「ドラえもん のび太の新恐竜」感想

この記事は

「ドラえもん のび太の新恐竜」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

コロナの影響で延期されていた映画ドラえもん。
約5か月を経て、遂に公開されました。

オープニング曲が無かったり、敵キャラがいなかったりと異例尽くしの1作となっていました。
感想です。

ピー助に感動

基本的に「ドラえもん」に縦軸となるストーリーは無いですよね。
原作、アニメ、映画全てに於いて同様であり、1作1作が半ば独立した形で存在しています。
つまりは、「のび太の恐竜」と「のび太の新恐竜」は繋がっていないんです。
これは作中ののび太らのセリフからも明らかでした。
恐竜の住む時代に初めて行ったかのようなセリフが多々あって、「のび太の恐竜」との繋がりを否定しています。

だから、今回出てきたピー助は、のび太がかつてふ化させて育てたピー助では無いんです。
違うんですけれど、オールドファンとしては今作で一番感動したシーンでしたよね。
「出て欲しいけれど、出るわけがない」と思い込まされてからの「まさか」でしたから、余計に感動しました。
こういったファンサービス、大好きです。

感想。

川村元気さんの脚本って、割と力押しだよね。
細部が少々雑で、見せたいテーマを見せることに全力が注がれている。
それが良いほうに働くこともあれば、悪い面が目立つこともあって。
今回どちらだったのかは僕が論ずることではないんですが、粗は目立ってしまっていた印象。

タイムパトロール、必要でした?

「彼(のび太)が恐竜から鳥類への進化を促したんだ!!」
TPに恐らく一番言わせたかったのがこのセリフで、その為に「第三者視点」として登場させたのでしょうけれど。
これ別にドラえもんのセリフに代えても問題は無いんですよね。

未来人としての立場。
恐竜と鳥類の関係に関する知識。
ある種第三者的視点で物事を見れる存在。

ドラえもんで担えるんです。
彼らの存在感を不要に感じました。

このように考えてしまうのも、TPの物語への絡ませ方が雑だからこそ。
何故TPはのび太たちを見張っていたのでしょうか?
白亜紀を担当していたジル(キムタクだとクレジット観るまで分からなかった。)が、白亜紀に現れた目的不明の集団(のび太たち)を見張り始めたのなら、それで理由は成立するのですが。
実際は、ジュラ紀にのび太ら一行が誤って行ってしまった時点から、マークしていました。
細かいことですが、この辺の説明が一切省かれていたのは、やはり雑に感じましたね。
恐竜博士に「ミッシングリンク」という子供が分からないだろう言葉を使わせていたりして、その辺も配慮に欠けていたと感じました。
(「ミッシングリンク」なんて大人でも知らない人が多いと思うよ)

この言葉ももうちょっと説明を付けて上手く使っていれば、クライマックスで活きてきた気がするんですけれどね。
恐竜から鳥類へと進化する過程の中で、連続性が欠けた部分(ミッシングリンク)がミュウとキュウだった訳ですから。

と、つらつらと批判めいたことを書きましたが。
ミュウとキュウが圧倒的に可愛い。
もうこれに尽きる。
2匹の双子の恐竜の愛くるしさの前では、全ては些末な事。

可愛かったなぁ。マジで。
のび太はすげぇよ。
あんなにも可愛い2匹とちゃんとお別れ出来るんですから。
ワガママを通さずに、きちんと2匹のことを優先してあげられるからこその決断ですよ。
本当、優しい少年だよね。

終わりに

東宝アニメ四天王の中で、トップバッターを切った本作。
実のところ、来年公開があるのかどうかがメッチャ気になっていました。
昨今の状況では、来年の公開を見送ったとしても致し方ないと踏んでいたからです。

ちゃんとやってくださるようで、ホッとしました。
現場は物凄く大変だと思われますが、公開してくださる以上は、ちゃんと見に行かなきゃですね。

ということで、来年は宇宙ですか。
恐竜ネタ以上にやりつくしてる感がありますが、今までにないストーリーになってると良いな。

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