「ぼくたちは勉強ができない」うるかエンドが最適解な1.00の理由

はじめに

受験がテーマのこの漫画もいよいよ3学期直前。
冬になれば、あとは本番までまっしぐらなので、このペースで行けばクライマックスもそう遠い未来ではなくなりました。
そんな訳で、この漫画がどういったラストを迎えるのであろうか。
自分なりに推理してみました。

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©筒井大志

尚、この記事は現時点でコミックス未収録(10巻以降の内容)の最新話までのネタバレを含みます。
ご了承下さい。

5人の候補者たち

成幸を巡る恋のレース。
候補者の顔ぶれを見てみましょう。

第1のコース。緒方理珠。
成幸のファーストキスをモノにしたちびっ子眼鏡っ子。
眼鏡女子が苦手な僕が初めて可愛いと感じた眼鏡っ子。
成幸の気持ちを知りたい。その一途な思いが成就するのか。

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©筒井大志

第2のコース。古橋文乃。
理珠とうるかの恋心を知っているからこそ、胃をキリキリとさせている文乃が好きですw
彼女のツッコミがとても好きなんです。
友人の好きな人を好きになることは無いと否定していた文乃ですが、父親との確執問題を経て、遂に陥落した感じが。
元々超有力候補だったのが、本格参戦したことで、いっきに先頭集団に食い込んできました。

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©筒井大志

第3のコース。武元うるか。
中学から成幸に惚れているので、時間だけを切り取れば、誰よりもリードしています。
しかし、だからと言って彼女に恋愛の女神が微笑むと決まった訳ではありません。
恋か夢か。
不器用な彼女は、片方しか選ぼうとしない。

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©筒井大志

そんな中、突然うるかが動きました!!!!!

第4のコース。桐須真冬。
人気1位の力は伊達じゃない。
猛プッシュを受けてる気がしないでも無いダークホースにしてある意味本命。

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©筒井大志

このエプロン姿でキリっとしてるところ好き。

第5のコース。小美浪あすみ。
成幸を翻弄する小悪魔あしゅみん。
いつもは強気な先輩が弱い姿を見せたシーンに思わずドキッ。

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©筒井大志

今のところこの5人がレースに出場中。
これ以上増える可能性も無くは無いですが、前述のように物語は最終カーブに入る間近。
新たにヒロインが出てくることはほぼ無いと思います。

よって、ここから誰がレースの勝者になるのか考えてみます。

いもうとたちは参戦ができない

成幸を巡るレース。
そこへ参戦する事も出来ないキャラがいます。
2人の妹です。

1人は真冬の妹である美晴。
美晴は、ある種の「文乃ポジションの上位互換」なんですよね。
文乃が「友達の好きな人を自分が好きになることは無い」という気持ちを持っていましたが、しかし、成幸への想いは隠しきれませんでした。
けど、美晴はそんなことにはならないと感じます。
盲目的な姉への愛。
姉の恋人と勝手に信じている美晴が姉を差し置いて成幸を好きになることは無いでしょう。
よしんば好きになったとしても、絶対に恋愛レースに参戦はしないとまで言い切れます。

2人目は唯我水希。
成幸の上の妹です。
僕はブラコンをこじらせてる妹キャラが大好きです。
当然水希メッチャ好きなんですが、ただ、冷静に成幸の恋人になれるかって考えるとなれないなと。
実の兄妹間の恋愛がOKな作品なら可能性はありますけれど、今作に限ってはそうではありません。
きっと成幸に彼女が出来て、それを横で見ながら滂沱の如く涙を流して嫉妬する姿がコミカルに描写されるエンドしか無いのでしょう。

勉強ができないと参戦ができない

微妙な「扱いの差」であって、この程度は見る人にとっては差別でも何でも無いのかもしれません。
けれど、僕からすると大きな差に見えることがあります。

「メインヒロイン論争」です。
ほぼメインヒロインの中から「最終的に主人公と結ばれるヒロイン」が選ばれるからです。
故にメインかそうではないかの線引きは、結末を予想する上で非常に有効な手段となります。
この線引き、恋愛モノには付き物の話題ですが、「ぼく勉」は非常に難しい部類に入るでしょう。
メインヒロインか否かは、少年漫画で言えばざっくりと「第1話に出て来てるかどうか」で判別が可能ではあります。
つまりは、理珠と文乃がWヒロインであるということになります。
ならば、2人の内どちらかが成幸と付き合う事になるのかもしれません。
確率は50%になります。
予想もしやすいでしょう。
然しながら、そんな簡単な話じゃないんですよ。

ここでコミックスでのデザインを見て行きます。
注目すべきは裏表紙ですね。
1巻からずっと3人のヒロインが紹介されていて、上から文乃、理珠、うるかとなっています。
真冬やあすみが登場後もこの配置は変わらずなのです。
これはメインヒロインが登場する度に裏表紙にも「ヒロインを表した鍵」が増えて行った「ニセコイ」とも反すること。
この扱いの差を見ると、真冬もあすみもメインヒロインという訳では無いと推測できます。

