「呪術廻戦」五条vs宿儺 決着についての感想【本誌ネタバレ】

この記事は

「呪術廻戦」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

この記事は「週刊少年ジャンプ」2023年43号のネタバレをしています。
「呪術廻戦」をコミックスで追ってるぜという方は、決して見ないでください。

夜中に目が覚めて、ちょっくら「ジャンプ」でも読もうかとスマホアプリを立ち上げて。
目ぼしい作品から読んでいって、ついつい「呪術廻戦」を読んでしまった僕の心境が分かりますか?

目次の芥見先生のコメントが秀逸でしたね。

休載を挟んだので1話描き忘れたみたいになってしまいました。

読者の心境を的確に自ら発信する作者の鏡。

マジでこれ。
あれ?
え?
ってなったからね。

あらかた予想通りの決着ではあったけれど、ショックが大きかったので感想として今の心境を残します。

感想

五条が勝つと真剣に信じていた読者はどれほどいたでしょうか。
ファン心理として「勝って欲しい」と願っていた方は当然いらっしゃるでしょうけれど、本気で五条勝利を予想していた人は少ないかと思うのです。
彼が主人公ならばいざ知らず、そうじゃないですからね。

最強を謳い、事実人類最強ではあっても、彼は主人公ではない。
だから、ラスボスと思われる宿儺には勝てない。

よくて引き分け。作品の性質上、ほぼ殺される。

大概の読者の想像がこうだっただろうし、事実、そういった結末となりました。

にしても、である。

SNSでは前回の引きを引き合いに出して、ちょっとしたお祭り騒ぎになってます。
↓(問題の前回のラスト)

僕はこれについては、特になんとも思っていなかったり。
「1話飛ばした?」という唐突感こそありましたが、「上げておいてから、突き落とす」引きの使い方としては100点満点だからです。

というか、五条vs宿儺戦は振り返ってみても、こういった引きの応酬でした。
勝ったか?⇒いや、勝ってない。
殺されちゃった⁉⇒なんとか耐えた!
この繰り返しというと大袈裟かもですけれど、ラストで衝撃なオチを持ってきて、次話の冒頭でひっくり返すという展開が続いていました。

故に「五条の勝ちだ」で終わっていて、そのまま本当に勝っていましたという続きになる方がおかしい。
むしろ、次回の引きの時点で、彼の死を予想できたという読者だっていた気がするのです。

それでも、唐突に「死んだ仲間とあの世で再会するシーン」から始まったので、初読時の衝撃は筆舌に尽くしがたいものがありました。
「殺された瞬間」を敢えて描かないことで、過去最大級の落差を生み出した。
だからこそ、前回の引きは100点満点と思うのです。

僕がスッキリとしないのは、だからそこじゃない。
宿儺に最大級の賛辞を言わせたとはいえ、惨敗に近い形で五条が殺されてしまったからです。

現代最強ですよ。
現時点において、作中における人類最強の呪術師。
それなのに「宿儺に全力を出させなかった」まま終わってしまった。

宿儺の絶対的・圧倒的な力を見せつけたいにしても、五条には一矢こそ報いて欲しかった。

僕は当初この闘い、「恵を救い出すこと」が落としどころになるのではないかと思っておりました。
五条は負けるにしても、恵の身体から宿儺を追い出すことには成功する。
(正直五条には死んでほしくなかったので、負けるけど、死ぬことは無いという甘いことも希望として持ってました。)

最強の呪術師として、相応の活躍に思えたのです。
そして、後に控える「優しすぎる」虎杖の為にも、宿儺から恵を引き離して欲しかった。

それなのに、それなのに。
圧倒的な絶望感だけを読者に与えるためだけの戦いになってしまったことが非常に残念でした。

救いもあった

人の心が無い芥見先生ですが、今回は珍しく救いを用意してくれていました。

「俺の妄想であってくれよ」で始まった「五条と仲間の再会」。
「悔いのない死だった」と笑い合い、「これが僕の妄想じゃないことを祈るよ」で締める。

殺されたこと、死んでしまったことに対して、マイナスな表現が無い五条の述懐。
これが無かったら、本当に僕の心はささくれ立ったままだった。

南へ

ナナミンは「後ろ向き」と表現してたけれど、これは決してマイナスな意味ではないはず。
「新しい自分」は「呪術ではない自分」。
「昔の自分」は「呪術師の自分」。
生まれ変わるとして、彼らは「南」、つまり「再度呪術師になる未来」を選んだと解釈。

飛行機に乗って、南の空へと旅立っていくのでしょう。

これ以上ない救いのある描写でした。

宿儺に勝つ未来が描けない

どうすんのこれ?

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