「劇場版 ハイスクール・フリート」感想:綺麗に纏められた脚本が最高だった

この記事は

「はいふり劇場版」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

テレビシリーズから約4年。
劇場版製作発表から約2年。
遂に公開となりましたので、早速見に行ってきました。
感想です。

感想はじめ

流石に4年も経ってると、細かな人間関係とか忘れてしまってますね。
ましろの家族構成とか完全に忘却の彼方で、途中まで真冬を兄貴だと勘違いしてました。
そうだったそうだった。
母も姉2人もブルーマーメイドの(元)隊員だった。
この劇場版でも結構重要な設定となってましたね。

ある意味劇場版で主役だったのは、ましろだったかな。
綺麗に(本当にあまりにも綺麗に)纏めていたテレビシリーズの続きとあって、正直何をやるんだろうと思ってはいたのですけれど、あぁ成程ねって納得のストーリーでした。
必ず来ることが想定されていた「ましろ艦長」に纏わるエピソードですからね。
蛇足とは言えない重要なお話を劇場版サイズにして、「はいふり」らしい綺麗に纏められた映画でした。

コメディパート感想

今作のように名前のあるキャラクターが多数登場すると、下手をするととっちらかった印象を持たれてしまいます。
観客が誰に注目して見ればいいのか迷っちゃうんですよね。
その中で、冒頭から常に明乃とましろをくっつけて行動させていた。
これは上手い作りだなと思いました。
キャラの関係的に、艦長と副艦長が行動を共にするのは自然なので、2人のポジションを紹介するだけで良いのは楽ですよね。
それ以外の余計な説明台詞を省けますし、例え作品のことを知らなくても理解が早い。
ましろに注目すれば良いんだと、誰にでも分かる作りになっていたなと。

しかもですよ、2人にクラスの出し物をチェックして回らせることで、作品の強みである「美少女達の日常」描写をさり気なく魅せる事にも成功していました。
「はいふり」と言えば、海洋学校生の日常コメディとシリアスな艦隊バトルの2本柱です。
前半でその得意の日常パートを描きつつも、キーパーソンの幼女と自然に出会わせることで、後半のシリアスパートとの接合にもなっていました。

シリアスパート感想

シリアスパートは2段階構えの構成。
前半の真冬突撃は、あそこまでいくと最早ギャグ(笑
潜入シーンはBGMと相まって非常に緊迫感溢れるもので、芝居もメッチャ細かいものだったのに、真冬特攻はあまりにも大胆。
もうこれ最初から真冬1人の特攻でもなんとかなったんじゃねぇってくらいw
人質に手を出される前に殲滅させそうな勢いでしたね。
気持ちいいほど爽快・豪快なアクションシーンでした。

この大味なパートがあったからこそ、後半の緊迫感が増してましたね。
流石の真冬でも、正面からの砲撃しか相手に出来なかったでしょうから。

クライマックスの晴風突入パートは、観客とましろの心境がシンクロするように出来ていたような気がしました。
「正攻法」では脱しえない危機の数々。
最早これまでかという状況の中、明乃の機転で乗り越えていく。
真面目なましろでは思いつきもしないような奇策の数々には、僕も見ていて驚きました。
魚雷を真上に撃ったり、美波の乗り物(セグウェイ?)をラジコンカーに改造したり。
窮地の中で、良くもまぁ思いついて、即断即決出来るものだなぁと。
この辺りの判断の速さは明乃の長所ではあるけれど、TVシリーズよりもパワーアップしていたような感じを受けましたね。

実践を想定したゲームでは明乃に勝てそうでも、何が起こるか分からない正真正銘の本番では、まだ一歩劣っている。
ましろがそう感じたとしても不思議ではないところでした。

結局、ましろの決断は、どっちでも間違いでは無かったと思うのです。
ここで晴風を離れて艦長に就任してたとしても、物語としては成り立っていただろうし。
その上で劇中で下した決断については、このクライマックスでの明乃の艦長としての指揮能力の高さとスーザンの家族想いな部分が決め手になったのだろうなと素直に思えるのが素敵でした。
もう少しの間「今の家族」を大事に守っていきたいという気持ちの方が艦長になるという悲願よりも勝ったという事で。

これが僕が綺麗なオチだなと思えた理由でした。

終わりに

シリアスパートで作画が力尽きてしまっていたのがちょいと残念。
最後までコメディパートの美麗な作画で行ってくれたら嬉しかった。

ただそれ以外は大満足の映画でした。
なんなら続きも作れそうでしたので、2期とかにも期待したいな。

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