と言っても、論拠としては些か弱いのは確かです。
そこで、もう1つ2人がメインヒロインでは無いという論拠を示します。

この作品はあくまでも「成幸が出来ない子達を教える」ことを根幹としています。
数学が出来ない文乃。
国語が出来ない理珠。
英語が出来ないうるか。
成幸は3人の教育係を受け持っています。

では、真冬とあすみはどうか。
2人とも成幸の教え子じゃないんですよね。
テーマから外れた存在なのです。

見方によっては、真冬は「家事が出来ない」と言えますが、だからといって、それを成幸が「教育」してる訳ではありません。
作品の根幹から5人を見比べると、どうしてもメイン3人とそうじゃない2人に区別できちゃうのです。

以上より、真冬とあすみは、レースから脱落すると考えます。
そもそも2人は、現時点においても成幸を好きな訳ではありませんので、参戦すらしてないと見るのが正しいのかもしれません。

本来の目的が「将来の夢」な2人は参戦できない

では、3人のうち誰が本命となるのか。
先程の「第1話に出て来てない」を論拠とするならば、文乃と理珠がうるかを一歩リードしてるように見えます。
けど僕は、敢えて2人は本命では無いと見ています。

もう一度テーマに回帰してみます。
この漫画は「成幸が出来ない子達を教える」物語であり、その先に「彼女達が目的を達する」ことが保証されていますよね。
だって、そういうものでしょ。少年漫画だもの。
努力は報われるじゃないけれど、目的の為に突き進んできた物語で、それが達成されないなんてことは、少なくとも「ジャンプ」に於いては有り得ません。
そこで、何故彼女達は成幸の教え子になったのかを紐解きます。

先ずは文乃。
両親ともに数学者であり、彼女が幼き頃に亡くなった母とは生前よく一緒に星を見上げていた。
小さな思い出は、彼女の夢になった。
天文学者への憧れは、誰よりも強いです。
数学の才能が微塵もなくとも、どうしても諦めきれない夢。

文乃が成幸から教えを請うているのは、天文学者という夢の為です。
言い換えれば、天文学者になることが最大の目標であり、成幸の彼女になることが目的ではありません。
成幸が文乃を選ばなくとも、天文学者になれさえすれば、彼女は一先ずのハッピーエンドを迎えたと言えます。

続いては理珠。
人の感情に疎い彼女は、どうしても分かりたいと願った。
いつしか恋をし、想い人の感情を知りたくもなったけれど、原初はただただアナログゲームで強くなりたかったからです。
相手の心理を読み解いて勝ちたい。
その為に心理学を学びたいというのが彼女の動機でした。

人の気持ちを知りたいという彼女の気持ちは何があっても変わらないのです。
そう自身で宣言していますから。
例え、成幸の心が自分に向いてないと分かっても、変わることは無いのでしょう。
心理学を学んで、ゲームで勝てれば、やはり彼女の未来も明るいと言えます。

本来の目的を達成すること。
これが出来れば、2人共に相応のハッピーなエンドを迎えられるのです。
勿論ベストとは言えないかもしれない。
けれど、決してバッドではありません。

テーマ的にも成幸と結ばれない終わりの方が綺麗に映る。
以上の理由から、文乃と理珠もまたレースから脱落すると考えます。

うるかが目的を達成するための条件

さて、最後もやはりテーマから見て行きます。
うるかは何故成幸の教え子になったのでしょうか。

音羽大学のスポーツ推薦を取るのに必要な英語の成績を上げる為なのでしょうか。
確かに校長はその為に、成幸にうるかの教育係になるよう命じました。
だがしかし、答えは否です。

うるかは全力でそれを拒否しています。
文乃と理珠とは異なり、将来の為に成幸の教え子になった訳ではありません。
うるかの動機は、ただただ成幸の一番に成る為なのです。

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©筒井大志

学園を代表する美少女2人と成幸が接近した事に焦ったのでしょう。
どうしてもその輪に自分も入って、自分だけに振り向かせたかった。
言うなれば、彼女は成幸の一番になれなかった時点で目的未達成となるのです。
「ジャンプ」では有り得ないルートとなるんです。

うるかが「ジャンプ」らしく目的を達成するには、成幸の恋人になるしかないのです。

この先、海外留学の件で、最後の方までもつれる可能性はあります。
ただ最終的には、うるかは成幸を選択し、成幸もまたうるかを選ぶのでしょう。

うるかの目的を正しく解釈するならば、うるかルートしか有り得ないと思うのです。

終わりに

以上、うるかエンドが最適解な1の理由でした。

え?
タイトル詐欺じゃないかって?
いやいや。
ちゃんと合ってますよ。
「1.00の理由」って書いてあります。

100個も理由がある訳無いじゃないですか~。

閑話休題。
僕はうるかが一番好きです。
故に贔屓目からこういう結論を望んでいるだけと言われると、それは否定出来ません。
けれども、「みんな幸せに」を望むとうるかエンドがベターなのかなと思うのです。

果たして、実際はどうなるのか。
最後まで楽しんで読んでいきたいです。

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