「この素晴らしい世界に祝福を!」第17巻感想 この素晴らしい物語に賞賛を!

この記事は

「このすば!」最終第17巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

祝。「このすば」完結!!

実は僕が今作に嵌ったのは、つい最近なのです。
アニメもリアタイでは視聴しておらず、2年ほど前にdアニメストアで1期・2期を通して視聴。
その後原作にも手を出して、外伝やスピンオフも読破。
去年は映画を2回鑑賞。
まだまだファンになって日は浅いのですけれど、寂寥感は長年のファンに劣らないくらいは感じているつもりです。
やっぱ寂しいすよ。

バカバカしくも賑やかな連中のドタバタコメディを読めなくなってしまうのは。

とはいえ、完結まで辿りついたのは目出度くもアリ。
複雑な気持ちですが、切り替えて最終巻の感想を書きますね。

この素晴らしい物語に賞賛を

今回散々アクアに突っ込まれてましたけれど、カズマは徹頭徹尾「勇者の王道を歩まない」姿勢を貫いてましたね。
魔王戦まで貫徹してくれたのは、本当に嬉しかった。

今回冒頭からして邪道。
超遠距離からの爆裂魔法連発。
めぐみんに超高濃度マナタイトを目いっぱい持たせてからの爆撃。
まさに鬼畜の所業。

この戦法からして、カズマらしいのですが、個人的に今回もっとも彼らしいと思ったのは城内に入ってから。
1つ1つは他愛もない、およそバトル向きでは無いスキルを駆使し、なんだか強そうなモンスタートリオを撃破。
そのまま近衛兵たちの懐に侵入すると、鹿顔隊長を背後から暗殺スキルで一刺し。
あまりにも巧妙。

カズマ最大の強みは、モンスターを目の前にしても物怖じしない強心臓と機転が利くところ。
普通にビビるけれど、立ち向かっていける所は普通じゃありません。
しかもなんだかんだ冷静で、汚かろうが卑怯だろうが、勝つ為の手段を思いついて、実行に移せるところが凄い。
それをこの最大の決戦に於いても発揮するところが、作品の評価的にも良いよね。

だって、ラストバトルだからと言ってカズマがチートスキルに目覚めて、真っ向から魔王を斃したら、「このすば」じゃ無くなっちゃうよね。
16巻での修業の成果を如何なく発揮して、頭を使って姑息にも勝ちをもぎ取っていく。
カズマさんらしさを貫いてくれて、最高でしたよ。

で、で、魔王戦。
まさかの一対一。
色々と策を講じて魔王を追いつめて、最後はちょびっとだけ王道してましたね。
カズマのくせに格好良かったぞ。
いつの間にか爆裂魔法を修得してましたというのは、愛だよ愛。
めぐみんへの愛。
大好きな異世界を。素晴らしい仲間を。
全てを守る為に殉じた最期の一撃。

カズマの「復活できないマジもんの死」からのアクアのガチ泣きは、不覚にもうるっとしてしまいました。

多くの冒険を共にして、悲しい事、辛い事を一緒に乗り越えて、楽しい事をめいっぱい謳歌した。
そうやって女神は1人の少年の死に心の底から悲しんだ。
これは凄い事ですよ。

永劫を生きる神々が、下界の人間の死に触れることなんて数えきれないくらいしてきた訳ですよ。
死後の世界の番人を務めるアクアにとっては、無数の死の中の1つに過ぎない。
それなのに死にここまで感情を左右される。

もう少し踏み込むと、ただカズマと一緒にいたいというだけならば、彼の死はアクアにとって悲しい事じゃないんですよね。
何れ転生するのかもですが、暫くは天界(天国?)で一緒にいられるのだから。
会いたい時にいつでも会える立場にアクアはいるのですからね。

故にアクアにとって「カズマが死んで何が悲しいか」と言えば。
めぐみんとダクネスと、そしてカズマと自分と。
4人で一緒にバカ出来なくなった事が悲しかったのだと思う。

ここまで想像しちゃうと、うん。
泣けるよね。
「この素晴らしい世界」って言うのは、カズマにとっては勿論の事、アクアにとってもそうであったのだと分かったのだから。

エピローグはまたカズマらしさ全開。
天界をワープポイントに設定しちゃうところとか、これぞカズマ。
「これからも4人のわいわいガヤガヤが続いていく」という理想の落とし所に行きついて、見事な完結。

シリアスに振っても良い最終決戦まで、これまで通りのスタイルを貫いたところが、個人的に最大の「良かった点」でした。

終わりに

とはいえ、まだまだ読みたいという気分があります。
特にアイリスが今回全く出てこなかったのは心残りでした。
魔王を斃したカズマがアイリスと結婚できる権利を手にしたので、それを巡ってのドタバタラブコメを見たいじゃないですか。
アイリスに「お兄様としてしか見れません(結婚したいとは思えない)」って言われて、ガチ泣きするカズマを是非見たいじゃないですか。

あとがきで仄めかしてくれたように、いづれこの続きというか、補完的な物語を望みます。

それはさておき、繰り返すようですが、最高の締めでした。
面白かったです。

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