「クロス・マネジ」から感じるジャンプとスロースターター作品の相性の悪さ

この記事は

「クロス・マネジ」に関する記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

「クロス・マネジ」の感想で、最近しょっちゅう書いているのが「この漫画はジャンプに合わない」という事ですね。
何故合わないと感じるのか?
それについて今日は書きます。

「クロス・マネジ」の感想

先ず個人的な作品への感想を書きます。
面白い作品だと思うのです。
キャラの心情に重点を置いた回が基本的に好きですね。
だから、心情描写の多い櫻井と豊口の主人公コンビはキャラが立っていると思いますし、加藤さんら3人の練習回も非常に好きでした。
ただ、全体を総括すると、今一歩抜け切れていないという印象に落ち着いてしまいます。
青春劇(ラブコメ)としても、スポーツ漫画としても、中途半端に思えてしまうからです。

そもそも何をしたいのか迷ってしまっていたように映る展開が、作品として波に乗り切れない部分であるのは否定できないのかもしれません。

スポーツで行きたいのか。
青春劇で行きたいのか。

「青春劇」という枠組みの中にラブコメを当て込んで、更にラクロス部を舞台とする事でスポーツ要素も取り入れた作品を目指しているとは思うのですが、それにしては、ラクロスに関する描写が薄かったのは確かです。
何よりも大事なメンバー紹介に殆ど描写が当てられてこなかったのは痛いですよね。

これまでスポットが当たっていたのは、一部の選手だけ。
双子ちゃんのマジ顔なんて、今週初めてだったんじゃないでしょうかね。
例え初めてでは無くても、印象に残らない程度にしか描写出来ておらず、これってスポーツ物としては魅力が落ちちゃいます。

スポーツ、特に団体競技の場合は、少なくともレギュラー選手全員に感情移入出来るかどうかって凄く大きい要素だと思います。
感情移入出来れば、試合に勝った時に感動も出来ますしね。
これがあまり出来ていなかった為に、スポーツ物としては弱く見えています。

で、青春劇として見ようとした場合、ヒロインの豊口がラクロスに嵌っているという設定の為、どうしてもラクロス描写を薄く出来ないという事情があります。
ラクロス描写の薄さが、スポーツ漫画と見做しても青春群像劇と見做しても、中途半端に見えている原因になっているんじゃないかなと。

まあ、作品自体に「迷い」にも似たモノが見えるのは確かですが、でも、これってジャンプの打ち切りシステムが遠因になっているとも思っています。
「サンデー」等のように、最低でも1年近く連載させてもらえる環境だったら、全く違っていたんじゃないかなと。

ジャンプシステムとスロースターターな漫画の相性の悪さ

漫画に限らず、どんな作品も展開のさせ方は大体2つに分ける事が出来るかと思います。
1つは、最初からトップギアで突き抜けていく作品ですね。
出し惜しみせずに、1話からガンガン物語を展開させていくタイプ。
最初から「面白い」と多くの人から思ってもらえるような作りとでもいうのかな。
(実際に「面白い」と思って貰えるかは、また別問題)

もう1つは、序盤はローギアで、徐々にゆっくりと加速していくタイプ。
尻上がりに面白さを感じていくタイプの作品ですね。
例えば、序盤は伏線張りに終始し、然る後にスピードアップしていくような作品。
特に大きな事件や出来事が序盤にある訳では無く、中盤以降に向けての準備段階に費やすという構成です。
アニメ「STEINS;GATE」なんか個人的にはこのタイプだと思っています。

で、「クロス・マネジ」って明らかに後者の作りが似合う作品だと思うのです。

序盤で1人2話でも3話でも使って、丁寧にチームメイトの紹介を兼ね、掘り下げを行う。
並行して櫻井と豊口中心のラブコメを織り交ぜていく。
メンバーの紹介が一巡したところで、次第にラクロス面の展開を早めて、恋愛劇をそこに絡ませていく。

こんな感じの物語展開が超絶似合う作品だと思うのです。
何より感情の描写に重きを置いている向きがありますし、繰り返しますが、その点個人的にはとっても面白いと思ってます。
キャラ一人一人の心情を大切にすれば、櫻井のマネージャーとしての素質も描ける上に、ラクロスの描写も厚みを持たせる事が出来ます。
最初の数話では、当然こんな感じで展開させていくのかなとも思っておりました。

ただ、これすると、序盤(キャラ紹介)だけで話数をかなり使います。
余程他作品が打ち切られていく等という運が無ければ、ジャンプだと打ち切られてしまう可能性が高かった気がします。
だって、本当に早い段階で打ち切りか否か決められてしまうから。

昔から思っていた事ですけれど、やはり「ジャンプ」は尻上がりに面白さを発揮していくタイプの作品とは相性が悪いと感じます。
「さて、ここから」という所で、敢え無く打ち切り勧告となりそうですし。
早くて8週。大体12週前後。
最近はやや長くなってますけれど、半年程度でしょうかね。
例え半年の猶予があったとしましても、打ち切り勧告はもっと前。
実際に連載終了の何週前に通告があるのかは知りませんが、まあ、遅くとも打ち切り2〜3か月前には編集からテコ入れの指示はありそうですよね。
とてもではありませんが、ゆっくりと話を進めている余裕は無さそうです。

今の「クロス・マネジ」ってまさしくこういう風に僕には写っているのです。
妙に急かされている感があるというか。
何故急かされていると感じるのかというと、最初の数話が本当にゆったりとした展開だったからですね。
キャラクターの心情描写をしっかりと描いていて、物語全体はスローテンポに徹していた。

それなのに、ここの所は、やけに展開が早く動き始めた感があります。
試合描写に関しても、1話ないし2話程度で1試合を消化している。
これって、テンポが良いと捉える方もいるかもですが、僕には「展開を巻いている」ように見えていて。
序盤のようにもう少し腰を据えて描いて欲しいのだけれど、どうもそれが出来ないでいるような…。
打ち切りを免れる為に、予定を変更してギアを無理矢理変えさせられた感がするんです。
あくまで僕個人の印象ですが、そんな風に見えるのです。

終わりに

じっくりと腰を据えて物語を進めていくタイプの作品って、序盤は然程面白くない事が多いです。
全てが「面白くない」と決めつける事は出来ませんし、つまらないとまでは思えないのですけれど、イマイチパッとしないなと思う事が多くて。
だから、人気も取りづらい様に思えてなりません。
「週刊少年ジャンプ」のような、短期間でアンケート人気によって打ち切るか否かを判断するような雑誌とは、相性がひたすらに悪い。

僕はこの想いを「クロス・マネジ」を読んで、改めて感じました。

最後にお詫びを。
この記事では、「クロス・マネジ」が、スロースタートタイプの作品だと勝手に決めつけてしまいましたけれど、実際どのようなタイプの作品かは分かりません。
僕の個人的な印象は全くの見当違いなのかもしれません。
勝手な憶測でこんな事を書き、結果として作品を貶めているような感じになってしまいました。
スミマセン。

「クロス・マネジ」ですが、最初の打ち切りは免れたようです。
この後、どう展開するのか。楽しみに読ませて頂こうと思っております。

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