「ライアー・ライアー」第6巻 感想 ヘキサグラムのボスとお姫様と

この記事は

「ライアー・ライアー」第6巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

分かりやすくスケールが大きくなってきました。
夏休みを使っての全生徒参加の決闘イベント「SFIA」編の開幕です。
前後編と思われる一大巨編の前編ですが、今回も引き込まれました。
お話の見せ方と興味の引き方が相変わらずの巧さ。

感想です。

王道を崩してきた?

基本的な構造は毎回同じなんですよね。
お姫様が居て、巨悪が居て、分かりやすい善と悪という構図を作る。
追い込まれてどうなるというところで、一発逆転の策が決まって、お姫様を助け出す。

まさに王道のプロットです。
本作ならではの味付けとしては、守られるだけのお姫様では無いというところ。
彼女たちは皆有能であり、そして、最初は緋呂斗の前に敵として立ちふさがる。
だから、助けた後は強力な仲間となってくれるのです。
そうしてストーリーが進むごとに緋呂斗の周りには心強い味方が増えていってるのだけれど、それなのにゲームの攻略難易度が下がらないのが凄いところ。

今回だって紬という天才少女を仲間に引き入れて、彼女が大いに活躍したのにこれでもかと追い込まれてしまいましたからね。
「正義の組織」ヘキサグラムは、あと一歩というところまで緋呂斗を追い込みました。
今回のお姫様である水上摩理を仲間に引き込めなかったら、負けが確定してました。

そう。
お姫様を助けちゃったんですよね、早くも。
まだSFIAも途中であり、本格的な戦いはこれからなんですけれど。
もしかして、王道プロットを崩してきてます?

ヘキサグラム幹部への違和

佐伯薫。
ヘキサグラムの首魁とされている男子生徒。
なんていうのかな。
華が無いんですよね。
悪のボスとしての貫禄を覚えないんです。
言葉は悪辣で下種なんだけれど、行動に凄味が足りないというのかな。
人任せ、色付き星の能力任せという感じ。

特に違和を覚えたのが幹部・阿久津雅との会話。
彼自身の意志を感じず、雅の考えで動かされているような感覚を覚えました。

もう1人の幹部である都築航人が、実際にそうだったからというのもあるかもです。
自分の力は信じず、薫の命令通りにしか動いていませんでした。
大事なルール確認ですら、自分たちが切り捨てた摩理に一任してしまうほど人任せ。

何が言いたいのかと言いますと、ヘキサグラムの真のボスは、雅なんじゃないの?
確信がある訳では無いんですけれど、薫じゃ無い気がします。
彼の為の組織というのは間違いないのかもですが、彼はあくまでもシンボル的存在。
表立ってのボスであり、実質組織を動かしているのは雅なのではないかなと。

そうだとすると、前編の段階でお姫様救出まで描いたのも納得できちゃう。
後編ではお姫様役が雅になる予定だったなら、前編で摩理の見せ場をしっかりと用意する必要がありますからね。

あ。雅はお姫様と言っても、これまでのプリンセスとは異なり、悪の姫様になるのかな。
推察通りならね。

強烈なヒロイン続々と

初登場時から目を着けていた(笑)雫の出番が今回メッチャあって、個人的に凄く嬉しかった。
可愛いよね、彼女。
脱力した感じといい、百合っ気があるところといい、最高。
裏切者なのに、隠そうともせずに飄々としてるところも含めて、面白い子だよなぁ。

そして、初登場からインパクト絶大だったのが夢野美咲。
想像では「私、出来る女なので」的な雰囲気を醸し出す可愛くない後輩系だったので、余計に衝撃でした。
予想の斜め上を行く超絶ぶっ飛んだキャラは、インパクト絶大ですね。
仲間にしちゃうとキャラが死にそうなので、今後も「敵として真面に相手にされない敵」としてレギュラー化して欲しいw

終わりに

SIFA編のラスボスは誰になるのか。
薫じゃない気がするんだけれど、彼なのかな?
楽しみに次巻を待ちます。

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