志々雄真実の魅力を語る 「るろうに剣心‐明治剣客浪漫譚‐」

この記事は

「るろ剣」の志々雄についての記事です。
ネタバレあります

「敵役」

当時の和月先生の悩みが「悪役」を作れないというものでした。
どうしても「敵役(かたきやく)」ばかりになってしまう…と。
この点、尾田先生は「悪役」を作るのが上手いと述懐しておりましたね。

「悪役」と「敵役」何が違うのか。
どちらも主人公の敵として相対する存在に違いありませんが、2つの差は「同情できる背景を持っているか否か」です。

「るろ剣」に出てくる敵は、皆背景になんらかしらの同情できる過去を抱えているんですよね。
蒼紫とか縁とか。
で、志々雄もその「敵役」に含まれます。

現政府に散々利用された挙句、暗殺されかけて、全身大やけどを負ってしまった。
その復讐という動機は持ち合わせていないものの、どこか憎めない一因となっています。

「敵役」には、憎らしさが欠ける為「主人公にやっつけて欲しい」と応援する気持ちが薄れます。
敵の方に感情移入しかけることさえある。

これは「悪役」には中々無いキャラクターとしての魅力だと思います。
「悪役」で魅力溢れるキャラはいます。
「DRAGON BALL」のフリーザとか「ONE PIECE」のクロコダイルとか。

でも、感情移入はなかなか難しい。
フリーザを応援とか出来ませんもの。
志々雄は、どこか応援出来たキャラ。

そんな志々雄について語っていきます。

名言

さて、志々雄の魅力はいっぱいあります。
先ずは台詞がカッチョイイ。
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決して弱みを見せない。
常に余裕を纏い、不敵に笑う。
国盗りというドデカイ野望を口にし、語るだけに留まらず実行に移す。

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死して尚、これです。

どこまでも「男の夢」。
換言すれば「サムライの夢」を掲げる姿は、彼の賛同者が多いという作中の事実にも頷けます。

言ったことは曲げない。
泰然自若で、死をも恐れない。
そんな姿が格好良い。

そう、死を恐れないのですよね。

志々雄の技はどうかしてるぜ

志々雄といえばイメージは「炎」です。

炎に身を焼かれ、殺されかけ、炎の中で死んでいく。
「志々雄」という男は生まれてから死まで、炎に関連付けられています。

全身火傷の後遺症で、15分しか戦えない志々雄。
それ以上戦うと、体の熱を処理できなくなり、発火してしまうという弱点を抱えています。

十本刀を筆頭とした一派を形成した理由もココにありました。
長時間戦えない自身に変わる駒が必要だったんですよね。

そんな志々雄ですが、必殺技が本当にどうかしてます。
いや、滅茶苦茶見た目にも格好良いんですよ。
「サムスピ」のパクリとかは置いといて、凄く格好良い。

無限刃
読みは「むげんじん」。
新井赤空作の最終型殺人奇剣にして、剣心の逆刃刀・真打の兄弟刀と言うべき刀。
連続使用による刃こぼれで切れ味が鈍っていく刀から発想を逆転し、刃を鋸歯状にする事で殺傷力を一定に保っている。
幕末から剣心の「人斬り」の仕事を引き継いだ志々雄は無限刃で人を斬り、刃に染みこんだ人間の脂肪を大気・刀等との摩擦で発火させる技術を開発した。
「剣心再筆」では、分厚い鍔と石綿入り柄巻の装飾品が余計な延焼を防ぐ仕組みになっており、鞘には秘剣に用いるための火薬を染み込ませた黒革を巻いている。

出典:志々雄真実 – Wikipedia

刀から炎を出すというファンタジー染みたこともしっかりと設定されて、「実際に可能かも」と思わせてくれる点もさることながら、見た目が超絶格好良い。
炎の化身らしく、必殺技も炎。
終の秘剣・火産霊神とか、最高です。
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で、何がどう、どうかしてるのかと言えば、下手すると自身を焼く恐れがある事。
wikipediaには、

「剣心再筆」では、分厚い鍔と石綿入り柄巻の装飾品が余計な延焼を防ぐ仕組みになっており

と書いてあるように、一応設定としては自身にまで火が及ばない様になっているようですが…。

が、そんなの完璧とは言えないですよね。
特に火産霊神の炎の「量」を見れば、自身の巻いている包帯に延焼する危険性はあると思うのです。

でも、それこそ格好良くないですか。
危険があるにもかかわらず、志々雄は炎の技を使い続ける。

死ぬかもしれないのに使い続ける。

死を恐れずに戦いを好む。
必殺技そのものは格好良いですが、使用することそのものが痺れるほど格好良いのです。

ピカレスクの鑑

酔狂でどこまでも余裕を噛まし、死を恐れない戦闘狂。
頭が良く、信者を抱えるほどカリスマ性に満ちている。

自身の行為を悪と認め、悪の道を貫く生き様。

哄笑と共に炎にまかれ死んでいく姿まで含めてまさに悪の鑑。

和月先生は敵の造詣に苦しんでいたようですが、これ以上無い敵役だったと思います。
「北海道編」では、どんな敵が出て来るのか。
楽しみに待ちたいと思います。

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