想もサクッと短く。

松田陣平編

キャラクターは、半生を語ると生きてるような実感が生まれます。
ということで、基本的には1人1人の過去を描きつつ、ドラマを見せていくというスタイル。
初回は、松田編。

「彼の喧嘩っ早いスタイルは、幼少期の父親誤認逮捕があったのである」と語られており、納得感が凄い。
軽くいじめもあったようですし、警察への反抗心も強く残って、性格形成に大きな影響を及ぼしたのでしょうね。

後の爆弾処理班エースとしての面影を残しているのも良かった。
元々手先が器用で、なんでも分解しちゃっていたというところが、卒業後役に立つわけですね。
それ故に死期を早めてしまったとも言えそうですが…。

伊達航編

強くなければ正義を遂行できない。
ある種真実なんだろうけれど、これを実行できるのはバトル漫画の主人公クラスではないと無理そう。
サシなら警察官でもどうにかなるんでしょうけれど。

今回は、どうにもならない分かりやすいケース。
つまりは、複数人を相手にした場合の正義の在り方について描かれていたので、伊達の信念は必ずしも正しくないという一面が浮き彫りになってましたね。

物事を一部の視点のみで観測すると、真実は決して見えない…というか。
なんだろう。
多面的なものの見方の重要性とでもいうのかな。
推理の基礎的な事にも通じそうなテーマだったなと。

1人の限界

この2編とも1人ではどうにもならない事件が起こったのが面白い。

殴り合いの喧嘩をしていた降谷と松田も、バラバラに動いていたら教官は助けられなかったと思われます。
伊達が音頭を取ったというのも大きかったかもですが、緊急時に協力出来たからこそ人命を救えたのかなと。

コンビニ襲撃も同様ですね。
相手を把握せずに飛び込んでいたら、伊達は勿論返り討ちにあっただろうし、最悪全滅だってあり得た。
元々皆殺しにする手はずであったなら尚更、犯人側は躊躇なんかしなかったでしょうしね。

さて現在、降谷零は、たった1人で戦い続けています。
松田も伊達も萩原も、景光も死んでしまったのだから。
組織に潜り、赤井に挑み、日本と親友の「かたき(敵・仇)」を追っている。

これは今の降谷零に向けてのメッセージだというのは、少々考えすぎでしょうか。
1人では解決出来ないこともある。
誰かと協力をしなさいと。

思えば、降谷こと安室が脚光を浴びたのが映画「純黒の悪夢」でした。
あの事件も1人では到底解決できないものでしたよね。
コナンがいて、赤井がいて、安室がいて。
そこにキュラソーの助力もあって、それで犠牲者をゼロに抑えることが出来ました。
(キュラソーの尊い犠牲の上で成立していることも忘れてはなりませんね)

特にこの時の安室は、松田に教わった爆弾解体の技術を活かしていました。
もし、松田から教わっていなかったら…。
やはり「1人での限界」が浮き彫りになってると思うのです。

安室には、絶対に協力者が必要です。
赤井と和解し、コナンと本当の意味で協力関係を結ぶ。
組織打倒には、それが不可欠なんでしょうね。

終わりに

それにしても濃い5人だこと。
このうち4人が本編の物語開始前に亡くなっているのが、実に惜しい。

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